温泉探訪(その4):これは本格的なエル・リモン温泉
世の中はセマナ・サンタ(イースター)の休暇で麻痺状態。
こんな時に自宅にじっとしていても干上がってしまいますので、リカルドおじさんは例によって撮影行に出ました。今回の目的地はニカラグアの北部ヌエバ・セゴビア県の奥地、エル・ヒカロ(El Jícaro)村とハラパ(Jalapa)村です。いずれも初めて訪れる村です。マナグアから車で3時間北上すると、同県の県都オコタル(Ocotal)に着きますが、このオコタルから更に東北東へ進み、ホンジュラスとの国境に近いところです。
遠いオコタルまで行っても、決してオコタらないのは、リカルドおじさんが最近凝っている温泉探しです。今回の温泉探訪は実に大きな収穫がありました。
そこで、エル・ヒカロとハラパの紹介は次回に回し、今回は名付けて「エル・リモン温泉」の紹介です。
結論から言えば、かなり本格的です。これまでご紹介した温泉は、温泉ではあるけれどやはり生ぬるいお湯でちょっと物足りなかったけれど、エル・リモン温泉は完璧に温泉です。
例によって、具体的場所は明示しませんが、ニカラグア在住日本人用のヒントに、この写真をつけておきます。この標識の場所を特定できたとしても、簡単には温泉の場所には行きつかないでしょう。
こんな道を行きます。途中、何度も何度もひとに尋ねました。「この先」とか「もうちょっと」という返事ですが、それは「ある」という意味ですからそれを頼りに進むしかありません。
温泉探しをしてきて何度も感じるのですが、田舎のニカラグア人は「温泉」(aguas termales)の「termal(es)」という単語を知らない人が多い。普通に「お湯」(aguas calientes)とか、「熱く湧き出てくる水」(agua nacida caliente)と言わないと通じないことがあるのです。
とうとう行き止まりの河原に出てしまいました。全くの無人で、ちょっと気持ち悪いくらいです。偶然、地元の人が通りかかったので、「熱水」が出ていると聞いてきたが、何処なのかと尋ねると、「ああ、そこだよ」と指さしたのは小さな洞窟のような場所でした。
恐る恐る近づいてみました。何となく不気味な感じです。
洞窟というほどのものではありませんが、中にお湯が溜まっています。それよりも、この穴に近づくとものすごい熱気と硫化水素の臭いです。これは完全に温泉です。硫化水素の臭気にやられる可能性があるので、おいそれと近づけません。
端の方からお湯が流れ出していますので、そこに手をつけてみました。かなり、熱い。ただ、この流れ出している量からみて、湧き出す量もあまり大量ではないようです。
さきほど通りかかった地元の人が、「あっちにもあるよ」と教えてくれたのが下の写真の場所です。湧きだし口は見えなかったけれど、流れ出したお湯がこのように垂れています。手をつけるとこれもかなり熱い。
場所はこのような河原です。流れ出した熱水はこの川に向かって流れて行きますが、念のためこの川に手を入れてみると冷たかった。川自体が温泉ということはなさそうです。
周囲の風景はこんな感じです。これ全て河原ですが、雨季には恐らくここまで降りて来れないでしょう。
それにしても、何とも勿体ない。こんなに完璧な温泉でも、ニカラグア人は元来、お湯に浸かるという習慣がないので、温泉は無用の長物なのです。温泉は何処かと尋ねても、「ああ、そこだよ」というだけで関心がないのです。これが日本なら、この洞窟のお湯を何とか外に引いてきて、小さな湯船を満たして、河原の露店風呂にしていることは間違いありません。
ところで、今回の温泉探訪では、もっと素晴らしい温泉を見つけてしまったのです。それは近々、ご紹介します。
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