本所の七不思議 87
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歌川国輝による浮世絵より
本所は江戸の外れ、
当時はお化けが出ても不思議のない辺鄙なところだったらしい。
「本所の七不思議」は、言ってみれば都市伝説で、
他にも、麻布、深川、八丁堀、吉原などなど、
あちらこちらにあったらしい。
いつの時代も、この手の話は好まれるようです。
思わぬ大漁に気を良くして
帰る頃には日が暮れてしまった
暗い池のほとりを通りかかると
「おいてけ、おいてけ」の声
足早に通り過ぎ
家に帰ってビクをのぞいてみると
中は空っぽだった
しんしんと更けた道筋に
ぽつんと屋台そばの灯りがひとつ
近寄ってみると誰もいない
待てど暮らせどそば屋の主は来ない
これはいたずらかとその灯りを消すと
その人の家に災いが起こる
これは狸の仕業と言われている
留蔵というならずものお駒という女に片思い
お駒には他に好きな人があったらしく
なかなか良い返事がもらえない
業を煮やした留蔵はある夜お駒を連れ出して
池のほとりで無惨にも片手片足を切り落とし
池の中に投げ込んでしまった
それからというもの、ここにはえる芦には
葉が一枚しかないという
月などを愛でながら夜風に当たっていると
どこからともなく聞こえてくるお囃子の音
お囃子に浮かれて歩き回りつかれて寝てしまう
夜露に目を覚ますと
そこは荒れ果てた原の中だった
人の寝静まった頃
天井から突きだす泥だらけの大足
驚きあわてながらも足をきれいに洗ってやると
おとなしく引っ込むが
そのままにしておこうものなら
家を壊さんばかりに大暴れ
しの突く雨の中の夜回りは辛いものだ
「火の用心」一声だしたとたん夜番は思わずぞくっとした
まだ拍子木を鳴らしてないのにカチカチと音がする
気のせいかと気を取り直し拍子木を打とうとすると
どこからもなく拍子木の音がまたカチカチと鳴る
夜番のあとを拍子木の音だけがついてくる
おぼろ月の夜、
ほろ酔いきげんの武士が供を一人連れて
家路に向かっていた
と、前方にポツンと灯りが見える
怪しく思い近寄るとすーっと消える
怪訝に思っているとまた灯がつく
こうして夜道を送ってくれるのだという
こうして七つの不思議を見てくると、
片葉の芦以外はおおらかな話が多いですね。
落語「本所七不思議」の舞台を歩く
http://ginjo.fc2web.com/45nanafusigi/nanafusigi.htm
*太陽光発電みたく生きたい 太陽さん、読者登録ありがとうございました。
歌川国輝による浮世絵より
本所は江戸の外れ、
当時はお化けが出ても不思議のない辺鄙なところだったらしい。
「本所の七不思議」は、言ってみれば都市伝説で、
他にも、麻布、深川、八丁堀、吉原などなど、
あちらこちらにあったらしい。
いつの時代も、この手の話は好まれるようです。
思わぬ大漁に気を良くして
帰る頃には日が暮れてしまった
暗い池のほとりを通りかかると
「おいてけ、おいてけ」の声
足早に通り過ぎ
家に帰ってビクをのぞいてみると
中は空っぽだった
しんしんと更けた道筋に
ぽつんと屋台そばの灯りがひとつ
近寄ってみると誰もいない
待てど暮らせどそば屋の主は来ない
これはいたずらかとその灯りを消すと
その人の家に災いが起こる
これは狸の仕業と言われている
留蔵というならずものお駒という女に片思い
お駒には他に好きな人があったらしく
なかなか良い返事がもらえない
業を煮やした留蔵はある夜お駒を連れ出して
池のほとりで無惨にも片手片足を切り落とし
池の中に投げ込んでしまった
それからというもの、ここにはえる芦には
葉が一枚しかないという
月などを愛でながら夜風に当たっていると
どこからともなく聞こえてくるお囃子の音
お囃子に浮かれて歩き回りつかれて寝てしまう
夜露に目を覚ますと
そこは荒れ果てた原の中だった
人の寝静まった頃
天井から突きだす泥だらけの大足
驚きあわてながらも足をきれいに洗ってやると
おとなしく引っ込むが
そのままにしておこうものなら
家を壊さんばかりに大暴れ
しの突く雨の中の夜回りは辛いものだ
「火の用心」一声だしたとたん夜番は思わずぞくっとした
まだ拍子木を鳴らしてないのにカチカチと音がする
気のせいかと気を取り直し拍子木を打とうとすると
どこからもなく拍子木の音がまたカチカチと鳴る
夜番のあとを拍子木の音だけがついてくる
おぼろ月の夜、
ほろ酔いきげんの武士が供を一人連れて
家路に向かっていた
と、前方にポツンと灯りが見える
怪しく思い近寄るとすーっと消える
怪訝に思っているとまた灯がつく
こうして夜道を送ってくれるのだという
こうして七つの不思議を見てくると、
片葉の芦以外はおおらかな話が多いですね。
落語「本所七不思議」の舞台を歩く
http://ginjo.fc2web.com/45nanafusigi/nanafusigi.htm
*太陽光発電みたく生きたい 太陽さん、読者登録ありがとうございました。