SAVE THE LAST DANCE FOR ME ~ラストダンスは僕に~ | 美肌ジャズタイム

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『ジャズをもっと身近に』をモットーに、歌とフルートで活動している日本の女性ジャズ歌手若生りえのブログ。ジャズの歌詞について語っています。

電球ここでの解釈は、私、若生りえがあくまでも歌手として歌わせて頂く際の、一つの歌詞の世界であり「こんな気持ちで歌わせて頂いております」という一つの意思表示です。この世界の認識を押し付けたりするものでもありません。あくまでもご参考までに。また文章をお使いになる場合はお手数ですが、ひと言ブログへコメント頂ければ幸いですSAYUうふふ

SAVE THE LAST DANCE FOR ME
~ラストダンスは僕に~
1960年
作詞/ドク・ポーマス Doc Pomus
作曲/モルト・シューマン Mort Shuman

【作詞者の実話から生まれたラヴ・ソング】

♪あなたの~、好きな~人と~、
 踊って~らしていいわぁ~♪

ご存知、日本のシャンソンの女王『越路吹雪』さんの歌でおなじみの、『ラストダンスは私に』!!

ん???

日本語でおなじみのタイトルでは、『私』に???

でも、こちらのタイトルでは、『僕』に???

どっちぃ~~~~~~~~!!

ですよね???

そもそもこの歌が、シャンソンじゃない!といったら?

これもまた、ビックリしますよねぇ~(笑)???

実は、これ、歴としたアメリカの歌なんです。

これを作詞したドク・ポーマスという人は、白人のブルース・シンガーソングライター。

彼は小児麻痺のため、小さい頃から両手で松葉杖で歩き、晩年は車椅子の生活を余儀なくされました。

しかし、この曲ができる前の1950年代には、結婚をしました。

そのお相手は、なんとブローフドウェイのダンサーさんでした。

そう。この歌は、彼の実話が元に作詞されているんです。

それでも踊りたい!という気持ちが込められている、熱いラブソングだったのです。

オリジナルは、ベン・E・キング&ザ・ドリフターズ!!

ベン・E・キングは『スタンド・バイ・ミー』のソウルフルな歌で有名ですよね。

【シャンソン界でも歌われて・・・】

この歌がアメリカでの大ヒットをきっかけに、イギリスやあちこちで広まり、そのひとつ、フランスでも、女優で歌手のダリダがフランス語で歌ってヒットしたため、日本ではそれを受けて、越路吹雪さんのマネージャーで有名な岩谷時子さんが越路さんのために訳して大ヒットさせたため、日本では『シャンソン』だと誤解されていることも多いのです。(実際調べて私もはじめて細かいことを知り、ビックリしました・笑)

なので、この歌は日本人の私たちにとっては、女性のほうが、

『あなたの好きな女性と踊ってきてもいいわ。
でも、最後のダンスは私と踊ってね!!』

というような女性目線の歌で描かれていますが、このエピソードからすると、実は男性目線の歌だったということがわかります。

シンガーとダンサー。

お互い、それぞれの世界の表現者として、また、確かな愛情という絆で結ばれていたからこそ、一番の理解者として、愛する彼女を、内心は複雑な気持ちを抱えながらも、華やかなステージの世界に送り出していたのかもしれませんね?

ドク・ポーマスは、エルビス・プレスリーレイ・チャールズなどにもたくさんの人に詩を提供している人でした。

あたたかな人柄で有名で、とくにおなじミュージシャンからの人望が厚く、周りからとっても好かれていたそうです。

【ダリダってダリダ???】

さて、日本ではシャンソンだと勘違いしたのは、フランス国籍に帰化した、歌手で女優の『ダリダ』という人の影響が多いようです。

なんてったって、日本ではあの越路吹雪さんが歌われて有名になったのですから、疑いもなく『シャンソン』だと思ってしまいますよね???

このダリダさん。ダリダ?と思って(失礼)調べてみましたが。

まぁ、どうして、どうして。

とぉ~~~~~~ってもきれいな人ではないですかっ!!

ウィキペディアより

image

それもそのはず。

もともとエジプト出身の彼女は『ミス・エジプト』の受賞歴があり、彼女に限ってかなわない恋なんてないだろう!!

と誰もが思うような美貌の持ち主。

フランス語のほかにも、イタリア、アラビア、スペイン、英語などが堪能で、その語学力も生かしながら活躍していました。

しかし、はたから見ればうらやましい限りの彼女ですが、肝心な彼女自身の人生、運命自身は、なかなか思うように行かなかったようで、数々の失恋が痛手となり、多量に睡眠薬を摂取し、なくなってしまいます。

この歌詞とは裏腹に、切なくなりますね。

彼女の歌っているところも一番下に載せました。

ほっそ~~~~~いニッキくんラブ

【さぁ!!誰のを聴く???】

さぁ!!

誰のを聴きましょうか???

まずは、オリジナルのベン・E・キングやザ・ドリグターズで!!

ジェローム・アレキサンダーという黒人歌手のコーラスとフィンガースナップのゴキゲンなアレンジも好き!!

懐かしい、古きよきこの時代のいいレトロ感を味わいたいなら、「引き潮」や「アンチェインド・メロディー」をヒットさせて有名な、ライチャス・ブラザーズ。

ロックンロールのジェリー・リー・ルイスなどなど、男性はやはり多く歌っています。

しかし、こういう系統の歌をうまくアレンジしてもらって、バッチリはまるのはこの人!!

そう、マイケル・ブーブレ!!

ビッグ・バンドをバックに、華やかにそして軽快に歌うそのアレンジで、世界中で再び大ヒット!!

