プーチン大統領が山口県にまで足を運んでそして翌日は東京で安倍総理と会談をしました。
マスコミは領土問題に進展がなかったとか、元島民の皆さんは落胆しているとか報じていました。
領土は力で奪うものが当たり前のロシアから、話し合いでそう簡単に領土を取り戻せると思うことの方が間抜けだと思うのです。
ロシアという国は、帝政ロシアの時代からいつも外国と戦争をしていたり、敵対関係にある国だという印象があります。ヨーロッパの国々は昔ロシアに占領されていたとか、迫害を受けた国が多くあります。
1904年に東洋の小国日本が超大国ロシアとの戦争を始めた時に、スエーデンのグスタフ国王は駐露大使だった栗野大使の駅まで出迎え、国王としての立場があるから言葉に出して語れないがと言ってしっかりと手を握って日本の健闘を祈ったといわれています。
日露戦争の前には情報将校の福島安正の単騎でのシベリア横断でロシア帝国の周辺諸国の実情を調査し、不満のレベルが高く、これを統合すれば帝政ロシアに大打撃を加えることができると報告しています。
そしてその作戦を実行したのが明石元二郎大佐でした。その結果第一次ロシア革命がおき、その後の第二次ロシア革命で帝政ロシアは斃れ、ソ連が誕生しました。
いわばこの怪物を生み出したのは、明石元二郎の働きだったといっても過言ではないと思います。
そして昭和20年8月9日、ヤルタ会談での密約でドイツ降伏の三か月後に対日戦争に参戦を決め、不可侵条約を結んでいたため、日本の友好国として連合国との停戦交渉をお願いしていたソ連は見事に裏切り、満州国境を越え、怒涛の如く進撃し、民間人のむごたらしく殺戮し、凌辱したのです。この事実は日本国民ならばきっちりと記憶にとどめておくべきです。
そして65万とも75万とも言われる日本軍将兵を戦時国際法に違反してシベリアに抑留し、極寒の中過酷な労働条件を強いて一割から二割の日本軍将兵が異国の地で土となっています。
それは遠くウズベキスタンにまで及び、その日本人捕虜たちが建設したナボイ劇場は二度の大地震にもびくともせずに立ち続け、現地の人の日本びいきをもたらしたと中山恭子先生の著書で読みました。
このようにロシアの歴史は血と裏切りと暴力で綴られていると思っている私にとって、いくらプーチン大統領が安倍総理と仲良くてもそうやすやすと不法に占拠している島々を返すとは思えません。
安倍総理もそこのところは十分にわかっているのでいろんな手を打っています。
それが総裁任期の延長です。このままだと2018年に任期が終わったのですが、先日の自民党の内規変更で伸ばしたので、最低でもあと5年総理総裁の座に居座ることができます。
それをプーチン側から見ると、高い国民の支持率であと5年も変わりそうにない安倍総理は交渉をするにふさわしい日本の総理大臣とうつるでしょう。
あと数十日で任期が終わるオバマ大統領と今後のことを誰が本気で交渉するでしょう。
あと5年あるから交渉できるのです。
そして一国の代表ですから、自国の利益を最大に考えます。
安倍総理は元島民のお話をしたそうです。日本の総理として日本国民からの切実な訴えを相手に伝えるということは相手が絶対に否定できないことですから、とても強いカードだと思います。
世界にもとても人道的、平和的に見えるでしょう。
表向きはそれを出していて、水面下ではロシアが喉から手が出るほど欲しい経済協力と技術援助と資金をちらつかせています。
交渉は今後を見守らねばなりませんが、スタートとしてはとてもいいことではないでしょうか。
さらに年末に真珠湾を訪問します。これは日米同盟は過去はあれだけ壮絶な殺し合いをした国同士が今はとても仲良くやっているとアピールし、さらに去りゆくオバマ大統領の花道を飾ってあげることにより、アメリカとの親密さを前面に出しています。
西洋流のマナーとしてはホテルなどのレストランで会食、もっと仲良くなると自宅に招いてのパーティというのがありますが、安倍総理の地元、それも日露両国関係を推進してきた故阿部晋太郎氏のお墓のある土地で招待し、それをプーチン大統領が受けたということは、次は安倍総理がプーチン大統領のとても私的な場所への招待となればもっといい関係になると思います。
小泉・ブッシュの関係や中曽根・レーガンの関係と同じようですが、それがロシアの大統領となれば画期的だと思います。
このようにみれば一年でころころ首相が変わってきたことがどれだけ日本の国益を阻害していたかがわかると思います。
安倍総理には今後ともじっくりと腰を据えた議論をプーチン大統領としていただき、悲願の北方領土返還と日露平和条約の締結に成功してほしいと思います。
私たちは安倍総理を支え、見守るのが国益にかなうと思います。なぜなら、これを一番嫌がるのはCHINAおよび国内に生息するその工作員ですから。