悪意ではなく、逼塞しているという現実がひとを犯罪に走らせる。
立ち止まった途端に転落してしまう、ぎりぎりの貧しさ。疲労。家族の崩壊。孤独。
なにが怖いのか?
こわいのは死体をバラバラに解体する凄惨な描写ではない。
ガソリン代、家賃、新しい洋服を買うお金・・・
そういった微々たるお金のために吐くほど嫌な犯罪行為をしてしまう「やりきれなさ」だ。
桐野 夏生 / 講談社(1997/07)
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日常がひょんなきっかけで非日常へ
平凡な主婦たちを共犯にかりたてたものとは?
日常のあっけない崩壊にショック!
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生活のためにはどうしてもお金は必要だ。
彼女たちは何もしていないわけではない。生活のために辛く厳しい仕事をがんばっている。
老人介護。子育て。毎日の家事。弁当工場の夜勤。家計のやりくり。
ルーティンワークは終わらない。
助けてくれる人はいない。頼れる人もいない。
出口は?
希望は?
この物語に登場する主婦4人は絶望している。
その絶望の深さは生活に直結しているからこそ、重く、濃い。
青臭い若者が悩む机上の絶望のように「きもちのもちよう」ではどうにもならない。
それほどに深い絶望・・・
それなのに、その絶望は、世にありふれている。
絶望ですら「特別」になれないというさらなる深淵がどうしようもなく重い。
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原田美枝子, 倍賞美津子, 室井滋, 西田尚美, 香川照之, 間寛平 / 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
第5回婦人公論文芸賞は、桐野夏生さんの魂萌え!に決まりました。