写眞帖 御園のおもかげ 其の壱 132

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其 の 壱

「伊東胡蝶園」と言う名をご存知でせうか？

胡蝶はアゲハチョウのことですが、「白粉の御園」で知られ

「歯磨のライオン」や「クラブの洗粉」、「クリームのレート」とならんで

有名な化粧品会社でした。


戦後は「パピリオ」に社名を変更

パピリオは、胡蝶の学名Papilioから名付けられました。

== A ==　石原貫三　京都市外花園村

「写眞帖 御園のおもかげ」は

大正12年に販売促進のひとつとして企画されたもので

伊東胡蝶園が募集した懸賞写真に当選した 優秀作品300点が紹介されています。


テーマは「お化粧」で、審査員には洋画家の岡田三郎助や

日本画家の鏑木 清方、写真家としても知られる

資生堂の経営者、福原信三などがあたっています。

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== B ==　安本登里子　福岡市蔵本町

作品の傾向は、テーマが「お化粧」ということもあり

モデルは、芸者さんなど、水商売の方が多いようです。


白粉をつけるには、襟などを汚さないよう、上の方をはだける必要があります。

適度なお色気も演出できることから、

このようなシーンの写真が、数多く応募されています。

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== C ==　川崎魔山　岡山市下之町

客車の中のように見えますが

どこかの待合室でせうか、こんなところでお化粧をする女性が

昔もいたんですね。

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== D ==　平松善三郎　京都市室町通

浴室での撮影のやうですが、

浴室の雰囲気がレトロでいいですね。

昔はこういう写真は表に出さなかったと思っていたので、

露出度の高い写真が多いのには驚きました。


湯船の縁のところに、不自然に化粧品が置かれていますが

これは、応募の条件です。

何といっても、販売促進が目的の写眞帖ですから（笑）

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== E ==　竹田　貞　東京市神田區鍛冶町

最後は、手鏡を見る和服の女性の写真です。



えっ、前の写真と違って、説明があっさりとしすぎ ？

……………… 。




では、また。

写眞帖 御園のおもかげ 其の弐
はこちらです。













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