銃/中村 文則
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ある日自殺した死体と、彼が使ったであろう銃に出会った「私」。

銃に引きつけられるように持ちかえり、次第に銃を撃つ自分のイメージにとらわれ始める。


銃がもたらす「何か」により、緊張が高まり、ふっと緩んだと思いきや驚愕のラスト。

彼は銃に近づきすぎたのかもしれません。


銃というのはつくづく「殺す」という目的のためにのみ存在しているのだと改めて思います。

空虚な主人公の中に、強烈に入り込んできた「銃」というアイデンティティ。

その「個性」に次第次第に惹かれて、変化していく心理に釣られました;;


本を閉じて、現実に戻り、少し安心しました。


けして共感できる主人公が出てくるわけではないのですが、

中村先生の物語は「ひきつけられ」ます。


また読もうw