治る瞬間 | by 行正り香

治る瞬間

小さな耳のことでも、腰がいたくても、足が痛くても、

人間落ち込みますね。

いかに人間というのは、不思議な、そして完全なるバランスの上に

成り立っているか、ということです。


私は10代で片頭痛、それも強度の痛みで大学病院に入院、

20代で難聴で苦しみ

今は、本当によいストッパーができたな、と思っています。


やろうと思ったらもっとできるかもしれない、

いい人間になろうと思ったら

もっと無理すればできるかもしれない、

だけど、ある一点のポイントを過ぎると

「はい、できません」というセンサーが働きます。

都合よいセンサーです(笑)。


そこから先は、流すことができる

トレーニングができたのだと思います。


で、自分のセンサーで、仕事をストップして

掃除をしたり、プールに行ったりして休んで

時間を待つのですが、

そこで不思議な経験があります。


私は誰か大事な人に話をしているとき

「あ、治る」とわかる瞬間が訪れるのです。

それは、とてもポジティブな、

不思議な感覚で、言葉では表せないのですが

あ、治る、もう大丈夫、と

心のなかで素直につぶやく瞬間です。

そしてその声を聞く、というかんじかな。


昨日もそう。

難聴のときもそう。

頭痛のときもそう。


多分自分にとって大切なことは、心のつまらないことを

外に吐き出してしまうことだけで、

(それもこれといったぐちではなく、あー、あのときはこうだったね、とか

こんなこともあったね、とか、そう思う思うとか

そんな感じ…・笑)

実はとてもエネルギーをもらっている。


そうか、そうだね、という人がいるだけで

とても楽になるんだと思います。


弱い部分を知ることは

とてもいいことだなーと思います。

で、私が自分で分かったことは

強くないな~、さみしがりやだなー、だから

やっぱり自分にとっては、

人が大事、あとは大事だけど

自分が無理するほどではない、ということなんです。


しかしですね、我が家のよし子ちゃんは

いつもナイスアドバイスです。


以前難聴のときは、これ以上ない暗いCD送ってきて

「よしちゃん、これ聞くと暗くなっちゃうね」というと

「いいのよ、りかちゃん、暗い気分のときは、とことん暗い音楽を聞きなさい。

そのうちばかばかしくなるから」というものでした。


甥っこが障害を抱えているとわかった日は

「サーカスに行ってきなさい」というものでした。


あまりに突拍子がない言葉で

一瞬戸惑いますが、大丈夫?心配だわー、といわれるより

サーカス見た方がいいよな、と思います。


というわけで、本日からはラテンミュージックで。


最近一番好きなのは

HHomenaje a

Elena Burke


素敵な方から頂いたのですが

いや~、音楽聴いて聴いて聴きまくって

ここに到達したのだな、と

感動する一枚でした。

人が好きなことを

最大限想像してくれる、その思いやりが

CDのなかには入っています。


Have a nice Friday