デストロイアンドレボリューション 1 森 恒二 (著) | [ridiaの書評]こんな本を読んだ。[読書感想文]

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自殺島 5
と 同時発売していたので勢いで買ってしまった。

ですとろーいな一冊。




なんていうか、時代を感じる。




小説や漫画や映画など、そのときどきの表現物はその時代を映す鏡だ・・・というような内容の言葉をどこかで聞いたような気がするんだけど、この作品からは非常に強くそれを感じる。




ネタバレがあるので画像の下は気をつけてね。まだ1巻だからバレて困るようなバレもないけども。








高校生の二人、マコトとユウキが主人公。

一応マコトがメインかな?




この著者の描く主人公ってみんなこういうタイプだよね。

気弱でいじめられっこタイプで、でもじつは圧倒的に強いっていう。




で、近くにユウキみたいなクールで大人っぽい参謀役がいるのね。

主役は強いけどグジグジくんで優柔不断だから背中をおしてくれたりヒントをくれるひとが必要なの。




そんなふたりはこんな日本をぶっ壊したい。

某純一郎みたいなこと言っちゃってます。

方法はテロ。




そう、ふたりはテロリスト!




幸いにも偶然にもマコトはなぜだか超能力者(念動力タイプ)なので、証拠を残さず破壊工作でもなんでもできちゃいます。べんり!




この漫画が制作されはじめた頃は、まさか震災→原発関係者や政府やらの無為無策隠ぺいねつ造の現状は予見していなかったでしょうが、ただでさえ閉塞感と不信感で不安不満が爆発寸前の日本人も本気で暴れ出すかもしれません。




さすがにマコトみたいな能力者は(たぶん)いないので、実際に荒っぽい手段で「問う」となると、マジで指名手配犯になっちゃいます。破滅です。

そこまで覚悟をきめて「悪」として生きるというのはなかなか出来るものじゃありません。

いくら社会や政府に不満や怒りがあっても、それを破壊行為で表明するっていうのはリスクもあれば心理的ブレーキもかかるものです。




だって、いくら目的が崇高であっても、やっぱり手段が犯罪行為なら、犯罪者ですからね。

どう言い訳したって「悪」です。

義憤があっても、そうそう「悪」にはなれません。なれないからこそ犯罪被害者遺族は「殺してやりたい」「復讐したい」と思っても出来ないんですよね。普通はそういう強力な制御装置が働くんですよね。




でも、このふたりにはそれを超える衝動があった。

マコトにいたっては天涯孤独で自己すら捨てられるほどの、拘りのない人生だからね。




守りたいものや愛する者があると衝動をそのまま行動にうつすのは難しい。




だからねえ・・・ほんと、やっぱり物語は時代の空気を映すのかな?と思うよ。

実行にはうつせないけどさ、許せないことばっかりだもんね。

毎日、ほんとに酷いニュースばかりだよ。




やっていいことといけないことってあるけど・・・




以下引用




命や地球環境よりも

権力の維持や経済活動を優先する。




世襲よろしく権力を受け継いだり

有名なスポーツ選手やタレントだったり

よくわからない団体がバックについてたり

犯罪歴があっても また犯罪を犯して

秘書のせいにしていても 関係ない。

何かをしでかしても一時休み帰ってくればいい。

資格試験も もちろんない。




そんな人達が この国を動かしている。




しかし 先進国で まだかろうじて豊かだ。

だから まだ“問うもの(テロリスト)”は現れない。

現われないでいてくれる。







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