Moonlight Serenade ~ムーンライト・セレナーデ~ | 美肌ジャズタイム

美肌ジャズタイム

『ジャズをもっと身近に』をモットーに、歌とフルートで活動している日本の女性ジャズ歌手若生りえのブログ。ジャズの歌詞について語っています。


電球ここでの解釈は、私、若生りえがあくまでも歌手として歌わせて頂く際の、一つの歌詞の世界であり「こんな気持ちで歌わせて頂いております」という一つの意思表示です。この世界の認識を押し付けたりするものでもありません。あくまでもご参考までに。また文章をお使いになる場合はお手数ですが、ひと言ブログへコメント頂ければ幸いですSAYUうふふ

MOONLIGHT SERENADE   1939年
~ムーンライト・セレナーデ~
作詞/ミッチェル・パリッシュ Mitchell Parish
作曲/グレン・ミラー Glenn Miller


【ご存知!!グレン・ミラー楽団のテーマソング!!】

六月の宵・・・。

バラはそよそよと揺れて、優しく香って・・・。

そこに、あのメロディーが・・・

(ミュージック、スタート!!)

♪タ~ラァ~ラララ~、

ラララ~、ラララ~、ラララ~ラ~♪・・・

う~ん!!

クラリネットの美し~いハーモニーが流れてくる・・・


ロマンティックですねぇ~Wハート

これはトロンボーン奏者としても有名な
グレン・ミラーが1939年に作曲しました。

となっていますが、この曲、実は、
彼自身が練習している時に吹いていたメロディー
なんですって!!

メロディーを聴いていると、なるほど!

美しいロングトーンのようですね。

映画『グレン・ミラー物語』をご覧になられた方も
いらっしゃるかと思いますが、
グレン・ミラーは、
1923年ごろから音楽活動はしていましたが、
1937年に自身の楽団を設立後
戦争の慰問演奏の移動中になくなる1944年までの
わずか7年間の音楽活動をしていました。

40歳までの、わずか7年間の音楽キャリアでしたが、
彼らの演奏によって、
この『ムーンライト・セレナーデ』をはじめ、
『イン・ザ・ムード』『茶色の小瓶』
『真珠の首飾り』『タキシード・ジャンクション』
『チャタヌーガ・チュー・チュー』は、いまでも
名演として、世界中でレコードが流れています。

【セレナーデ?セレネイド?セレナータ?】

さて、この曲は『セレナーデ(Serenade)』とついています。

これは英語ではなく『ドイツ語』です。

正確には南ドイツ、オーストリアではこの『セレナーデ』。

西ドイツでは『ゼレナーデ』。

イタリアでは『セレナータ』。

英語では『セレネイド』。

因みに日本語では『小夜曲(さよきょく)』。

歌ってみると分かるのですが、英語で歌うとき、

♪ア・ムーンライト・セ~レ~ナ~デ~???

あれ???
というように、

『残念っ!!字あまり!!』

みたいになります(笑)

♪ア・ムーンライト・セレネ~ィド♪

みたいに歌うと、上手くおさまります
バラ

というわけで、
ドイツ語のこの『セレナーデ』というものは
どういうものかというと!!

細かく本当のことを言うと、
3つくらい意味をもっているようですが、

ここでいう『セレナーデ』というものは・・・・・・

男性が女性に愛を伝えるときに
彼女のいる窓辺に向かって
ギターとかリュートなどを抱えて
演奏しながら、愛を伝える歌。
それを
セレナーデ』と呼びます。

ワァ~オ(笑)

今の時代、特に日本で
いっくら愛する人がいるといっても
まともにこれをやってしまうと
色々と住宅事情やら社会問題への
発展の恐れがあるので難しいと思いますが・・・。
本当に、古き、良き時代があったのですねぇSAYU愛

と、思ったら???

ちょっと待てよ???

私の友人が確か数年前に、そういえば
『本物の愛のセレナーデ』を目撃した!!
といっていたのを思い出しました。


その友人が仕事で2ヶ月近く、
南米のエクアドルに滞在していたときです。

慣れない土地での仕事に疲れ、
さぁ、今夜も寝るか・・・、
と眠りかけたそのときです。


♪(ジャガジャ~ン!!)
アァ~ア~ア~○◎×△~%$@*~~~!!!


な、なにっ???

なんだ、なんだ?????

ギターの音にのって、
男性のあつ~い歌声が!!


飛び起きてカーテンの端から
おそるおそるのぞいてみると、
となりの家の女性がいると思われる
『部屋の窓』に向かって、
男性がギターを抱えながら
セレナーデを歌っていたのだそう
ゲ

そしてそのショータイムは、
その女性が現れるまでのしばらくの間、
ずっと続いたのだとか(笑)

ほんとに~!!!

すごいですよね??????

オソルベシ!!セレナーデ!!
あなたも、やってみる(笑)??

【夜空や星にまつわる詩を書かせたら世界一?ミッチェル・パリッシュ】


この曲は、グレン・ミラー楽団の
オープニングとエンディングの
テーマ曲として長年愛されてきました。

前述の通り、もともとはグレン・ミラーが
練習していた時のメロディーだったのが、
あまりにも美しかったから(だと思うのですが)
曲にまとめられ、そのときに歌詞も付いたようです。

この作詞をしたのは、ミッチェル・パリッシュという人。

実は、ジャズの有名なスタンダード
『スターダスト』を作詞した人です。

月(Moon)や星(Star)などにまつわる
ラブソングを詠わせたら世界一かもしれませんね!

