誰彼 (講談社文庫)/講談社
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久しぶりの迷探偵法月綸太郎シリーズです。
ある宗教団体の教祖が、祈りをささげる塔の密室から消えた。
そして彼の遺体はあるマンションで首を切られ発見される。
殺したのはだれか。殺されたのは誰だったのか。

誰彼(たそがれ)のタイトルがしっくりきます。

このシリーズは何年か目に雪密室を読んで以来だったのですが、
こんなにあっちゃこっちゃと推理しては間違えたっけ?と迷探偵っぷりが新鮮に楽しめました。
結構見当違いなことも多いので、読者より一歩「だけ」先を行くミステリー。
でもあくまで一歩なので壁だらけ。しょっちゅうぶつかっては訂正しています。
そうやってああですこうですと議論しあう作家法月綸太郎と
父・法月警視との親子の関係がすごく良かったw
このお父さんがいるからこそどれだけ間違っても全然へこたれず図々しく頑張れるんでしょうね。
お父さんが警視だからという意味ではなく、
話を聞いて噛み砕いてくれる相棒だからですwそれがお父さんというのが凄く素敵。

さて事件は密室トリック。
その辺は意外と単純で、拍子抜けしてしまうんですが。
序文にある3人兄弟の話があり、三人のそれぞれの確執が読者は解るようになっているので
なんとなく予想を付けさせながらも・・・最後の最後でひっくり返す。
あるいはもともとの予想通りに終わらせるというなかなか面白いひねくれ方でしたw
ほめてます。

でも法月親子と久能警部以外はわりとキャラはうざかったです。
まあ宗教団体という特殊な場所ですから;;
エーテルから導きを受けたとか物質界と関係ない単語が普通に出てきますので、その辺が違和感。
ご神木とか信じてるのに、矛盾してますかねw


しかし「ジャパゆきさん」と呼ばれる売春のための不法入国者なセレーナがかわいそう・・・。 騙されて日本に来て、ひどい仕打ちを;; 今もこういう女性、いるんでしょうね・・・。

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