ES細胞で作製の神経細胞、サルに移植し難聴改善 京大 | 再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞-

ES細胞で作製の神経細胞、サルに移植し難聴改善 京大

京都大学の伊藤寿一教授らは、万能細胞であるサルの胚性幹細胞(ES細胞)から神経のもとになる細胞を作ってサルに移植し、難聴を改善させることに成功した。移植した細胞が聴神経に成長し、重度の難聴が中程度まで回復した。新型万能細胞(iPS細胞)を使った将来の難聴治療の足がかりになる。3年後にも患者を対象にした臨床研究を始めたい考えだ。

研究チームはカニクイザルのES細胞を培養し、神経のもとになる前駆細胞を作製。これを難聴のサルの内耳にある蝸牛(かぎゅう)という器官に移植した。数カ月後には、移植した細胞の多くが「らせん神経節」という聴神経に成長した。

サルには、マイクでとらえた音を電気信号に変えて蝸牛に埋め込んだ電極から流して聴神経を刺激する「人工内耳」の治療も併せて実施。難聴が中程度まで回復した。

音は蝸牛にある有毛細胞で電気信号に変わり、らせん神経節を経て脳に伝わる。難聴患者ではいずれの細胞も損傷していることが多い。有毛細胞は人工内耳で一部代替できるが、聴神経が減ったり働かなかったりすると、脳まで伝わらない。研究チームは同様の手法でマウスのiPS細胞を聴神経に成長させている。現在はヒトのiPS細胞をサルなどに移植する実験に取り組んでいる。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819595E2E6E2E29B8DE2E4E2E1E0E2E3E386989FE2E2E2;at=ALL




素晴らしい成果ですね。

着実に進むことを願っております。