草の花 (新潮文庫)/福永 武彦
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ある兄とその妹、二人との恋に破れた男が危険な手術を受け、死んでいく。

彼に残された手記にはかなうことのなかった恋と人生が書かれていた。


静かで切なくて、でも確かに熱を感じさせる哀しい恋。

まるで互いに互いを永遠に片思いしているようでした。


互いの愛の形、孤独の形が違い、分かり合うことができないゆえに道を違えてしまいます。

間違いを、真実でないことを恐れたように見える主人公・汐見の苦悩がじわじわと胸に響いてきます。


短いけど濃密な恋愛小説です。