▼ 最悪の相性
1950年代のハリウッド映画界の有名な女優のひとりだったグレース・ケリー。今、読んでいる彼女についての本の中でのティーン時代のおそらく唯一の趣味は、星占い。
ハリウッドの豪華な有名俳優らとお付き合いする前には、必ず相性チェック。なのにモナコの王子の時は、完全に忘れていました。
婚約したての興奮に満ちた高校時代の仲良したちとの星占いの秘密の儀式で、ふたご座の王子は、さそり座のグレースとは、交際相手として最悪ということを知り、
「そんな・・・こんなことって・・・プロポーズ受けてしまったのに・・・」
うろたえまくるグレースに、友達が叫びます。
「なに言ってるの! 相手は 正真正銘のの王子様なのよ!! 結婚しなくてどうするの!」
その晩、10年以上固く信じてきた清き信仰を捨て結婚して良いのかという深い悩みと、王子との熱い恋の思いとの葛藤で、グレースは、どんな夜をベッドの上で過ごしたのでしょう・・・。
▼ 結婚費用
婚約発表の後、モナコから弁護士がやってきて、結婚の手続きについての説明がグレースと両親にありました。
- ひとつ 持参金について -
その言葉を両親も、グレースも理解できませんでした。弁護士によると、モナコはかつてフランスの保護下にあったことから、フランスの伝統的なしきたりに乗っ取って実施されなければならないとのこと。
妻となるグレースは、持参金を用意する必要がある。その金額は、当時の日本円で2億円。今のじかに直すと20億円から30億円?
持参金は、夫である王子が管理することになる。万が一、王子が亡くなったり離婚した場合、持参金は妻に支払い戻される。
大富豪の両親にとってもその額は、大きい。でもそれ以上に、アメリカにない持参金という考え方にショックを受けます。娘を差し出せ、金も出せということでしょうか。
父親は、そんな不理屈なことはありえないと大憤慨。その日は、憤怒と緊張に包まれたムードで終了。
持参金は何に使うのかですが、モナコは国家とはいえ、国の収入の大部分を占める観光収入が伸びず、財政的に苦しんでいました。
中世時代からの城は、内部は、一見、豪華絢爛でしたが、ずいぶん長いこと改修工事ができずにいたため、ほころびがあちこちで、修復には莫大な資金が必要でした。
◎ モナコで行われるF1レースは、インディ 500、ル・マン24時間レースと並び「世界3大レース」の1つに数えられる。
グレースが、初めてモナコのお城を訪ねたとき、会う約束の時間に遅れた王子は、レーシングカーを飛ばして駆け付けた。
たとえばこんな?
▼ もしも庶民だったら
庶民にとって、20億円とか30億円は金額が大き過ぎて、何を言われているのか理解ができない別世界の話。
万が一、庶民の家に生まれたわたしと王子が恋に落ちたらどうなったのでしょう? 両親には迷惑はかけたくないというか、端にも棒にもかからない状態。
日本国政府は、モナコとの親交を図るために持参金を国家予算の中から拠出してくれる? もしくは、日本国民に呼びかけて義援金を募集する? 当時はバブルだったので、もしかすると集まった?
お礼に抽選でおひと組様、モナコF1にご招待しますと呼びかけるとか・・・。