アレッポ | アブエリータの備忘録

アブエリータの備忘録

Yesterday is history,
Tomorrow is a mystery,
Today is a gift.
That's why it is called "present".

シリアの激戦地アレッポで取材中の山本美香さんが銃撃を受けて亡くなった。


中近東(中東?)の厳しい情勢に関するニュースや、アラブ世界の特殊さ(?)を目の当たりにするようなテレビ番組を見るたびに思うことがある。「あーあ、アラビア語と縁が無くてよかった


というのも、今を去る45年前、大学入試で某大学のアラビア語科を受験したのだ。世界情勢や各国のお国柄などなーんにも知らないド田舎の娘は、あさはかにも、「これからは英語なんか出来て当たり前で、特殊言語ができるヒトが少ないんやから、希少価値があって就職に困らへんのとちゃうやろか」とか、「世界で一番難しい言葉がわかるなんてかっこええやんか」とか・・・軽ーく考えていた。


現実には、英語やフランス語やドイツ語には人気が集中するので倍率も高く、とても合格する可能性はないように思われた。マイナーな言語であるアラビア語でも20倍を超えていたのだから・・・。


高校三年の時、クラスで外国語好き仲間のうち、倍率低めの語学狙いのグループがあって、タイ語、ペルシャ語二人とアラビア語の私が、同じ大学を受験した。結果、タイ語とペルシャ語の男子は合格で、ペルシャ語とアラビア語の女子は落ちた


数十年経ってからの同級会で、あの時合格した男性二人は世界を駆ける商社マンになっていることがわかった。ペルシャ語のヒトなんかは政治情勢の濁流に呑まれて、某国で数か月の軟禁状態を余儀なくされたこともあったらしい。


1972年には日本赤軍がテルアビブ空港乱射事件を起こしたり、赤軍派の人間が中東へ亡命したり、・・・そういったニュースからどんどんとアラブ世界の現実を知ることとなり、「受験に失敗して良かったんやなあ 」とつくづく思っていた。


文化の違いをお互いに認め合うことは並大抵のことではない。中国や韓国やアラブ諸国と、海を隔ててしか隣国がなくて豊かな緑と水に恵まれた日本とは、とても倶に天を戴くことはできないのではないかと思える。


山本さんが亡くなられたアレッポという地名にかこつけたブログを書くつもりが、いつのまにかこんな方向へ来てしまっていた。


アレッポといえば、オリーブオイルと苛性ソーダだけで作られる石鹸で有名だ。その原始的ともいえる製造過程をテレビで見たことがあったが、とてものどかな村の風景だった。一時期、ブームになって以来、デパートでもどこでも販売されるようになった。

アレッポの石鹸 (ノーマル) 200g

¥383
楽天


私がこの石鹸を使うようになってもう長い。これ一つで髪の毛から全身が洗えるので、シャンプーとかリンスとかが必要なくて、海外旅行へ持って行くのに重宝した。肌には本当に優しくて毎晩洗顔に使っている。ただ、熟成された石鹸の独特の匂いがあるのと、湿気に弱くて、夏はスライムのように溶けていくのが難 それと、目に入ったら痛くてたまらない


使い始めた頃は、誰かれなく薦めたものだが、今も使っている人は少ないのではないか。概して、毛染めをしている人には評判が良かった


最近は、通販で買って愛用しているシャンプーもあるのだが、たまにはこの石鹸で洗う。洗髪が早い 石鹸がまだ新しいうちは、髪の毛のボリュームも出て、まとまりも良くて、ほんとにスグレモノなのだ。しかし、使っているうちに中心部の美しいオリーブ色になってくると、ツバキ油を塗ったかのように髪の毛がしっとりし過ぎるきらいがある。だから、洗髪だけは新しいうちの石鹸を使っている。


肌に優しいアレッポの石鹸は洗浄力が弱いようなので、たまには昔からの牛乳石鹸も使う。だから、お風呂には、牛乳石鹸とアレッポの石鹸二種(髪用と身体用)と柿渋石鹸(ダンナ用)を置いている。二人家族なのに・・・


そして、もうすぐこの石鹸も仲間入りする。ちょっと前にこのミツワ石鹸のコマーシャルの動画(紹介したブログの一番下の余談をご覧ください)を載せたのだが、たまたま、生協の注文書で復刻版を見つけて、迷わず購入した こんな偶然もまたうれし


 



付記: 話題提供にしてしまって心苦しいのですが、心から山本さんのご冥福をお祈りいたします。