数年前に男子フィギアスケートのエキシヴィジョンで、小塚選手がこのアレンジで楽しそうに踊っているのを思い出しました。

あとは、最近の有名な女性歌手ではあまりたくさんは歌っていないのですが、ポップスやカントリーの歌手は何人か歌っています。

その中でも、エミルー・ハリスのなんて、全く余計な力が入っていなくて、いいですねぇ~!

越路吹雪さんが影響を受けたといわれる、ダリダさんは一番下の方に映像を載せました!

日本人では、もちろん、越路吹雪さんのほかに、なんと、あの今井美樹さんも、女性らしい、可愛らしい声で歌っていらっしゃいますよ!

あとは、インスト物で、大人気のビージー・アデールのアダルト~なピアノで味わい深く聴くのもいいかも!!

さぁ!!お気に入りは見つかったかなぁ~???

それではお待たせいたしました!!

『Save the last dance for me』

ラストダンスは僕と!!

ですっ!!

どうぞぉ~~~~~~~~~~~!!!

割と最近の映像ですが、中央の車椅子の男性が作詞をされたドク・ポーマスさんと思われる映像がありました。

歌っているのは、昨年2015年4月になくなられたベン・E・キングですが、この曲をザ・ドリフターズと一緒にヒットさせ、のちにソロ歌手へ転向し、その代名詞『スタンド・バイ・ミー』は有名ですよね!

オリジナルのベン・E・キング

こちらもオリジナルのザ・ドリフターズ(ベン・E・キング脱退後)

(英語歌詞)

You can dance, every dance with the guy 
Who gives you the eye, let him hold you tight
You can smile, every smile for the man 
Who held your hand beneath pale moon light

But don’t forget who’s taking you home
And in whose arms you’re gonna be
So darlin’ save the last dance for me

Oh, I know that the music’s fine
Like sparkling wine, go and have your fun
Laugh and sing but while we apart
Don’t give your heart to anyone

And don’t forget who’s taking you home
And in whose arms you’re gonna be
So darlin’ save the last dance for me

Baby don’t you know I love you so?
Can’t you feel it when we touch?
I will never, never let you go
I love you, oh, so much

You can dance, go and carry on
Till the night is gone and it’s time to go
If he asks if you’re all alone
Can he walk you home?
You must tell him, “No”

Cause don’t forget who’s taking you home
And in whose arms you’re gonna be
Save the last dance for me

Oh, I know that the music’s fine
Like sparkling wine, go and have your fun
Laugh and sing but while we apart
Don’t give your heart to anyone

And don’t forget who’s taking you home
And in whose arms you’re gonna be
So, darling, save the last dance for me

So don’t forget who’s taking you home
Or in whose arms you’re gonna be
So, darling, save the last dance for me

Oh, baby won’t you save the last dance for me
Ooh, you make the promise that you save the last dance for me
Save the last dance, the very last dance for me

これで再び大ヒットとなった
マイケル・ブーブレのバージョン
(ちょっと映画『Shall we dance?』風・笑)

いいよ、踊っておいで!!
君に視線を送ってくる男たちと
どんな踊りでも楽しんでくるといい

みんなにその笑顔を振りまいておいで!!
ほのかに光る月明かりの下で
君の手をエスコートする男と
踊ってきてもいいよ

でも、これだけは忘れちゃいけないよ
帰るときに君を家まで送る役目も
本来、君がいるべき場所は
僕の腕の中なんだってことも
いいかい?愛する君!!
最後のダンスは僕のためだけにとっておいておくれ

ああ、もちろん
ダンスホールに流れる音楽が
最高にゴキゲンな気分にさせて
まるでスパークリングワインの泡のように
心をワクワクさせるものだってことは僕も知ってるけど
僕はここにいるから
さぁ、遠慮しないで楽しんでおいで!!

心から笑って歌っておいで
でも、これだけは約束しておくれ
僕らが離れ離れになっている間に
僕以外の男に、心を奪われたりしてはいけないよ

そう、これだけは忘れないでおくれ!!
帰るときに君を家まで送る役目も
本来、君がいるべき場所は
僕の腕の中なんだってことも忘れちゃいけないよ
いいかい?愛する君よ!!
最後のダンスだけは
どうか僕のためにとっておいておくれ

ねぇ?僕がどんなに君を愛しているかわかっているかい?
僕らが触れ合っている時、それを感じるだろう?
僕は決して、決して君を離さないよ
心から君を愛しているからさ

さぁ!!踊っておいで!!
もう一踊り、思いっきり楽しんでおいで
夜が更けてパーティーの時間が終わるまで
でももし、終わった後
ダンスをした相手の男から
『もし君一人で帰るなら、僕が家まで送るよ!!』と言われたら
絶対に、断るんだよ!!

なぜなら、僕という存在があるからさ!!
帰るときに君を家まで送る役目も
本来、君がいるべき場所は
僕の腕の中なんだってことも絶対に忘れちゃいけないよ
いいかい?愛する君よ!!
最後のダンスだけは
どうか僕のためだけにとっておいておくれ

☆くり返し
★くり返し
♪くり返し

これだけは絶対に忘れないでおくれ!!
帰るときに君を家まで送る役目も
本来、君がいるべき場所は
僕の腕の中なんだってことも忘れちゃいけないよ
いいかい?愛する君よ!!
最後のダンスだけは
どうか僕のためにとっておいておくれ

あぁ、どうか君よ
最後のダンスだけは僕のためにとっておいておくれ
そうさ、君と僕の約束だ
最後のダンスだけは僕のためにとっておいておくれ
いいかい?最後のダンスだけは
ラストダンスだけは、僕のためにとっておいておくれ!!

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ
越路吹雪さんが影響を受けたといわれている、
女優で歌手のダリダ