英語歌詞を読んで頂くと『June night=6月の夜』

と出てきます。

ジューン・ブライドのように、
6月というのはやはり
愛にまつわる歌が多いのかもしれませんね
SAYUうふふ

【女の敵(笑)?シナトラ嫌いを克服させてくれた逸品ラブソング!?】

歌詞をお読み頂ければおわかりのとおり、
『スターダスト』に並ぶ
なんて美しい歌なんでしょう!!

しかし、この歌、最初の頃は、
あまり歌われていなかったようです。

それを有名にしたのは、
『月』にまつわるラブソングならこの人、
そう、フランク・シナトラ!

その名も『Moonlight Sinatra』という
『月にまつわる歌』ばかりを集めた
このアルバムの中で、
『Moonlight Becomes You』、
『The Moon was Yellow』
などと一緒に
この『Moonlight Serenade』
収録されていました。

シナトラは歌う前に、
必ず歌詞を納得の行くまで朗読し、
それが充分出来てから録音にむかった。

というほど、歌詞を大切にしていたそうです。

私もその昔、大先輩に、

『歌手は歌詞を上手に朗読できないと歌えないよ。』

といわれたものでした。
今身にしみて感じています
とほほ

シナトラの歌・・・。

この歌のほかに例えば彼の有名な
『夜のストレンジャー(Strangers in the night)』など、
ブレスの位置を聴いていただくと
良く分かるのですが、特にサビにもっていく、
いや、引っ張っていく時の歌い方は
とても素晴らしいです。

やはり何度も朗読をし、
自分の中で詩の世界観を作り上げ、
それをメロディーに乗せたらこうなった、
というような裏づけが見事にされています。

『夜のストレンジャー』のように、
あまりにも一時ヒットし、
8ビートよりで、ジャズの名曲というよりは、
何気ない『大人の歌謡曲』的な位置づけの曲ですが、
歌詞を大切に、世界観を伝える達人として、
スキャンダルも多い人でしたが
歌手としてはやはりすごいな、
と感動したきっかけを与えてくれました。

【さぁ、だれを聴く???】

演奏の録音が多く、
あの
カウント・ベイシー楽団
ヘンリー・マンシーニ、
トゥーツ・シールマンスなどをはじめ、
プロにもアマチュア・オーケストラにも
カヴァーされています。

日本では『スウィング・ガールズ』でも有名ですね!!

歌ではやはり、まずは、オススメのシナトラを!!

ほかに、男性では
バリー・マニロウのゴージャスな
フルオーケストラをバックにしたアレンジのもの。

女性歌手では
エラ・フィッツジェラルド
サリナ・ジョーンズ。

意外なところでは、
アメリカロックバンドの
シカゴも!!

日本では小野リサさんが車のCMで歌われたように、
スローだけではなく、ボサノヴァで歌われることも
多くなってきました。


さぁ、さぁ、さぁっ!!!
あなたのお気に入りは???
それでは、六月にふさわしいラブ・ソング

『ムーンライト・セレナーデ』ですっ!!

どうぞ~~~~~~~~っ!!!

まずは、オリジナルのグレン・ミラー楽団!

(英語歌詞)

I stand at your gate
And the song that I sing is of moonlight
I stand and I wait
For the touch of your hand in the June night
The roses are sighing a moonlight serenade

The stars are aglow
And tonight how their light sets me dreaming
My love, do you know? 
That your eyes are like stars brightly beaming
I bring you and (I) sing you a moonlight serenade

Let us stray till break of day
In loves valley of dreams
Just you and I a summer sky
A heavenly breeze kissing the trees

So don’t let me wait
Come to me tenderly in the June night
I stand at your gate
And I sing you a song in the moonlight 
A love song, my darling, a moonlight serenade


やっぱり、フランク・シナトラでいきましょうか!

君がいるあの窓の下に立ち
心をこめて歌うんだ
『月明りの歌』を
祈るような思いでここに立ち
部屋から降りてきたときの
君のその手を取りたくて待っているんだ 
六月の今宵
咲き誇るバラたちも優しく歌う
月明りのセレナーデ

どうしたことだろう
今宵の星たちは
こんなにもいっそう美しく輝いて 
まるで僕の愛の告白を
最高に演出してくれているかのようだ

愛しい人よ、気が付いているかい?
君の瞳はいつだって
この星のように輝いていることを
いつまでもその笑顔を守るよ
そして歌うよ
月明りのセレナーデを

さぁ、飛び出そう
夜が明けるまで
二人だけの夢のような愛の世界へ
ここには君と僕だけ夏の夜空

心地よい風に揺れて
梢もキスしてる

さぁ、もうどうかこれ以上
僕を待たせないでおくれ
早く僕の元へおりてきて

いつものあの
優しい笑顔をみせておくれ
六月の今宵

君のいるあの窓の下で
僕は両手を広げて歌いながら
待っているのさ
月のスポットライトを浴びながら
このラブソングを君に捧げよう
月明りの愛のセレナーデを