京大・山中教授「希望奪わないで」事業仕分けの科学予算削減で | 再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞-

京大・山中教授「希望奪わないで」事業仕分けの科学予算削減で

京都大iPS細胞研究センター長の山中伸弥教授は、iPS細胞の特許に関する会見で「研究費を減らし、若い研究者や学生から希望を奪わないようにしてほしい」と訴えた。

iPS細胞研究の草創期を支えた「戦略的創造研究推進事業」などが削減対象となっていることを挙げ「これらの研究費がなければ、iPS細胞は生まれていなかった」と若手研究者支援の必要性を強調した。

「小さな支援を多くの研究者にすることでiPS細胞のような技術が生まれ、日本の発展につながる。10年後の日本がどうなるのか心を痛めている。日本が科学の後進国にならないように」と注文した。
(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009112500214&genre=G1&area=K00


「日本の未来は」と憂慮=科技予算削減にiPS細胞の山中教授
世界で初めて人工多能性幹(iPS)細胞を作った京都大の山中伸弥教授は25日、iPS細胞の特許成立の記者発表で、科学技術分野でも予算削減を求めた行政刷新会議の事業仕分けに対し「日本の未来はどうなってしまうのか」と述べ、憂慮する考えを示した。
山中教授は「iPS細胞の研究は10年間支援してもらい、幸運にも花開いた研究の一つ。10年前のどの研究が大きな成果につながるか誰も予想できない」と述べた。
(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009112500991


山中教授 事業仕分けを批判

政府の行政刷新会議の事業仕分けで科学研究の予算の廃止や削減が相次いだことについて、あらゆる組織や臓器になるとされる「iPS細胞」の作成に成功した京都大学の山中伸弥教授は「想像を絶する事態で、今後の日本がどうなるのか深く憂慮している」と厳しく批判しました。

これは、25日、山中教授が京都大学の記者会見で述べたものです。この中で山中教授は「この分野の研究を10年続けてようやく成果が出たが、10年前の段階でどの研究が成果につながるか予想するのは不可能だ。多くの研究者のさまざまな研究を支援し、そのうちのいくつかが成果につながるというのが科学だ」と指摘しました。そのうえで、政府の事業仕分けで科学研究の予算の廃止や削減が相次いだことについて、「ありえないことだ。そもそも日本は科学研究費の割合が低く、海外より10年、20年遅れた劣悪な環境で研究をしている。その中で予算を削減するのは想像を絶する事態で、今後の日本がどうなるのか深く憂慮している」と厳しく批判しました。さらに、「日本が科学の後進国になり若い研究者から希望を奪うことにならないよう祈っている」と述べて、科学研究の十分な予算を確保すべきだと強調しました。
(NHKニュース)
http://www.nhk.or.jp/news/t10014003541000.html


科学技術予算カットに異議 ノーベル賞野依氏らが会見
行政刷新会議の「事業仕分け」で科学技術予算が廃止、縮減対象となったことに科学者からの反発が相次いでいる。25日にはノーベル賞受賞者がそろって会見し、異議を唱えた。緊縮財政の中、科学技術予算は右肩上がりを続けてきた。「理系内閣」のもと、突然振るわれた大なたに科学者たちは戸惑い、解決策を見いだせずにいる。

「人材が枯渇し、取り返しのつかない事態に陥る。将来に禍根を残すことのないよう強く望む」

25日夜、東京大のホールに野依良治氏らノーベル賞受賞者4人と数学のフィールズ賞受賞者1人が顔をそろえ、事業仕分けに異議を唱える声明を公表した。会場には教員や学生が詰めかけ、受賞者の発言に拍手がわいた。

iPS細胞の開発でノーベル賞候補と目される京都大の山中伸弥教授も25日に京都大であった特許に関する記者会見で、「想像を絶する」と異議を唱えた。自らのiPS細胞の研究も「10年間の支援があって、幸運なことに花が咲いた」。当初から国の科学研究費などを得ながらようやくたどり着いたことを強調した。

「10年前に今の成果が出るかどうか予想するのは不可能。それが科学だ。技術立国としての日本の10年後が心配。10年前に私にしていただいたような支援を多くの人にしていただきたい」と力を込めた。「このままでは研究者が海外に出てしまう」

事業仕分けでは、次世代スーパーコンピューター(スパコン)を始めとする大型事業から、広く研究者に支給される資金まで、多くの項目が「廃止」や「縮減」と判定された。これまで、成長戦略の象徴として「聖域」の扱いを受けてきた科学技術予算だったが、研究者の間に反発と動揺が広まった。
19日には総合科学技術会議(議長・鳩山由紀夫首相)の8人の有識者議員が予算確保を求め連名で緊急提言、20日には日本学術会議も続いた。24日には東大、京大など9大学の学長がそろって会見し、声明を発表した。各学会からの表明も相次いだほか、文部科学省の意見募集には研究者らからの意見が1万件を超えた。

各声明には「取り返しのつかない事態」「国家存亡にかかわる」などと強調する表現が目立つ。理化学研究所理事長を務める野依氏は、この日午前も文科省の先端科学技術調査会で「(次世代スパコンは)外国から買ってくればいいという人がいるが、不見識。その国に隷属することになる」などと語気を強めた。

こうした異論の大合唱に、知事も場外戦を繰り広げた。25日、官邸であった全国都道府県知事会議でも、矛先は科学技術予算の凍結や予算縮減に集中した。

経済産業省出身の古田肇・岐阜県知事は「(科学技術予算の)廃止は非常にショック。地域、地場産業の活性化につながっている」。地方にとっては、科学技術の看板が企業や工場誘致につながり、雇用確保や税収増と結びつく。官邸の大ホールはさながら陳情の場となった。

事業仕分けで科学技術予算に大なたが振るわれたのは、政権が代わり、森喜朗元首相ら自民党文教族の存在感が消えたことが大きい。また、民主党は自民党と違い、科学技術予算の拡充をもくろむ経済界との間にしがらみがなく、遠慮なく縮減できる。

もっとも、反発を受け、鳩山内閣からは次世代スパコンなどについては「見直す」(菅直人副総理)などと軌道修正の動きもでている。仙谷由人行政刷新相も再検討の構えだ。

鳩山首相も相次ぐ要請に「財政難だからといって、科学技術予算が切られるのは見るに見かねるというお気持ちだと思う。私もその思いをかなり共有している。調整できるものがあれば調整したい」と語った。
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/science/update/1125/TKY200911250401.html





日本の研究状況は世界と比べて非常に劣悪だと言われているのにさらに削るとは…

日本から科学技術を取ったら何が残るんでしょうか。。