ちょっとのメモと危うい記憶が頼りのため、
先に30日の終演後に行われたポスト・パフォーマンス・トークについて書きます。
メモの字は本人でも判別不可能、記憶力はポンコツ頭なので期待できず。
ですので聞き間違い・覚え間違い・思い込みなどあるかも分かりませんのでその時はご指摘ください。
まず司会の大学教授の田口さんに紹介されて1人ずつ舞台上に。
「まず、市川亀治郎さんどうぞ・・・。」と呼ばれて亀治郎さんが舞台に登場されるまでの妙な期待感(笑)。
「今日はどんな格好で・・・・・。」と思っていたのですが、この日はダークスーツのノーネクタイ。
ホッとした反面、「な~~~んだ。」と残念がる気持ちも・・・。
どうもとんでもない格好を亀治郎さんには期待していたらしい(笑)。
・・・・・・で、亀治郎さんがごくノーマルな格好だったということは・・・・・・。
「片岡愛之助さん、どうぞ。」・・・・・ドキドキドキドキ・・・・・よかった~~~普通のダークスーツで(笑)。
こちらもノーネクタイで亀治郎さんとよく似た雰囲気。
考えたらお2人ともさっきまできれいな格好で舞っていたんだからそんな凝った格好するはずないわな(笑)。
愛之助さんが普通の(爆)、突っ込むところのない格好で出ていらしたところで、
私のトークショーは終わってしまいました(笑・・・・ウソ)。
で、椅子がもう1つあったので、
「やった~~~亀鶴さんも出てこられるんだ~~~。」と何の疑いもなく思っていた私です。すみません・・・。
3人目の方は葵太夫さん。こちらはくつろぎ気味の浴衣(?)姿でした。
なぜこの3人なのかと言うのは、今回のこの公演、大学主催でテーマが「視点」なので、
それぞれ大事なお役の3人にご登場いただいたということでした。
-この演目を選んだ理由は?-
2002年に亀治郎の会を立ち上げてから、歌舞伎の役者本意・スター主義に疑問を感じていたため、
歌舞伎にも物語的良さがあり、誰が演じても物語で感動させられるというのをテーマにやってきた。
そうなると歌舞伎にはなかなかいい作品がないけれど、やはり義太夫狂言が優れている。
その中でも「奥州安達原」は好きな作品で、2時間弱の中にお芝居のすべての要素が入っていて、
筋がすっきりしているのでこれを選んだ。
このお話を聞いて、スター主義の宝塚、ストーリー主体の四季というのを思って、なるほどなぁと・・・。
-脚本面での工夫は?-
「奥州安達原」は普段“袖萩”の出から始まるが、それでは物語が観ている人に分かり辛いので、
今回はこの前に1幕ですべてがわかるように、台本12ページにまとめて入りの場面からやった。
-演技の工夫は?-
自分が1番大事にするのは誰に出ていただくかということ。
自分以外のメンバーはこの世代におけるベストメンバーだと思っている。誰1人欠けても出来ない。
役の工夫というか、「誰とやるか」ということ。
これって、上で言っていた誰がやっても感動できる物語を・・・・というのと矛盾しているように思うのですが。
あれ・・・・・・?私の理解不足??
-愛之助さん、大変凛々しい八幡太郎義家でしたが、初役ですか?-
松嶋屋の家はこの狂言には縁もゆかりもないうちなので、一座した時にかかったことがない。
今回やりながら生で初めて観た感じ。
叔父の仁左衛門は以前宗任で出ていて、「義家はやったことありますか?」と聞いたら、
「いや知らん。」と言われて(笑)、どうしようかなぁと思って、困って、梅玉兄さんに伺った。
「何もお教えすることはないんですよ。」と役の性根を教わった。やはり役の性根が1番大切。
台詞回しなどはそう決まったものではないので、あとは共演者の方と相談して作り上げていくもの。
動かないお役は難しいと痛感した。
-葵太夫さん、噂ではこのお芝居をずいぶん亀治郎さんに薦めていたと・・・・。-
ずっとこの会をやらせていただいていて、「次何を?」という時にぜひこれをと。
特にパルコの「決闘!高田馬場」の亀治郎さんの立役・女方の両方の演じわけを見て、
“貞任”と“袖萩”の演じ分けができるのではないかと思った。
この時話し出された葵太夫さんは声がとても辛そうで、声をいためていたそうです。
-ここ1番のお薦めは?-
今回浜夕から傔仗が切腹した梅を受け取ってそれを見る型にしているが、
これは、元々平家方であったが今は源氏となっている傔仗が
死を迎えた時に再び平家側に戻ったということを赤く染まった梅の枝で表した。
袖萩、貞任のドラマだけでなく、傔仗のドラマも感じてほしい。
-愛之助さんは-
いやもうそのとおりでございます。
・・・・・・って、まるで秀太郎さんが話した後のような受け答えで(笑)、
本当に話すことがないのか、本当は面倒くさいのか?ウケを狙っているのか・・・・・(笑)。
「松廼羽衣」は明日を持って千穐楽で、ここでしか観られないのでぜひご覧ください。
ここで葵太夫さんが
「松廼羽衣」を2階で拝見してとてもきれいでしたので、今日1階席の方は明日ぜひ2階席で。
“祭文”は亀治郎さんが車が1台買えちゃうくらいの素晴らしい三味線でお引きになっている。
稽古も重ねているのでご注目ください。
-「松廼羽衣」は、この春秋座でしか出来ないものをとお願いしたんですが-
「松廼羽衣」は大体詰まんないものなんですけど(爆)、
ただ天女が出てきて伯龍は座っているだけで、天女が1人踊り狂って入ってしまうという・・・(笑)。
でもこれは伯龍が語り手になって進んでいくお話、返す返さないの問答になってないといけない。
伯龍は刺身のツマみたいな踊りではなく、
愛之助さんみたいな立派な役者さんに出ていただいているので(愛之助さん照れ笑い)、
お互いが同じ力で拮抗しないと全然おもしろくない。
だから今回、伯龍は大変で、いつもの5倍くらい踊ってもらった。
松竹座での出演の合間にお稽古していただき、夜も12時くらいまでやることもあった。
また、春秋座の奥行や近代的なライトを使ったり工夫して作った。
松もすごく立派で・・・・普通は松1枚だけですが、家が大きかったら持って帰りたい。
「差し上げますよ。」って言われてました(笑)。
ライトも普段は見せないが、全部飛ばして・・・・?(不確か)
歌舞伎座で出来るものは歌舞伎座でやればいいから。
-今後は?-
<亀治郎さん>
国立で「亀治郎の会」、その後静岡でもやって、9月は「秀山祭」、平行して大河の撮影に入ります。
9月を持ちましてしばらく舞台はお休みという事で、消えまして(笑)、
来年3月のパリのオペラ座にちょっと現れてまたお休み。
日本で舞台に立つのは9月が最後で、次の「亀治郎の会」付近までお休みです。
ここで私は気付かなかったのですが、この日お会いした亀治郎さんファンの方が「浅草出ないんだ。」と・・・。
そういやそうですね~~~。来年の浅草はいったいどうなるんでしょう。
<愛之助さん>
8-9月は1ヵ月興行は休みで、10月に松竹座で染五郎君と2人でお芝居をやらせていただきます。
これ本当は亀治郎さんも入っているのかと思いきや、蓋を開けたら居なかったという・・驚きました。
11月は国立劇場で「忠臣蔵」で、12月は、(顔見世?歌舞伎座?)です。
(ここは「歌舞伎座」って聞こえた人と、「顔見世」って聞こえた人と・・・・・例年なら顔見世~~?)
「忠臣蔵」のお役は?と聞かれて、「まだちょっと・・・・。」と言うことでした。
<葵太夫さん>
松尾塾子供歌舞伎で「奥州安達原」を語ります。
今回とは型が違うし、こちらの方は皆さんの工夫が入っているから私の本は張り紙だらけです。
ここで亀治郎さんが胸元からチラシを取り出し「若伎会」の宣伝。素晴らしい~~~~
愛之助さんが日程などを紹介している時に、携帯の音、「電話大丈夫ですか~~~?」って。
卒塾生がメインで竹三郎さんが仕切ってられてると言ったら、「出るんじゃない。」と亀治郎さんに言われ、
「私や父もちょこっと出演します。」と・・・・。
「実録忠臣蔵」といって、普段観たことないものだそうです。お楽しみにということでした。
そこで亀治郎さん、もう1枚のチラシを取り出し「上方歌舞伎会」の宣伝。素晴らしい~~~~
関西の歌舞伎が盛んになることが瓜生山の狙い。これも大きな波になってほしい。
2回3回とやりたいがお客さんがいないとやれない。
いくら採算度外視と入ってもお客さんがいないとやっても仕方ないので、
「階段のぼるのいや!!」とか言わずに1年に1回ぐらいのぼって観に来て下さい。
-今度もご出演いただきたいんですが?-
自分が「亀治郎の会」を立ち上げた時に同時に「若衆歌舞伎」を立ち上げ、
二人は同じ道を歩んできている。
昼の部は僕、夜の部は愛之助さん、そういう競合が出来る会に出来るといいですね。
ぜひ皆様よろしくお願いします。(拍手~~~~パチパチパチ~~~~)
ここで葵太夫さんが
「伊賀越え」3つ目の沼津ではなく、岡崎・・・(?)というのがあって、
渋くて、松竹でもいい芝居だけれど興行ベースに乗らないという芝居。
これを、・・・・マサエモン(?)を愛之助さんに、女房オタニ(?)を亀治郎さんにやっていただきたい。
脚本も風通しといいものにしたら甦る。
この後、亀治郎さんと葵太夫さんの話がちょっとちぐはぐになって、
亀治郎さんは沼津の話をして、「平作とお米を役替わりで。」って愛之助さんに言っていたようなんですが、
誰も何も言わなかったから聞き間違いかも・・・・。
こんな感じでした。全部で30分弱くらい?
亀治郎さんもチャキチャキした人とご一緒だと案外「ぼ~~~」っとしたりしているんですが、
愛之助さんとご一緒だとチャキチャキと・・・・・。
2人で「ぼ~~~」っとしていたら話が進みませんからね(笑)。
「松廼羽衣」の終演後すぐのトークショーでしたのでお2人は汗をふきふきしながらのお話でした。
ご苦労様でした。楽しかったです。