すっごく久しぶりの再読。
あまりにも年月が経ちすぎていて細部はほとんど忘れてた。
挿入されるギャグやスクリーントーンに時代を感じる。
やたら英字が多用されてたり、ローマ字表記になってたり。
4分の一柱の作者の呟きもちょこっと読んだ。
この内容、黒歴史なんじゃないか…?と心配になるような痛さ爆発っぷり。書いてる著者がまだ20歳そこそこなんだよね。若気のいたりな発言もしちゃうよね…
と、懐かしさに打ち震えつつ読んでいた。
しばらくして気付いた。
わたし、途中までしか読んでなかったみたい。
後半にいくに従ってまったく記憶にないエピソードがどっさり。
世界観が好きで読み始めたけど、脱落しちゃったのね。
…うん、ワカル。
「愛」を連呼しまくりで危機的状況だろうがなんだろうが抱き合ってイチャつくこのノリ、昔から苦手だったわ。
今回は(せっかく無料で読めるので)歯を食いしばって最終話まで読み進めたけど、やっぱりかなり苦痛だった。
わたし、恋愛脳が足りないんだと思う。
ネタバレ感想につき注意!
鬼宿(たまほめ)の身内が惨殺されてびっくり。
結蓮ちゃんまであんなにあっさりと殺しちゃうとは。海外の読者さんの名前から採用したのにむごい。そういえばこういうところって過去作品はシビアだった。
その後もメインキャストが次々死亡。
大好きな星宿まであんなに簡単に死んでしまうとは…!
柳宿(ぬりこ)が最期に実はわたしも美朱に想いを寄せていた、って告白して亡くなるでしょ。
これ、許せなかったなー!
翼宿(たすき)が美朱を好きになるのはいいよ。
鬼宿(たまほめ)星宿(ほとほり)というタイプの違うイケメンに熱愛され、お笑い担当の翼宿も惚れてたんだぜ!はいいよ。それは。少女漫画の王道、イケメンパラダイスなモテモテ逆ハーレムだよね。
でもね、柳宿は星宿でしょ?!
そこは大事なとこでしょうが!
美朱のことは妹みたいに大事に思ってる。そして朱雀の巫女として、女友だちとしては尊敬も友情も持ってるでいいじゃない。
はじめは嫉妬したりムカつく女だと思ってたけど、いつしか認めてた、でいいじゃないの。
柳宿の最期はすごく感動的だった。泣いた。だからこそ、直前の変節が納得いかなかった。
再読して当時のモヤモヤを思い出した。
何かというと「結ばれないなんて…!」と衝撃を受けてはキスしまくる美朱と鬼宿。
…いやいや。
美朱、まだ中学生でしょ。手を繋いでキスしたらもう充分じゃないの。
なんでセックスするのが前提なのよ。
そんなのもっと大人になってからでいいじゃない…両思いって分かり合ってるならそれだけでいいんじゃないの…?
当時、美朱と同世代だったわたしは「巫女は処女じゃないとダメなの…!!」と苦悩する気持ちがまったく理解できなかった。
第一、そんな色恋沙汰より親友である唯ちゃんを救うとか誤解をとくとか、もっと優先しないといけないことがあるでしょうが。
誤解といえば、途中までしか読んでなかったわたしはてっきり唯ちゃんは暴行されたとばかり思っていた。未遂だったのね。良かった。うん十年ぶりに誤解が解けたよ。
心宿(なかご)の過去話で、少年時代おっさん王の慰み者だった…ってあったけど、唯ちゃんの暴行(嘘)といい、性的に重くて暗いエピソードが生々しい。
これって少コミの伝統なんだろうか?
シリアスな恋愛ものだろうがファンタジーだろうがラブコメだろうが、陰惨な性の一面をぶっ込んでくる。
こういうのがなければもっと読みやすくなるのになー
房中術を操る房宿(そい)が性描写メインなのはしょうがないけど、心宿のお稚児さん話は必要だったのかな。奴隷扱いされて辛かった、じゃダメなんだろうか。
初期のほのぼのした雰囲気が好きだったよ。
鬼宿と井宿や、星宿と柳宿と美朱で旅してたころ。
文字が浮かび上がる朱雀七星士を探している時が楽しかったなあ。
一部ですら途中で脱落したわたしはもちろん第二部なんて読んでない。
存在すら知らなかったけど、この機会に読んだよ。
ということで第二部の感想はのちほど。
お気に入りキャラツートップ
はっきり言って主役の美朱と鬼宿より、柳宿と星宿のほうがずっと好きだった。
柳宿の
「生きてりゃあねぇ つらいことでも いつか笑って 懐かしく 話せる時が来るのよ!」
は名言。