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大日本帝国の陰で暗躍するスパイ組織、D機関の暗躍劇、
シリーズ第3巻です。
前2巻と比べ、オチがほのぼのしてるものが多いですが、
やはりこのシリーズは安定してレベルが高いです。
D機関の長で創始者、結城中佐の正体を調べる「追跡」は
ちょっとドキドキしましたが…そうはいかないか。さすがです。
「誤算」は記憶を失ったD機関の一人が主人公。
記憶を失いながらも彼の身に染みついたDの血は暗躍する。
主人公もすごいですが、何より結城中佐の教育が恐ろしい。
「失楽園」は見えない操り糸に踊らされるような怖さ。
しかしまたその卓越した能力がかっこいい。
中編「暗号名ケルベロス」は少々「あらま。」というオチでした;;
戦時中の国際情勢や日本軍の病質ともいうべき思想も興味深いです。
非常に読みやすく、しかし切れ味の鋭い内容でした。
続編期待!!
【D機関シリーズ 過去感想】