向かい側の座席にはメーテルの移り香だけが残っていた
それがだんだん薄らいでゆくのが 鉄郎はさびしい・・・
ゆらめく少年の日の陽炎の中に影を残して・・・
行ってしまったメーテルを鉄郎は忘れない
あの旅立ちの汽笛が まだ 鉄郎の耳の中で鳴りつづけている・・・・・・
歯を食いしばれよと 尾をひいて どこまでも
レールの上をついてくる・・・
鉄郎は信じている 選んで出た自分の旅が
いつかきっと すばらしい 終着駅に着くことを・・・・・・
そうだ 鉄郎は決して 後悔はしない・・・・・・・・・・
旅はまだ つづくのだ
/ 講談社(1999/11)
Amazonランキング:898,540位
Amazonおすすめ度:
Amazonおすすめ度: