氷菓 2話 名誉ある古典部の活動 セリフ | タイトルは “くぉてーしょん城” 

タイトルは “くぉてーしょん城” 

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氷菓2話 

名誉ある古典部の活動

<家>

手紙
折木 奉太郎 殿 前略 わたしはいま ベナレスにいます。 ちょっと 遅れたけど、 合格おめでとう。 結局 神山高校 だってね。 無事高校生に なったあんたに、 姉として 一つアドバイスを してあげる。 古典部に 入り なさい。 伝統ある部活よ。 そして私も 所属していた 部でもある。 聞いた話だと、 わが古典部の部員は 現在ゼロ。 今年入部者がいなければ 消滅するそうなの。 古典部OGとして、 それはあまりに 忍びないわ。 奉太郎、 姉の青春の場、 古典部を 守りなさい。 名前を置いて おくだけでいいから。 どうせ やりたいことなんか ないんでしょう? かしこ 折木 供恵

<地学準備室>

奉太郎
《古典部が復活してから1ヶ月 ここ地学準備室は俺の中で 思ったより来やすい場所となっていた 放課後に退屈を感じればそこを訪れる 一緒にいて疲れないのであれば 俺はもともと人嫌いというわけではない》

える
こんにちは

奉太郎
よう

える
どうぞ 家の頂き物です 好きにつまんでください   

奉太郎
サンキュウ



える
不毛です

奉太郎
一年に二回植えるやつか

える
それは二毛作です

える
ひょっとして駄洒落ですか?

奉太郎
聞くな

える
いえ そうじゃなくてですね

奉太郎
不毛なのか

える
そうです 不毛です

奉太郎
なにがだ

える
この放課後がです 目的無き日々は生産的じゃありません 

奉太郎
お説ごもっとも で、お前は何かこの古典部に求めるものがあるとでも?

える
あります

奉太郎
おお

える
でも それは一身上の都合です 

奉太郎
《前にも聞いたぞ》

える
今は 古典部のことを言ってるんです 部活動ですから 活動しなければいけません 

奉太郎
目的が無い

える
いえ あります 10月の文化祭に 文集を出します 

奉太郎
文集

える
はい

奉太郎
やめよう 手間が掛かりすぎる 

える
いいえ 文集でないとだめなんです

奉太郎
文化祭に一枚かみたいなら 他にも方法はあるだろう 模擬店とか

える
神高文化祭は伝統的に模擬店禁止だそうです 

える
それに文集のために予算が出てますし 顧問の先生からも頼まれています 

える
また文集は40年以上の伝統があるので途絶えさせたくないそうです 

奉太郎
そういう事情があるなら先に言え わかったやるよ 

える
はい

奉太郎
それで その文集ってのはどんな内容なんだ 

える
わかりません

奉太郎
おいおい

える
すみません これから調べればいいと思ってました とにかく バックナンバーがあれば取っ掛かりはつかめると思います 探してみましょう!

奉太郎
《えー》



奉太郎
無いなー

える
それじゃあ図書室でしょうか いってみましょう!

奉太郎
うん・・

える
なにしてるんですか 折木さんもいくんです ホラ 

<廊下>

奉太郎
気が進まん 今日は金曜だから 図書当番は 多分・・

<図書室>

摩耶花
あれ 折木じゃない ひさしぶりね あいたくなかったわ

奉太郎
よう伊原 会いに来てやったぜ 

摩耶花
ここは教養の聖域よ あんたには似合わないんじゃない?

奉太郎
なら 自分にはお似合いだってのか ご立派なことで

摩耶花
あいっかわらず最低ね 冷やかしに来たなら帰りなさいよ 

える
ええっと・・

里志
やあ奉太郎 きぐうだねえ あいかわらず仲がいいじゃないか さすがは鏑矢中(かぶらやちゅう)ベストカップル!

奉太郎
ふざけんな

摩耶花
こんな陰気な男 ナメクジのほうがまだましよ ふん

奉太郎
ナメクジ・・

摩耶花
だいたい福ちゃん 私の気持ちを知ってて よくそんな冗談がいえるわねぇ

里志
ああ ごめんね摩耶花 傷ついちゃった?

摩耶花
またそうやって冗談めかしてごまかすんだから ほんと いい加減にしてよねっ

える
どういうご関係なんですか

奉太郎
中学のころから里志に惚れてるんだ 

える
まあ

里志
ゴホン 千反田さん こちらは伊原摩耶花 ぼくらとおなじ鏑矢中出身だ

摩耶花
よろしく

里志
摩耶花 こちらは千反田えるさん 僕がこないだ入部した古典部の部長だよ 

える
こちらこそ よろしくお願いします 

里志
それより 二人そろって何の用だい? 

