料理教室&BistrotRIANTのメールマガジンです。
料理人・川名克典の料理セミナーでは伝えきれない
技術の裏に隠されているものを書いています。


それは、料理と人生をおいしくする秘密そのもの・・・。



  昨日は何だか騙されてしまった・・。夜から涼しかったから、
  もっと過ごしやすいかとタカをくくったのが原因。


  「いつもと変わらないじゃん・・・」(^_^;)


  夕べは一昨日ほど涼しくないから、今朝は油断していない。
  涼しければ、ラッキー・・・。
  さもなくば、いつもの通り・・・。


  こんな気持ちが良いだろう。
  がっかりやうんざりが「自然に」無い。

  

  世の中には、この「がっかり」や「うんざり」や・・・。
  もっとそれらをひっくるめて、ネガティブな考え方をしない、
  という思考形態があって・・・。
  僕も出来ればその方がいいかなってぐらいには思っている。


  でも、そこでそう考えるのは根がネガティブだからなんじゃ
  ・・・・。なんて。



  落ち込んだり、悔やんだり、悲しんだり、苦しんだり・・・
  があるからこそ、そこからはい上がってきた時に生きる悦びを
  感じるように人はできている様に思う。

  
  僕は、どちらかというと些細な事で落ち込むタイプ・・・。
  だから、ブログを作ったときにコメント欄を設置しなかった。


  ずいぶん前だけれど、神田昌典さんという著名なマーケッター
  カリスマコンサルタントと呼ばれている方が、ブログを閉鎖し
  た。


  一つの書き込みが原因だと書いてあった。
  「僕も人間ですから・・・」と。

  そんな書き込みを読んだ記憶があり、こんなレベルの方でも、
  やっぱりそうなんだ。勿論中傷やデマのレベルは違うけれど、
  少し安心したのを覚えている。

  

  だから、僕は気になってしょうがないなら。
  それで、心が動揺するなら。
  必要のないもの以外は見ない、聞かない様にする。

  それでも、聞こえるし、見えるし、出逢ってしまう。


  そんな時は、良いも悪いも「赤い糸で結ばれている」からと、
  潔く、受け入れるしか無いことに気がついた。



  ポジティブ魂で抵抗すればするほど、そうする心と現実の違い
  にはまってしまう事もある。

  
  少しのやせ我慢はあっていいと思う。
  少しのポジティブ魂はあっていいと思う。
  そこで、無理なく出来るなら続ければいい。
  でも、そうじゃないなと思ったら、止めてもいい。

  
  ポジティブな思考の発言は目立つし、吸引力がある。
  「そうか、じゃあ僕も」という気にさせる。

  得るもののために失うものもあると納得させられて飛び込む。


  実は「納得した」のではなくて「納得させられた」

  ここが一つの境界線のような感じがする。
  納得させられた時に飛び込むと、怪我をしたり何かを失ったり
  する事が・・・ある。




  僕が子どもの頃、友達の家の物置の屋根に登った。
  四人の男の子が順番に飛び降りた・・・。
  僕は怖かった。(笑)止めたかったけれど、どうしても止めら
  れない状況だった。


  飛び降りた・・・。
  その時は運良く怪我をしなかった。

  ただ、達成感?よりも怪我をしないで良かったと先に思った。

  何故かその時に思ったことをよく覚えている。

  達成感じゃなかったこと。
  「まぐれ当たりだった」と自分で感じたこと。




  札幌で暮らし始めた時、新聞社主催のスキー教室に参加した。
  大人の中に僕ともう少し年上の男の子がいた。

  先生の前で1人ずつ滑った。
  初級クラスだった。

  みんなおっかなびっくりだったけれど、何処か空気に溶け込ん
  でいた。でも、その男の子は違った。


  小学生の僕が見ても・・・。
  いや、当時の僕だから感じたのかも知れない・・・。
  怪我をするかもしれない。


  先生の、「頑張れっ!」「出来る!」「飛び出せっ!」・・・・。
  いわゆるポジティブシンキングの真骨頂だ。(笑)
  の言葉で彼は揺れ動いていた。


  彼の足は、斜面を滑り落ちないように、変に曲がって抵抗して
  いるのに・・・。
  そこまでが精一杯の宇宙との一体化だった。


  だから、僕は子供心に感じた。
  あの日、物置の上から飛び降りようとしている自分を見た。


  彼は力無く滑り降り始めたけれど、何か変によじれるように転
  んだ。
  起きあがらない。

  先生がスキーをはずして駆け寄る・・・。
  中級クラスの先生を呼ぶ。
  彼がすぐ側のリフト小屋まで滑り降りていった・・・。
  しばらくしたら、パトロールがタンカを持ってやって来た。

  彼は、そこに寝かされて、山を下りていった。




  あれから四十年。
  あの時のことを覚えている。

  納得していれば、達成感に近づく。
  納得させられたなら、違和感に包まれる。
    
  
  人生は、思った通りになるという人がいる。
  でも、そうならないと思っている人の何と多いことか・・・。


  割れたコップは強く願っても元には戻らない。
  こぼれた水も・・・。


  彼は、タンカにのることを願った訳じゃないだろう。

  願わないこと、思わないことに人生は包まれる。

  だから、納得しないなら飛び込まなければいい。
  とことん納得してから・・・。

  納得させれてからではなく、納得してから・・・。
  「納得した」と錯覚したのではなく、納得してから・・・。 



  本当に納得して生きたときに、願うことは叶うだろうし・・。
  願わないことが身にふりかかっても、右往左往しないだろう。


  あるがままに受け入れて生きるとは・・・。
  そういう事じゃ無いだろうか。



  ポジティブ思考の声を聞くと思うことがある。
  「頑張れっ!」と声をかけようとする時に思うことがある。


  幼かったあの日・・・。
  物置の上から遠い地面を見ていた。

  僕の心は震えていた。
  先に飛び降りた友達は、叫んだ。
  「飛べっ!」「大丈夫だっ!」・・・・。



  僕は屋根の上にしゃがみこんで震えていた。





今日も、新しいインスピレーションを求めて・・・。
引き寄せる一日でありますように。 (^ー^)v


そして・・・

いつも 「ありがとう」

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