懐紙のこと
茶の湯で懐紙と言うとお菓子を載せたりお茶碗の口元を拭いたりするときに使う
二つ折りになった白い紙の束のことです。
もう一つは短歌を書く料紙のことで、掛け物になっている事があります。
今回は懐に入れておく紙の束の懐紙のことをお話します。
茶の湯はエコロジーの観点からも無駄のない、物を大切に使うお手本だと思いますが
懐紙だけは、使い捨てなのです。
茶室では懐紙が大活躍をします。
先にも書きましたようにお菓子をとるお皿の役目。
次に濃茶を頂いた後飲み口を拭く、ふきんの役目。
酒席での杯の交換の時にやはり飲み口を拭きます。また杯を懐紙に載せて差し出したりもします。
万一、御茶や懐石の汁などがこぼれた時は懐紙が役に立ちます。
また下戸の方は飲みきれなかったお酒を懐紙に染み込ませて、家に持ち帰ります。
懐石の器の始末には無くてはならないものです。
ある時はお皿の役目、フキンの役目
またあるときは敬意を表す働きを・・・
なので、お茶会やお茶事にお招きされた時は
薄くなった懐紙の束は家に置いておき新しい、厚いものを用意されるのがいいと思います。
薄い懐紙だと、お皿の役目が果たせませんものね。
また、漆の器を拭く時は特に気をつけて優しくおすように拭きます。
決してこする事の無いようにお願いしたいものです。
そのためにも懐紙を選ぶ時は柔らかいものを選んで頂きたいと思います。