ニカラグア産納豆 | ラテンなおやじのぐうたらニカラグア生活

ニカラグア産納豆

 海外に長く住んでいると、日本人の「食」にかける執念もけっこう強烈なものがあると感じることがあります。寿司や刺身を食べたいという執念もそうですが、もうひとつこの執念が現れる食べ物が「納豆」です。

 尤も、納豆には好き嫌いがあるし、日本でも地域性があって、一般論ですが東日本の人は日常的に食べますが、西日本の人はあまり食べません。昔、福岡県の田舎から大学生活のために東京に出てきた同級生が、初めて納豆を見て、「何ね?これ!この豆、腐っとろうが」と驚いたのを見て、こちらも驚きました。さすがに、今時、こんな人はいないと思いますが。


 リカルドおじさんは兵庫県の出身ですが、小さいころから納豆はけっこう頻繁に食べていたし大好きです。父が熊本県の出身なのですが、父に言わせると、西日本でも熊本県は例外的に納豆をかなり食べるのだそうです。ですから、リカルドおじさんの小さい頃は、自宅でも大豆を蒸かせたものに納豆菌をまぜて、藁(わら)に包んで家の押入れで暫く発酵させて納豆を作っていたことを覚えています。

 なぜ、熊本では納豆を食べるのかと父に尋ねたことがあって、ここから先は、父の言う事ですから信用しないでもらいたいのですが、豊臣秀吉の朝鮮出兵の時に、熊本城主であった加藤清正も朝鮮に兵を出し、その時に、納豆の製法を持ち帰って熊本で作らせたからというのです。本当かいな?(真偽不明ですので、鵜呑みにしないで下さいね。)

 西日本で育っても小さい時から納豆を食べる家庭環境にあった上、その後、長らく茨城県に住んでおりましたから、水戸納豆ではないが、茨城県にはいろいろな種類の納豆を売っていて、リカルドおじさんはこれでもけっこう納豆にはうるさいのです。


 ところで、海外に住んでいると、必ずといっていいほど納豆を作る日本人が現れてきます。この執念はすごいね。

 南米パラグアイのように大豆の大生産国に多数の日本人移住者がいるような国では、もう日本と変わりなく納豆がありましたが、日本人が少ない国で、しかも農業に従事しているわけでもない日本人の中から、納豆作りに挑戦する人が必ず出てくるのです。スペインに住んでいた時も、スペイン在住の日本人が作った納豆が日系食材店に売っていました。傑作だったのは、「あんな不味い納豆が食えるか」といって、自分が作り始めた日本人がいたことです。執念もここに極まれり、という感じですね。


 さて、ニカラグアですが、これまで納豆はありませんでした。ごく稀にホンジュラスの日本人が作った納豆が入ることはありましたが、数が限られていたし、リカルドおじさんはそこまでして納豆を入手しようと思ったことはありませんでした。

 しかし、最近、とうとう登場したようですよ。ニカラグアにも納豆を作る日本人が。念のために申しておきますが、商売のためではありませんよ。農業分野に入っている青年海外協力隊の隊員さんが、チャレンジ精神でやっているようです。すごいね。

 その納豆を先日、少しお裾わけしてくれました。


 リカルドおじさんは、その納豆を一生懸命掻き混ぜて、一挙に食べてしまいました。美味しかったぁ~。どうもありがとうございまぁ~す

 ニカラグアでこんな貴重なものを食べられるなら、食べる前に、斎戒沐浴(さいかいもくよく)して身を清めて柏手を打ち、日本の方角に向かって直立不動で「君が代」でも唄ってから食べるべきだったかなと、後で思った次第です。それにしても、納豆隊員さんに感謝です。

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 メキシコやパラグアイ、ブラジルのように日本と変わらず普通に納豆が食べられる国にいる方は、何をアホな事を書いているのかと思われるでしょうが、ニカラグア納豆事情はまだこの段階なのです。

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