前回の続きです。
東洋医学から診た月経痛の「虚証」について記載致します。
虚証を簡単にまとめると、
・邪気は盛んではない
・正気が不足している
・慢性的で激しくない症状
このような性質を持っています。
また、
月経痛の虚証は
鈍痛が多く、
月経後半に痛むという性質を持っています。
これをさらに、詳細に分類すると3つのタイプに分類することが出来ます。
①気虚タイプ
②血虚タイプ
③陽虚タイプ
この3タイプです。
それぞれ症状としては、
①気虚タイプ
気が足りなくなって生じるタイプです。
・出血の色は淡い
・冷えはそれほど強くない
・めまいもある
・息切れしやすい
・倦怠感がある
・動悸がある
②血虚タイプ
血が足りなくなって生じるタイプです。
・出血の色は淡い
・冷えはそれほど強くない
・めまいもある
・足腰のだるさを伴う
・耳鳴りもある時がある
・かすみ目を伴う
③陽虚タイプ
陽気が足りなくて生じるタイプです。
・冷えると悪化する・
・顔色が白い
・透明な帯下が多い
・足腰が冷える
・足腰がだるい
この3つが虚証の症状であります。
虚証なので、邪気はそれほど強くはなく、
体を守る正気の不足から生じます。
そのため、痛みはそれほど強くはないですが、慢性的です。
疲れたときには悪化する傾向があります。
治療としては、
それぞれ、気や血や陽を補う手法が必要です。
以上、「東洋医学から診た月経痛」の分類分けでした。
実際の臨床では、
この体質評価をもとに主症状へ対応していきます。
例えば、、、
歩行時にスラスト
↓
膝が痛い
↓
月経痛の評価
↓
瘀血タイプだ!
↓
三陰交へ刺激
↓
スラスト消える
↓
膝の痛み消える
という流れで臨床を行っていきます。
とても面白く臨床的ですが、やはり詳細な評価が重要だと思われます。
タイプが違うと効果はありません。
しっかりと評価、アプローチ、効果検証とすすめていけば効果絶大です。
臨床の参考になれば幸いです。
人間をトータルで診る
千葉道哉