える
あ そうでした あの伊原さん お聞きしたいことがあるんですが 

摩耶花
はい

える
ここに部活の文集って置いてありますか? 古典部のなんですけど 

摩耶花
古典部・・ なかったと思うけど 表に無いなら書庫かしら 

える
そうですか

里志
何で文集を?

える
文化祭で文集を作ることになったので 一度以前の文集を見ておこうと思いまして 

里志
へえ カンヤ祭に出品するんだ 奉太郎がよく承知したねえ

奉太郎
ほとんど事後承諾だったけどな・・ カンヤ祭?

里志
聞いたこと無い? 神高文化祭の俗称だよ 

奉太郎
またお前の考えた俗称じゃないだろうな 

里志
本当さ 手芸部の先輩はみんなカンヤ祭って呼んでるよ 摩耶花は?

摩耶花
漫研でもカンヤ祭っていってるわ

える
カンヤ・・ どういう字を書くんですか?

里志
わからないんだ 聞いて回ったりはしたんだけどね まあたぶん 神山高校文化祭が 神山祭になって カンヤマ祭 カンヤ祭ってところかと思ってるんだけど

摩耶花
それで千反田さん 文集は書庫を探せばあるかも知れないけど ちょっと司書の先生が会議で席を外してるから 今 はいれないのよ あと30分もすれば戻ってくると思うけど 待つ?

える
どうします?

奉太郎
待つか

摩耶花
あんたは帰ってもいいのに 

奉太郎
へーいへい

里志
待って! 奉太郎 

里志
摩耶花 さっきの話 二人にも聞いてもらったらどうだい?

摩耶花
えっ

摩耶花
そうね 折木 たまには頭を働かせてみる気はない?

奉太郎
ない

える
どういうお話ですか?

里志
愛無き愛読書の話さ

える
愛無き愛読書?

里志
なんとも奇妙な話でねぇ どう考えても辻褄が合わなくて 摩耶花と首をひねっていたところなんだ 

える
ぜひ聞かせてください!



摩耶花
私が当番で 金曜放課後ここに来るとね 毎週同じ本が返却されてるのよ 今日で5週連続 これだけでも変な話でしょ これがその本

える
まあ きれいな本 

奉太郎
でかい

える
ちょっと中を見てもいいですか 

摩耶花
どうぞ

える
折木さんも ほら

える
普通の学校誌ですね んー これを読むのはかなり大変そうですね 

奉太郎
これを毎週借りるやつがいても おかしくはないな

摩耶花
あんた ここで本借りたこと無いでしょう うちの図書室の貸し出し期間は2週間なの だから毎週借りる必要はないのよ 

里志
なのにこの本は 毎週返却されるんだってさ 

える
誰が借りたかはわかるんですか? 

摩耶花
もちろん 裏に貸し出しリストがあるから見てみて

える
あれ 折木さん 見てください 毎週違う人が借りてます しかも全員その日のうちに返してます

摩耶花
そうなのよ 貸し出しと返却が同じ日で しかも5週連続 時間もわかってて 5人とも昼休みに借りて放課後に返しているの

里志
どうだい気になるだろう

える
ええ 

える
わたし、気になります!

える
ちょっと考えて見ましょうよ 折木さん!

奉太郎
《おのれ里志 こうなることを見越して呼び止めたな》

える
はら どうです? おもしろそうでしょう 折木さんは鍵のこととか秘密クラブとか あんなに見事に解いてくれたじゃないですか

摩耶花
なあにそれ

里志
奉太郎の興味深い一面にまつわる話さ 

奉太郎
やめろ人聞きの悪い

える
とにかく気になるんです

奉太郎
ならん

える
なるんです

奉太郎
ならん

摩耶花
折木 静かに 千反田さんも

える
はい 

奉太郎
ああ

奉太郎
《うかつだった これ以上の拒絶や言い逃れは むしろエネルギー効率が悪い ならば・・》

奉太郎
そうだな 少し考えてみるか

える
はい

摩耶花
福ちゃん 折木って頭よかったっけ

里志
あんまり でもこういう役に立たないことだと 時々役に立つんだ

奉太郎
おまえら言いたい放題だな



立夏 夏の立つがゆへ也



<図書室>

奉太郎
《5週間連続で別の人間がこの本を借り その日のうちに返す これを偶然だと言い張るのは簡単だが 千反田は納得しないだろう 大事なのは真実ではない 千反田が納得することなのだ さて・・》

奉太郎
《昼休みに借りて放課後に返していては とてもこれを読む暇などなかろうし 家に持ち帰らないなら 借りずに図書室で読めばいい 結論 この本は図書の本分を果たす為に使用されているのではない とすると・・》

奉太郎
本を 読む以外に使うとしたらどう使う?

