-3急変するイライラ戦争


さて、イライラ戦争は当事者の維持の張り合いとかしさらには周辺国や支援国の思惑に振り回されて長期化と言うか泥沼化し始めた開戦から5年目の1985317日にサダム・フセインがとんでもないことを言い出しました


曰く「48時間の猶予期限以降にイラン上空を飛ぶ航空機は、無差別に攻撃する」


と言うものでした。


この理由は何ぞやといえば


。戦況が長期化したことにキレた・・・と言うのもありますがこの前年にレバノン付近に展開していたアメリカ軍が撤退を始めた(一年後、いろいろな事情で戦艦引き連れて帰ってくるが)ため両国にとってのある種の"重石"が取れたたためか積極的に攻勢に出ております・・・で、その方法は互いの都市や重要拠点、生命線である原油を積んだタンカーにミサイルをぶち込みあう形式ですが・・・



そんな中311日により始まったイラン軍の構成をイラン軍が10日にわたって凌ぎ、反転攻勢に出て大打撃を与えることに成功します・・・が、イラン軍いまだ健在なりと見たイラク軍は戦線を維持しつつ相手を疲弊させる方式を取ることになります。(結果として疲弊していたイラン軍に立て直す機会を与えただけで戦争はさらに長期することに)



とは言えそのまま何もしないというわけでもなく、ここは圧倒的にイラクが優勢な分野である空軍を用いての優位に立とうとし、航空攻撃を重視。そのためにイラン上空を飛ぶ航空機が邪魔である・・・と言うことで



「民間機といえどもイラン上空を飛ぶな!」



と言う話になったようです。



さて当事のイランの情勢ですが・・・戦争中にもかかわらずなぜ欧州や日本の企業がやってきておりました。


と言うのも宗教的タブーには沸点がわりと低く、戦争では意固地になって(お互い様だが)長期化してはいるものの政治家・内政官としては極め有能であるホメイニー氏の経済政策が成功したことにあります。


戦争中でそうでなくとも革命直後。しかもその革命ででアメリカにけんかを売ったため制裁まで受けているイランですが・・・その逆境を跳ね返すことに成功します。



経済的にも他の産油国がオイルマネーに胡坐を書いている中、石油だけには頼らず必死こいて経済の多極化に人力。その方法として外国企業を宗教うんぬん関係なしには積極的に受け入れていきます。(ので、実は思ったほど他宗教なタブーには寛容・・・露骨にやるとさすがにまずいですが)

また、これらの経済力によって生み出された購買層ともいえる人口も中東屈指を誇ります。


と言うことで金もって購買層も多い、しかも誘致には積極的という優良もしくは極めて投資しがいのある市場でした。




で、ネックとなるのがアメリカの制裁と戦争なのですが前者はその代わりとして日本や欧州などが積極的に取引してくれるためどうにか穴埋めに成功イランを少し前までの戦場はイラン・イラクの国境付近に限定されておりテヘランなどの大都市への攻撃はほとんどありませんでした。そしてここ一、二年は戦争自体が膠着化しており、前線以外の地域は比較的安定化しており、経済発展の下地はできておりました・・・



なお、現在のイラン経済ですが戦争後はその負債と外国的軋轢に苦しむイラクをよそ目にその多極化政策がうまく軌道に乗り、更なる多極化に成功。


周辺の途上国の経済を牽引できるまでにその力を高めていきました・・・が、原発問題でもとからしているアメリカのほか上客でああったEUとも関係がこじれ国連安保理に基づく経済制裁を実施。これに基づく制裁を受けており経済的には苦しんでおりました。


が、それも欧米とイランとの交渉の結果は段階的にはではありますが解除され徐々にその活気を取り戻しつつあります。


戦争がなく、アメリカなどの関係が改善・良好であれば中東有数の経済大国、爆誕!!のはずだったのですがねぇ・・・・・・。