数年前夭逝された藤原伊織先生の短編集。
生きておられる間最後に発売されたものだそうです。
- ダナエ (文春文庫)/藤原 伊織
- ¥510
- Amazon.co.jp
3本の短編がありますが、どれも心に残る作品でした。
表題作はある画家の物語。
活躍中の画家、宇佐美の義父(有名企業の会長)の肖像画に
硫酸がかけられ、切り裂かれるという事件が起こる。
宇佐美のもとに「これは予行演習」という電話が入る。
犯人は誰なのか…。
主人公宇佐見がかっこいい!!
藤原先生お得意の少し疲れた、渇いた知的なおじさまです。
すごく上品なハードボイルドの香りが作品全体に漂ってます!!
真相はけっして突飛でも意外でもないよくあるものですが、
なんとも言えない切なさが心に響いてきます。
他2作もよかったです。
藤原先生の作品を読むたびに…もっと長く活躍してほしかったと思います。