摩耶花
何冊かつめば枕にいいかも

里志
腕につければ楯になるね

奉太郎
もっとまじめに考えてくれ

える
そうですよ こういう本ならではの使い道があるはずです

里志
じゃあ千反田さんはどう思う

える
そうですね 重ねれば 浅漬けがつかります!

奉太郎
《お前らにはもう聞かない・・ 千反田ってほんとに成績優秀なのか? ただの天然にしか思えんのだが》

奉太郎
視点を変えよう 毎週別の人間が借りているのはどういうわけか 名前からみて全員女だな 考えられるのは二つ 彼女等に共通点はないが この本を金曜日の午後に使うことがはやっている場合 そして 彼女等はグループでこの本を使用し 当番制で順番に借りて使っている場合だ

摩耶花
はやりねえ

える
占いとか!

里志
こんな感じ? 今週のあなたのラッキーアイテムは 学校誌! 金曜日の午後に借りてその日のうちに返すと 彼氏とうまくいくかも なあんて

奉太郎
ばかばかしい それに5週連続だぞ?

里志
言ってみただけだよ

奉太郎
共通点は全員が女 それに2年生 クラスは違う 

摩耶花
みんな女なのは 何か理由があるのかしら

奉太郎
なんともいえんなあ 全校から無作為に5人選んで それが全員女である可能性は十分ある

里志
それに同性で群れるのも 珍しいことじゃないよね

奉太郎
何かの合図ってのはどうだ たとえば本を表に返してあったら可 裏なら不可とか

摩耶花
表裏で合図ってのは無いと思うわよ



摩耶花
ほら

里志
なるほど これじゃあ表も裏もわからないね

摩耶花
まあ 折木がいくら知恵を絞ってもそんなところよ 私と福ちゃんだってさんざん考えたんだか・・ら 何?

える
何かにおいがします

摩耶花
そう? ・・ なにも匂わないけど?

える
いいえ 確かに 何かの刺激臭です シンナーのような ・・ 間違いありません

奉太郎
《犬・・》

里志
まあでも千反田さんがこうまで断言するなら 勘違いじゃなさそうだね

奉太郎
《とすれば》

里志
奉太郎 その顔はなんかわかったね?

摩耶花
本当に?

奉太郎
まあなあ 確定はできんが 千反田 運動する気はないか 行ってほしいところがあるんだが

える
わかりました

奉太郎
いや 俺は行かずにおまえだけで

える
私だけ? どうしてですか?

奉太郎
それは・・ 

里志
その通りだよ千反田さん 奉太郎に使われるなんてあっちゃいけない 奉太郎は使ってこそ 役に立つんだから!

奉太郎
ずいぶんな言い草だな

える
いえ 私はどこかに行くなら一緒かと思っただけです

里志
うん、なるほどね

える
では、行きましょうか 折木さん!

<レストラン>

える
いらっしゃいませ ようこそ当店へ 2つのコース料理をご用意しております どちらにいたしますか?



える
オススメはこちらですよ・・

回想
《今日の屈託は意外と高くつくかも・・》



<図書室>

える
折木さん?

奉太郎
わかったよ 今日は雨で体育がつぶれたからな 可処分エネルギーはまだのこってる 

える
はい

摩耶花
どんだけ限られたエネルギーなのよあんたは

奉太郎
ほっとけ じゃあ行くか

える
はい

摩耶花
まって 私も行く ちょっと気になるし 福ちゃん ちょっとお留守番お願いね 

里志


摩耶花
だって図書当番 放り出して置けないでしょう?

奉太郎
じゃあな里志 留守番 よろしく

<廊下>

える
それで折木さん どこに行くんですか?

奉太郎
美術室だ

摩耶花
向こうの校舎ね 

奉太郎
そう 遠い だから行きたくなかったんだ

摩耶花
あんたほんっとにものぐさね

える
そこに何が?

奉太郎
その前に整理だ あの本の使い道だが 休み時間にあんなでかいものを使う女子はまずいないだろう となれば 考えられるのは授業だ 学年が同じでクラスが別の生徒が関係する授業といえば なんだ

える
体育か芸術科目ですね 

奉太郎
そう あの5人は 毎週授業の前に当番を決めて借りに来てたんだ

摩耶花
毎週ってのが分からないわねぇ 貸し出し期間は2週間だから

奉太郎
あんなでかい本 もって置くより毎週返しておくほうが楽だろう

摩耶花
ああ そうね

<美術室前>

える


摩耶花
どうしたの?

