グアテマラやエルサルは怖いね
中米を縦断するバックパッカーたちには、中米諸国の中で最も怖ろしい(治安が悪い)のはニカラグア(特にマナグア)だという固定観念があるらしい。確かに、観光的観点からは見るべきものが少ない国であるのは事実ですから、長居しても仕方がないと考えるのでしょうが、彼らがニカラグアを逃げるように素通りしていくもうひとつの理由は、この「治安」に関する固定観念があるものと思われます(多くのバックパッカーたちのブログに、自分が被害に遭ったわけでもないのに「マナグアは怖ろしいところ」と書いてあります)。
ニカラグアが決して安全とは申しませんが、本日(1月6日)のニカラグアの新聞に大きく取り上げられたニュースを見ると、「ニカラグアではいくら何でもこんな事は起きないよ」という事件がグアテマラ・シティで起きています。
1月5日、グアテマラ・シティで、ニカラグアとグアテマラの間を運航する「REY DE REYES」 というニカラグアのバス会社のバスに手榴弾が仕掛けられ、運転手(ニカラグア人)を含む数名の乗客(ニカラグア人)が負傷したということです。
1月6日付「El Nuevo Diario」紙ネット版より拝借。
後部車輪の辺りで手榴弾が爆発したそうです。幸い、負傷者も生命には別条はないとのことですが、新聞によると、マラス(maras)といわれる青年暴力団の仕業と考えられているそうです。このバス会社の関係者によると、この会社のバスが狙われたのはこれで3度目で、マラスに脅迫されて金を払わされ、それを渋るとこういう事になるのだそうです。そのマラスもグアテマラに居住するニカラグア人のマラスの可能性もあるとか。
グアテマラ・シティでは市内を走るバスが襲われて、運転手や乗客に多数の死者が出る事件も頻発していると聞きます。
リカルドおじさんはマナグアに4年近く住んでいますが、こんな事がニカラグアで起きたとは聞いたことがありません。少なくともマナグア市内を走るバスが、それは車内にスリは居るかもしれませんが、バス自体が襲われて運転手、乗客に死者が出たとか、手榴弾が爆発したとかいう類の事件は皆無です。尤も、地方の山間部を走る長距離バスが山賊に襲われる事件はありますが、首都で起きたことは今までありません。
だいたい中米、特に、グアテマラやエルサルバドルでは、このマラスといわれる暴力団がはびこっていて、ニカラグアから見ると怖ろしい国という印象があります。マラスはニカラグアにも居ますが、グアテマラやエルサルバドルほど酷くはありません。先日も旅行ガイドブック「ロンリー・プラネット」の利用者によるアンケートで、「世界最悪の都市」の第6位にエルサルバドルの首都サンサルバドルが堂々と登場していますが、理由は承知しないものの、恐らく、治安の悪さが「入賞」の大きな理由のひとつでしょう。
実際にグアテマラ・シティやサンサルバドルに住んでいる人はどう感じているのか存じませんが、中米を縦断するバックパッカーの方々には、ニカラグアで注意することはもちろん必要ですが、ニカラグアに住む者の目には、マナグアよりグアテマラ・シティやサンサルバドルの方が怖ろしい街と映っていることも知って欲しいのです。
← ワンクリック、お願いします。にほんブログ村