Zの悲劇 (角川文庫)/角川書店(角川グループパブリッシング)
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久しぶりのドルリー・レーンでした。
老境にはいり隠居中のドルリー・レーンを引退したサム警視とその娘、ペイシェンスが訪ねる。
ペイシェンスは類まれな推理力でレーンを感動させた。
私立探偵を営むサムは、娘の推理力に半信半疑ながらも、
ある依頼に同行させる。

しかし依頼人が指定したターゲットの弟である上院議員が殺され…。

小説の語り部であり探偵のペイシェンスが大活躍。
レーンは後半からペイシェンスの届かぬ場所を固めています。

多くの方が言われる通り前作X.Yの悲劇と比較するとパワーダウンの感じです。
冤罪による死刑のカウントダウンからくる後半はハラハラしましたが…。
事件の真相と隠された過去がちょっとずれた位置で着地しており、
物語としては肩透かしされた感じですね。
誰がどんな動機をもって、誰なら可能なのか。
考えはしましたけど動機は「これ?」可能かは「まあ確かに…。」という感想です。

でもペイシェンスが真面目で聡明、独りよがりでない出来た女性で、
私は結構好きです。

平均以上の面白さはあります。(偉そう)
ただ先の名作と比べると…ですね。

さて4部作「ドルリー・レーン最後の事件」はいかようなものか。





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