える
本と同じにおいがします

摩耶花
本当に

奉太郎
中を見れば分かる

奉太郎
本の使い道はあれだ 2年DEF組の合同授業 芸術科目美術科で製作された絵 あの装丁なら絵のモチーフにぴったりだ 

える
絵の具のにおいだったんですね

摩耶花
どうしてわかったの?

奉太郎
どうしてって・・ ただの閃き・・ ただの運だろう・・

<図書室>

里志
いやあ 見事見事 さすがに絵のモチーフに使ったなんて想像もつかなかったよ

摩耶花
なんであんなのがわかるの? 折木 変!

奉太郎
何を言う 俺ほど平均的な人間はいない

里志
さて どうだろうねぇ

える
でも本当に 折木さんには驚かされました 折木さんの頭の中には 私も興味あります

里志
興味が?

える
ええ 一度 切り開いて中を見てみたいくらいです

奉太郎
たいした脳みそじゃないぞ 学業優秀なおまえが見ても 得るものは無い

摩耶花
へえ 学業優秀なの

里志
そうそう 中間テストはまだだけど きっと学年でもトップクラスの成績をとるよ

える
いえ いくら成績が取れても それはパーツの集合体に過ぎません 私は そういうパーツではなく 思考を生み出すシステムが知りたいんです

里志
はあ

奉太郎
《というか こいつの嗅覚のほうが 俺には余程謎なんだが》

える
折木さんなら もしかしたら

奉太郎
ん?

える
あ いえ なんでも

里志
まあとにかく なかなか面白い時間をすごさせてもらったよ 千反田さんは?

える
もちろん楽しかったです 時間を短く感じました 

摩耶花
私は何時間かかっても解らなかったのに くやしい・・

里志
だから言ったじゃないか 時々役立つって

摩耶花
でも 折木に負けるのは 納得いかない! やっぱりくやしい! 

里志
まあまあ摩耶花落ち着いて

奉太郎
《違う ここが違う こんな風には 俺はならない 何が違う なにが》

里志
そうなんだよね ごくまれにひらめく 一瞬の輝きか はたまた

える
折木さん 帰っちゃ駄目です

奉太郎
何で ああ 文集・・

える
そうです 先生を待たないと 

里志
奉太郎ってときどき抜けてるんだよね

摩耶花
時々? 過大評価じゃない?

奉太郎


糸魚川先生 
伊原さん ご苦労様 もう帰っていいわよ

摩耶花
はい 戻っていらしたんですか 糸魚川先生

里志
先生 古典部の福部里志です 文集を作る為に バックナンバーを探しているんですが 書庫を調べてもいいですか?

糸魚川先生
古典部 文集 あなたたち古典部なの?  そう 残念だけど 文集のバックナンバーは書庫にはないわ 

里志
見落としということは

糸魚川先生
あったらさすがに覚えているわ じゃあ 失礼するわね 

里志
はあ すいませんでした 

里志
だそうだよ 千反田さん

える
これは困りました

奉太郎
その内 みつかるさ

摩耶花
折木どう? 問題解いて気分はすっきりってとこかしら

奉太郎
別に

摩耶花
あっそう

える
仕方ありません 帰りましょう 今日は収穫もありましたし・・

奉太郎
なんだ それ

える
いえ 一身上の都合です  

奉太郎
またそれか

える
《そう 折木さんなら もしかしたら・・》



<奉太郎 家>

奉太郎
はい 折木です 

える
もしもし ち 千反田です

奉太郎
はあ 千反田

える
あの すいません もしかしてお休みでしたか

奉太郎
まあな 姉貴の電話かと思った で 日曜なんかにどうした? 

える
すみません できれば今日 お会いしたいんですけど 折木さんに 折り入ってお話したいことがあるんです 



<喫茶パイナップルサンド>

奉太郎
遅い・・

える
ハァ あ およびたてして すみません



奉太郎
それで 何か用だったか

える
はい?

奉太郎
何の為にこの店まで呼び出したかって聞いてるんだ 

える
このお店を指定したのは 折木さんです

奉太郎
帰る

える
まっ 待って下さい

奉太郎
貴重な日曜日だぞ お前と漫才するために浪費などできん

える
す すみません 私 緊張してるんです 

奉太郎
緊張ねえ 俺に 告白でも するつもりか

える
告白といえば そうかもしれません



The niece of time


<キャスト>
折木奉太郎 中村悠一
千反田える 佐藤聡美
福部里志  阪口大助
伊原摩耶花 茅野愛衣

折木供恵 雪野五月

糸魚川養子 小山茉美

野球部主将 会一太郎
野球部員 石川界人  
野球部員 細谷国日路
野球部員 蟹江俊介