変わりやすい心 | 人として生きる上で大切なこと 「こころのものさし」

変わりやすい心

               御 教 歌

 

          世の中の 人の心を 時々に

 

           つれてかはると 知るぞかしこし

  

人の心は、時と場合によって変わりやすいことを知っておきたいもの。

 

このように仰せの御教歌です。

 

ことわざに

 

「秋の日和と女の心、日に七度変わる。」

  

とありますように、秋の空は変りやすいように人の心も変りやすいことを言われてます。

 

また人の心は1日どれ位変るのかといいますと

 

「人一日一夜に、八憶四千万念の年慮(ねんりょ)をこるなり。」

 

とあり、数え切れないほどのさまざまな心が起こってくるというのですから、本当に驚きです。

 

そのような思いが起こってくる中で生活をしているのですから、自分の心が次々と変わっていくのは自然なことかもしれません。

 

昨日決めたことも、今日になってみれば変わっていた ということもしばしばある事です。

 

御指南に


「神無月(かんなづき)の如くふりみふらずみ、定めなきやうに日に七度心動くと云ふ。その習ひ性となるは、よき処 (ところ)よき友を選ぶべし。その癖となり性となりては、一生の昇沈(しょうちん)これに定る。」

 

「ちょうど秋の頃、天候が変りやすいのと同じで、日に七度心が動くと言う。

 しかも習い性となるのはこの時期の頃故、良 き環境・友を選ぶべきである。
癖となり性格となってしまえば、取り返しがつかず一生浮き沈みするようなことになる。」

 

このようにお示しで、人の心は変りやすいから、より良い環境・友に近づいていくことは大切なことです。

 

変わるのであれば、より良い方向へ変わっていけるように持っていくことが、どれだけ自分にとってプラスになることか分かりません。

 

「心の師となるとも、心を師とせざれ。」

 

という教えもありますように、何時心変わりするのか分からない自分の心を頼みとするのではなく、移りやすい心を身体で正しい方向に引っ張っていくことが大事だと仰せの御教歌です。