入院は8泊9日だった。
赤い皮疹を見つけた翌日、「これって帯状疱疹じゃないですか?」とリウマチ科に駆け込んだら、「そうですね。免疫抑制剤の副作用ですね。免疫力低下によって、長い間潜んでいた水疱瘡の菌が活発になったのです」と医者は淡々と語った。想定内だったのだ
まわされた皮膚科では一目みるなり「入院ですねえ…」と、診察もそこそこに「ベッド空いてますか?」と病棟と連絡を取り始めた。
えーっ入院うれしーっ念願の()入院だあ
右手は全く使えず、痛みも相当だったが入院生活は快適だった
幸運なことに最後の2泊以外は二人部屋を独占して個室状態だったので、隣人の気配や音や光を気にすることも無く、のびのび過ごせた。
そして何よりも嬉しかったのは、ダンナとうまく離れることができたこと
ダンナの腰痛が激しくなっていたので、私に対する怒りを溜めているだろうことはわかっていた。でも私が病人だからダンナは何も言えずに我慢
私はダンナの「至らない点」や「アホさ加減」に堪忍袋の緒が切れそうだった。しかしダンナに世話になっている身だから何も言えずに我慢
お互いにストレスを溜め合って、体調を悪くし合っているという最悪の状況だったのだ。
これを打開するには、「私の入院」がお互いにとって最上の方法と思っていたのだが、そう簡単には入院させてもらえない。
そんなところで帯状疱疹を発症「入院」となって、「渡りに船」とばかりに、スキップするような気分で入院したのだった。
家族の心配をよそに、「入院が長引けばいいなあ」なんて不謹慎なことを考えながら…
でも長引いたのは、帯状疱疹後の疼痛だった