日本の皆様からも鑑定の折にご心配いただいておりますが、
パリの連鎖テロ事件、「嫌な満月の配置だな~、満月後の2日から3日は
要注意です」なんて、
ブログやFBにも書いていたら、このようなことが自分の間近のパリで
起きてしまいました。

ヴェルサイユは平和な雰囲気ですが、
やはり犠牲者を弔うため、そして言論の自由のため、
テロに屈しないようにフランス市民みんなが連帯感を養うべくデモが
市庁舎前にておこなわれました。

そして、本格的なデモが明日、パリ市内でおこなわれます。
これには、オランド大統領やサルコジ元大統領も参加するようで、
かなりインパクトの強いデモとなるでしょう。

フランス国籍の善良なイスラム教徒たちは、
すぐに「自分たちはフランスの法律に準ずる、テロとイスラム教とは
まったく関係がなく、犠牲者たちを支援したい」と公言しました。
彼らへの偏見がこの事件をきっかけに増えないよう、
祈るばかりです。

イスラムの国も「テロと自分たちの宗教は関係ない」とフランスを
支援する声明をきちんと出してくれました。
まったくそのとおりです。

イスラム教徒を差別してはいけないと思います。

それにしても、フランスの殺された風刺漫画家たちとそのご遺族には
追悼の意を捧げたいと思います。
特にご家族にとってはやりきれない思いでしょう。

しかし、彼らはずっと以前から脅されており、
実際に私がもしも、イスラム教徒だったら、やはり愉快には思わないような
画を描き続けてしまっていました。

東北の大震災の時の原発事故についても、彼らではなく、
フランスと英国のテレビ局はそれについて揶揄し、
たまたま観てしまった私は悔し涙を流したのを覚えています。
数日後、現地の日本大使館から英仏両方の番組にクレームがあげられました。
英国のテレビ局はただちに謝罪しましたが、
フランスのテレビ局は「表現の自由である。よって謝罪はしない」と
はっきり言ってのけました。

表現の自由はなければなりません。
それは理解できます。
ただ、自分の表現が他者の尊厳を損なってしまう性質もものであったなら、
私は謝罪すべきだと思います。
自分の「権限」とか「表現の自由」よりも
他者を傷つけてしまったことにたいして謝罪するだけでもよいと思います。

ようは、思いやりの心を持つこと・・・ですよね。

今回の事件についてはもちろんテロリストの犯行であり、
人を殺めるのはぜったいに悪いことです。
それは聖戦とはいえません。報復としても関係ない人の命を奪うのは
卑怯なことです。

ただし、この風刺週刊誌自体は実際、かなり前からフランス政府に
「自粛するように!」と通告されていましたし、
何度も脅されており、爆弾まで仕掛けられていたのです。
それでも、やめなかったのですよね。

それは果たして、「表現の自由」とか「ペンは剣よりも強し」に値する
行為でしょうか?
違うと思います。
書(描)き手の一種の奢りでしょう。

私はもともと編集者でしたし、フリーライターでしたから
この件については、情報を発信する者の立場や責任は
ある程度、察しがつきます。

「そのやり方しかなかったのですか?」
私は風刺漫画家たちにそう問いたい思いです。
ご家族やご友人たちを悲しませる結果は想像しなかったのですか?
とも訊いてみたいです。

風刺というのはこちらのカルチャーではありますが、
仏政府とテロ団体の両方から「自粛せよ」と言われても
続けた彼らのことが理解できません。

人の神経を逆撫ですることがユーモアであり、表現の自由だとしたら、
それはものすごく悲しいこと。

自分の行動の行く末を彼らは予測できなかったのでしょうか?
それとも彼らもテロリスト同様の聖戦の騎士のつもりだったのでしょうか。

この国の共和国理念について、再び考えさせられる日々でありました。
思想よりも心。他者の心を傷つける行為は「自由」ではなく「野蛮」です。

しかし、これを言ってもフランスの人たちの大部分は「?」だと思います。

思想・理念だけ叩き込まれていて、「思いやり」の実践を怠っているような
気がします。
それは実践しようと思ってできるものでもないのですが、
自分のことも他人のことも好きになれば、
自然にこみあげてくる感情に由縁するはずです。

最初に自分からオープンになるのではなく、
「最初に相手を皮肉ってテストし、そのテストに合格したら
素晴らしい友情が始まるのがフランス流なんだ」
と、あるフランス人のFB友達に言われて
私はびっくりしました。
彼女はとても温かい投稿をする人で、親切に私に自分たちのメンタリティを
教えてくれただけで、逆に私を応援するつもりでのアドバイスでしたので、
余計に戸惑ってしまいました・・・。

う~む。
やっぱり、理解できないなぁ~、と
最終的には考えることをやめて昼寝してしまった私です(笑)



兎にも角にも、
今回のテロで亡くなったすべての方のご冥福を心よりお祈りいたします。