料理教室&BistrotRIANTのメールマガジンです。
料理人・川名克典の料理セミナーでは伝えきれない
技術の裏に隠されているものを書いています。


それは、料理と人生をおいしくする秘密そのもの・・・。



  今朝の中目黒は三十二度・・・。
  汗がでない。
  靴下をはいていてもいい感じ・・・。


  夕べは半袖のTシャツでは少し冷えたから長袖のTシャツを身
  にまとい・・・。
  ちょっとぬくぬくした感じになったらもう寝ていた。
  四時間チョットの睡眠時間だけれど、身体が温まっているから
  すぐに動ける。


  これが気持ちいい。


  もう一つ気持ちがいいのは、体調不良じゃないのに、起きない
  でもう一度睡眠を貪るとき。(笑)
  二度目に起きる時間をセットしておかないと面倒な事になる(笑)
  不思議なことに二度寝は結構深くて、目を覚ますと必ず焦る。



  今月の料理が八割完成。
  イメージ先行型だったから、写真を押さえて食べるまで安心出
  来なかった。
  でも、一口食べて思わずニヤツいた。(笑)

  もう少し真面目にルセットをメモしながら作れば良かった。


  イメージ先行型は、どうしてもメモを怠る。
  作るのに精一杯になっているからだと思う。
  頭の中でイメージが浮かんだらすぐに指先が連動する。


  そこで、鉛筆に持ち替えたら・・・・。

  何か駄目になってしまう。
  作るときはどんどん作らないと、波に乗っていないと・・・。
  少しずつずれてしまう。


  何も無いときに一気に作ったら結構面白いものが出来るのに・・・。
  別の仕事をやりながらとか、途中で業者の方がみえたりとか・・・。
  時間が決まっていたりとか・・・。


  出始めたら、最後まで作るのがコツ。

  でなければ、次に作ったときは何か違ったような気がする。
  そうすると、あの時あのまま一気に作ったらどうなっただろう
  って後悔する。


  結構わがままな作り方だ・・・。

  会社組織にいたらそんなこと出来ないだろうし・・・。
  「甘い」と一蹴されるだろう(笑)


  その為、毎月一週目は料理教室が無い・・・。
  何日でその月の料理が出来るか決まっていないから取り敢えず
  一週間は確保しておく。



  作り直しは思ったより手こずる。
  イメージだけでなくそれを補正修正する思考が入るから。
  イメージはイメージだけで完結した方が美しい。
  それで美味しくて作りやすければ、最高だし・・・。
  それを追いかけている。


  それがなかなか・・・。(^_^;)

    

  今月も暑そうだから、冷たい前菜にした。
  超・冷たい。
  もの凄く・・・。


  「これ美味しい・・・。」
  そんな声が聞こえてきた。
  イメージはもう、みんなが食べているシーンへ。

  後は同じに作れるルセットをメモと記憶を頼りに作る。


  主菜は、作っているところが無いだろうクラシック料理を今の
  家庭料理に作り替えた。
  こっちはお手本があるから、前菜より気持ちが楽。

  

  クラシックって言うのは、逃げ道みたいなもの。
  既に安心の折り紙がついているし・・・。
  味の方向性も解っている。
  道を間違えても、何処に行けばよいか教えてくれる。


  デザートは・・・。
  フランス家庭料理。
  これを徹底的にシェイプアップする。
  作り始めて二転、三転・・・。

  秋を思って使った洋なしはまだ早かったし・・・。
  固い、柔らかいがありすぎる。
  
  近所の八百屋とスーパーの果物コーナーを歩き回る。
  見逃したものをもう一度見つめる。
  最初のイメージを一度消してしまう・・・。


  「あっ、あった・・・」

  それは目の前に並んでいた。
  急いでそのトレイを抱えレジに並ぶ・・・。
  もう、待ちきれない。
  作る途中で味見をして・・・・。
  焼き上げて一つ余分を味見して・・・。


  「違う・・・」


  思惑と違うことに愕然とする。
  どうしよう・・・。
  二つ、三つ配合の違うパターンをメモる。

 
  翌日、少しがっかりした面持ちでまた食べてみた。

  「これじゃん」


  冷蔵庫で一晩おいたそれは、僕が想定していた味だ。
  冷やせばいい。

  家庭料理でそれは出来立ての熱々や、温かいのだったたけれど。
  シェイプアップしたそれは、冷たい方が美味しかった。


  こんな風に九月の料理は出来上がった。
  これから、ルセットを作り検証する・・・。
  上手く、みんなが同じものを作れるように・・・。
  簡潔に、解りやすく・・・・。

  その全てを僕は見せるから・・・。


  今年の初めから通われた方が、七月の料理を家族に披露された。
  トマトとベーコンだけで誰もやらないような事をした。

  「レストランが出来るじゃないの?」(笑)って言われました。
  微笑んで彼女は教えてくれた。
  


  レストランでお出しする料理を僕は作っている。
  それは家庭料理ではないのだろうか?
  そんなことはない・・・。


  今から三十年前道場さんのお店で生まれて初めて板前さん達の
  まかないを作った。
  花板さんが僕の耳元でささやいた・・・。
  「まかないが、店で出す料理の基本だからな、頑張れよ」


  二十五年前、巴里の三ツ星にジョエル・ロブション氏の家族が
  訪れた。氏はジャガ芋のピュレを注文した・・・。
  勿論メニューにはない。
  でも、キッチンではジャガ芋を茹で、皮をむき、バタをからめ、
  熱い牛乳で練り・・・。
  それは家庭料理と何ら変わらない様に見えた。

  三ツ星レストランのテーブルで、三ツ星シェフが食べていた。

  
  何処が違うのか?
  只のジャガ芋とバターと牛乳と・・・。
  普通のトマトとベーコンを使って・・・。

  「レストランが出来るんじゃないの?」

  いや、そうではない。
  料理人は普通の食材からレストランでお出しできる料理を作る。



  その全てを僕は見せるから・・・。
  
  その時、そのトマトとベーコンが喜んでいる。
  その時、ジャガ芋とバタと牛乳が微笑んでいる。

  「ありがとう」って・・・。
  僕は知っている。



  だから、
  その全てを僕は見せるから・・・。。  
  あなたの料理が「愛される料理」になるために。

  



今日も、新しいインスピレーションを求めて・・・。
引き寄せる一日でありますように。 (^ー^)v


そして・・・

いつも 「ありがとう」

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