さて今月からは精神科研修が始りました。

今まで、いろいろな科の先生とは当直という名の夜勤の中で

何かとお世話になったり、麻酔科研修中にオペ室でお世話になったり

していたのですが、精神科の先生ばっかりは

アンタッチャブル

でした。

2年目にもなるのに、全く言葉を交わしたこともなく、

他科の先生が精神科の先生と話しているのも、ほとんど

見たことがありません。


ですので、怖さ半分、興味半分で研修が始りました。

やはり、QOML的に考えて、精神科は非常に魅力的な

わけです。非常に知り合いの少ない私でも、知っているだけで

5人以上が精神科に進んでいます。


ちなみに外科に進んだ知り合い1人、内科に進んだ知り合い2人、

あとは10人近くがマイナー科に進んでいます・・・

私の周りにも医療崩壊の縮図が渦巻いているのです。

念のため、断っておきますが、決して昔からQOML派だった訳では

ありませんし、知り合いがQOML派揃いなわけでもありませんよ。

ほとんどの人は、昔から内科、外科、産婦人科、小児科に

進んで、バリバリ働くんだ、と息巻いていた猛者だったのです。

それが、こんなお粗末、いやいや、「ヒト」として

まともな感覚を持つようになったのです。


それも一重に、とんでも裁判、下らないマスゴミ、ごね得を

知った愚民のおかげですね。


そう考えると、今から進路を選べる私達は、比較的恵まれているのでしょう。

この世の中、一番恵まれているのは


「報道」という名の、「情報垂れ流し」をするだけで、収入を

得られているマスゴミのクズと、

全くの専門外であっても、適当な感情だけに左右されて、適当な判決を

出し、例え後からそれが覆されたとしても、何もとがめられない裁判官と

検察官くらいでしょう。



それはさておき、精神科研修ですが、非常に楽しいものがあります。


統合失調症を専門にしている先生に講義していただいたのですが、

その歴史というものが非常に興味深かったのです。

なんでも、統合失調症というものがあったから、人類の進歩が

あったのだとか。


ずいぶんスケールの大きい話だな、と思っていたのですが・・・



様々な業績を残してきた偉人の家族には、非常に高い割合で

統合失調症の人がいた、とか言う話。

昔、ヨーロッパのある国で、統合失調症の研究が盛んだった頃。

その道の権威である医師が、統合失調症には遺伝的要素があり、

患者を隔離して、根絶やしにすることを考えていたそうなのです。

しかし、それを知った多くの著名人から抗議の嵐が。

それは、人道的な抗議、というよりも、著名人に近しい家族に

非常に高い確率で統合失調症の患者がいたのだとか。


その例を挙げると、

ニュートン、アインシュタイン、ダーウィン、エジソンなどなど。


そして、そういった偉人の中にも、統合失調症気質の人が

多数含まれていたようなのです。


つまり、統合失調症というものは、天才を生み出すか、患者を

生み出すか、紙一重なんだとか。


そういう視点で、統合失調症というものを見たことがなかったので、

非常に面白い話を聞けました。



その先生が言うには、人類が進歩してきたのは、いつの時代も

統合失調症に近い人間が出現し、革新的な発明をしてきたからだ、

とのことです。


なんでも、太古の昔、シャーマンと呼ばれた神のお告げが聞ける

人間たちも、統合失調症にみられる幻聴だったのではないか、とか。


んー、とてもスケールの大きな話になりました。