連載小説 【砂時計】第1章 | 東大阪市不動産会社リナホーム 代表なおきのブログ

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【砂時計】第1章






2011年3月11日 発生した


東日本大震災は 未曾有の 大災害だった。


政府は その後 原子力発電所を 全て廃止し


電力不足を補うため あらゆる分野での エネルギー開発が進んだ。 


しかし 政府が描いたような 新たなエレルギーは確保できず


その後 急速に エレルギー不足が 深刻化した。


国内のGDPは 急速に減少し アジアの大国と呼ばれた頃が


今では 遠い 過去の話となっている。


又 深刻な エレルギー不足は 一般家庭にも 襲ってきた。


一日の大半が 停電となり ここ数年 家庭で 


テレビすら見ることも 許されないほどだ。


それに 追い討ちを かけるように 


中国からの 光化学スモッグが 1年中 本土を覆い、


平均気温は 一気に 20度も下がってしまい


夏でも コートが 手放せなくなっている。


エレルギー不足のため 一般家庭における


暖房器具の使用は 禁止されており


ここ10年で 生活は すっかり変貌してしまった。


また 急激に 平均気温が 下がったことで 


訪れた 更なる 悲劇は 深刻な 食料不足である。


国内の農業は 甚大な被害を受け ほぼ壊滅的。


島国ならではの 漁業も 水揚げされるものの


放射能汚染が 深刻化し 食には適さないと WHOから指摘を受け


魚介類が 流通することは 無くなってしました。


この 急激な危機的状況を 打破するため


日本政府は 関係諸国に 救済を求めたが


手のひらを返したように 見放され


輸入も ままならない状況が 続いている。


そこで 政府が 苦渋の決断をする。


そう 【口減らし】だ。


深刻な エレルギー不足と 食料不足を乗り切るため


人口を 大幅に 削減しようというわけだ。


社会保障の財源が 底を尽いたなか


40歳以上の 成人を ランダムに選出し


処刑するという 法案を成立させ


矢継ぎ早に 実行されている。


原則 1家庭に付き 1名以上の 


犠牲者は 出さなくても良いのだが


1名の犠牲者を 差し出すまでは 常に 不安がつきまとう。


それらの告知は 第2次世界大戦当時の 


赤紙を 彷彿させるもので 


なぜだか 封書と一緒に 砂時計が送られてくる。


残り 少ない時間を 無駄にするなという事なのかも知れない。


そして 砂時計が届いた家庭では


誰か一人 40歳以上の犠牲者を 出さなければならない。


その処刑の実行日時は 赤い封書に書かれており


信じられないほど 正確に その時間 政府から迎えが来て


処刑場に連行され ただちに処刑される。


そして その処刑方法が 悲惨だ。


処刑場には 小さなカプセルが 無数にあり


そのカプセルに 密封されたのち 注水開始され


瞬く間に 溺死することとなる。


なぜ 溺死なのか?


水だけは 豊富にあるからなのか?


その意図は 誰も知らない。嫌 知りたくも無い。


以前1億3000万人あった 日本の人口も


口減らしが実行されて ここ2年間で


9000万人を割ったらしい。


どうやら 5000万人になるまで 計画は 続くらしい。


そして とうとう 我が家にも やってきたのだ。


我が家の 40歳以上の成人は 私か妻だ。


一切 迷い無く 私が 犠牲になることを決めた。


まだ 独身の 子供達には 妻が必要だ。


あと 残された時間は わずか


いつ どのタイミングで 家族に 話すかが 問題だ。


2020年3月20日20時


もう さほど 時間は ない。