江戸川乱歩賞受賞作で、東野圭吾氏推薦で、っていうので読んでみた。
正統派ミステリーなので内容に触れるとネタバレになってしまう。
ので、登場人物の人物評をしてみたい。
柴本美雪(被害者):気の毒な少女。箱入り娘だったんだね。
柴本健次郎(美雪の父):短気すぎる。社長ならもっと腹芸ができたらよかったね。
柴本祥子(美雪の母):鈍感。本筋にはほとんど無関係。
芳野宏六:間抜け。
内藤規久夫(同級生):最低のクズ。キモチワルイ。
延命美由紀(同級生):最低のクズ。キモチワルイ。
柳生隆保(同級生):最低のクズ。キモチワルイ。
柳生幾代(隆保の母):クールすぎ。
柳生美佐子(隆保の姉):色ボケ。
田中信博(同級生):本作の唯一の良心的存在。一服の清涼剤。
この作品は、学生運動などの時代を背景にした青春群像劇としての小説と捉えることもできる。
しばしば「総括」「糾弾」といった、現代では耳慣れない単語がでてくる。
そういう時代の空気のなかで「正義」を「純真」にみつめた若者たちに「爽やかさ」をおぼえる、と、解説やアマゾンのレビューにはあったりもする。
しかし、わたしはその意見には異を唱えたい。
わたしが「女性」だからか、「母」だからか、この物語にはほとんど生理的嫌悪といってもいい不快感を覚えた。
はっきり言って残虐なホラーやオカルトより嫌な気分になった。
この価値観が団塊の世代の共通するものだとしたら、わたしとはまったく相いれない世代だと思う。
物語の優劣をどうこうというのではなく、彼らを「カッコいい」とする感覚が受け入れられない。
ところでこの作品の一番素晴らしいのはタイトルだと思う。
章ごとのタイトルもいい。