現在27年度決算の審議が連日行われています。

 

先日、こども家庭費の項目で私が質問いたしました。

 

出産し、子育て真っ只中ということもあり、ここ数回予算委員会、決算委員会でこども家庭費が担当になることが多くなっています。

自分の経験や区民のみなさんからのご意見をもとに質問いたしました。

 

まず、保育士確保について伺ったのですが、

現在、練馬区では28年4月時点の待機児童166人を29年4月に解消すべく「待機児童ゼロ作戦」と題して0~2歳の特に待機児童の多い年代に特化し保育所の整備を進めています。

1,000人分の枠を確保する予定としていて、現在までに800名分今年度に前倒し、また目途が立っています。

 

待機児童問題の解消ための受け皿をつくるには

まず一つ、保育所の増設です。

しかし、課題として土地確保、また最近報道されてもいますが、こどもたちの声が騒音とされたり、送り迎えの自転車等の交通集中など、近隣住民との調整が難航する例もあります。

2点目に、保育士等の人材確保です。

賃金引上げや資格取得しやすくする環境整備が必要などの課題があります。

 

待機児童問題は練馬区の話だけではなく、他の自治体でも同様に課題となっていて、保育士確保として多くの自治体で家賃補助など様々な支援策を打ち出し、確保に努めています。

 

練馬区においても29年4月に待機児童解消を目指し、待機児童対策に力をいれている最中ですが、保育士確保のための支援策としては他の自治体の取組からすると遅れているように感じています。

 

区としては、保育士確保は潜在保育士の掘り起しも含めイベントを企画するなどして一定の就労に繋がっているとしていますが、家賃補助等はしていません。

 

しかし、今年度の10月補正予算において練馬区でも保育士の社宅借り上げ費の補助のための予算を計上する予定です。

良い人材を確保するために練馬区も一歩進むことになります。

 

新たな保育士の担い手への支援、保育士資格を持っていながらも就労していない潜在保育士の掘り起しも大切な取り組みです。

しかし、いま働いている保育士の定着促進を図る必要もあると考えています。

 

保育士の平均就労期間は7,6年と短く、ベテラン保育士が求められていながらも実態はベテランに育つ前に退職してしまいます。

保育士さん自身が出産、子育てのため退職することももちろんありますが、

賃金が労働と見合っていない課題が焦点とされていますが、実際には様々な理由が存在すると思っており、保護者対応(例としてモンスターペアレンツ)や職場内の人間関係、休暇が取れない、就労時間が希望とあっていないなどがあると思います。

 

 

練馬区では現状、離職の理由や離職率のデータは持っていませんが、調査をすることで労働実態が見えてきて、そこで賃金の問題だけなく、改善するための課題が明らかになってくると考えており、調査を要望しました。

 

27年度には、保育士の処遇改善として「キャリアアップ補助金」として賃金アップの補助金が支給されました。

しかし執行率が悪く、その理由として書類の手続きが面倒など課題があるため、区としてサポートをしていくとの答弁を確認しました。

 

このキャリアアップ補助金で実際いくら程度保育士の賃金が上がったのかというと、

平均で18,000円。

しかし、保育士の平均賃金は女性で約21万円。男性で約23万円と全産業の賃金の平均と約10万円ほど開きがあります。

 

待機児童解消のための保育士確保は重要な課題として、この補助制度はしばらくは続くとの答弁でしたが、結局はこの補助金がなくなったあと、その賃金水準をどう保っていくか、事業者自身が力をつけなければ補助金がなくなったあとに、元に戻るようではまた振り出しに戻ってします。

賃金をどこまで上げれば保育士が増えるのか。どうやって賃金を維持していくかを考えていかなくてはなりません。

また、補助金が適切に保育士の賃金アップとなっているか調査するよう要望致しました。

 

 

待機児童の解消というと施設整備を勧め○○人定員増!と言ったりしますが、施設整備はもちろん必要ですが、質の良い保育には保育士が重要になります。

 

認可では生後58日から預かりをしています。

子どもたちの健やかな成長をサポートし、命を預かるとても責任のある保育士のみなさんの働きがしっかりと労働条件に反映されるよう、今後も区議会の中でも意見、要望してまいりたいと思っています。