これはざっくりとエンタメ小説。
この著者にしてはエグくもグロくもなかった。
バトル・ロワイアル/高見 広春
を彷彿とさせる後半は映画化したら盛り上がりそう。
なんていうか、さくさく殺ってるからかな?
エピソードも乾いていてユーモアもあって、死人の数のわりにはまったく重くない。
わざと戯画っぽくしてるのかもしれない。
主人公のハスミンが素敵な悪漢(ピカレスク)なので読んでいて楽しい。
賢いとしつこく描写されているわりにはアホの子なのもかわいい。
どう考えてもこれまで悪行が露わにならなかったのは賢さや周到さのおかげじゃなくて、単なるラッキーと大胆さがたまたまうまく行っただけとしか思えないもんね。
ラストのトリックも・・・
このネタ、何度見たかな?
って思い出せないくらい定番のトリック。
こんなもんにひっかかるのはアホの子でしょう。
そんなハスミン、実は純情おっさんという。
うーん、これ、ホラーじゃなくて萌え小説なのかも?
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