小松左京の「蜘蛛の糸」 100 | 郷愁倶楽部

小松左京の「蜘蛛の糸」 100

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小松左京さんが今月、26日に亡くなられました。

私は小松さんの短編集が好きで、
読みあさっていた時期がありました。

私のブログにコメントをいただくことの多い、
ウォータン氏のブログで
小松左京の日本沈没のことに触れた
「沈没しちゃいました…」という記事が目にとまり
コメントを書込ませていただきました。

その数時間後に小松氏が亡くなられたということを、
報道で知り、その偶然に不思議な感覚を覚えました。

小松左京さんは、
「宮崎駿と荒俣宏と立花隆を足して、3で割らない」
と言われたほど、多才な人でした。
大きな体をゆらして精力的に動かれている姿が目に浮かびます。

小松左京氏のご冥福をお祈りします。




$郷愁のイラストレーション-小松左京

 ご覧のように、文庫本ばかりです。




蜘蛛の糸は芥川龍之介の有名な作品ですが、
小松左京氏は、説教じみて、いかにもありがたそうに
書かれているところが気に入らなかったと見えて
蜘蛛の糸を痛烈にパロった短編を書いています。
題名はやはり「蜘蛛の糸」です。


***


垂らした糸にカンダタがのぼってきます。
ここまではお釈迦様の思惑通りです。

お釈迦様の描くストーリーは、

カンダタは、続いてのぼってくる亡者に驚いて、
重みで糸が切れては行けないと、のぼってくるなと怒鳴る。
怒鳴った衝撃で糸が切れる。

自己中心者はこのような末路をとるという、
ありがたい教訓を含めたお話しになる。

と、お釈迦様は楽しみにしていましたが……

カンダタは糸が切れないうちにのぼりきろうと、
大急ぎでのぼってきてしまいました。

あわてたのはお釈迦様です。

このままでは、何千何万の亡者まであがってきてしまいます。
そうしたら極楽はトンデモ無いことになってしまうでしょう。
しょうがないので、カンダタだけを助けて、
あとは追い落とそうと身を乗り出したところ……

のぼってきたカンダタはこれ幸いと、
お釈迦様の髪につかまりました。

バランスを崩したお釈迦様は、血の池地獄へマッサカサマ。

無事にのぼった、カンダタや亡者たちは、
極楽の豊かなの生活ですっかり人柄も良くなり、
まるで仏さまのようになりました。


あるとき、カンダタは血の池地獄をのぞいてみると、
お釈迦様が気息エンエン。
とても苦しそうにしているのが見えました。

かわいそうになったカンダタは、
自分が蜘蛛の糸で助けてもらったことを思い出し、
蜘蛛の糸をたらしてやります。

地獄に仏、お釈迦様は一生懸命のぼり出しましたが、
ふと下を見ると、何と地獄の鬼や
閻魔様までのぼってくるではありませんか!

お釈迦様が思わず、
「おいおい、お前たちあがってきてきちゃこまるよ」
と、いったとたん、蜘蛛の糸がが切れて……


*私のあらすじでは小松左京さんに申し訳ないのですが、
 お許しのほど。原作を読んでくださいね。







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