iPS細胞、新薬開発支援へ20社に有償提供 山中教授会見 | 再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞-

iPS細胞、新薬開発支援へ20社に有償提供 山中教授会見

京都大学の山中伸弥教授は1日、京都市内で記者会見し、ヒトの新型万能細胞(iPS細胞)を、国内の製薬企業など約20社に有償で提供する考えを明らかにした。新薬候補物質の有効性や毒性の評価などに役立ててもらう。万能細胞を使った再生医療の実現には10年前後かかるとみられていることから、新薬開発でのiPS細胞の実用化を急ぎ、日本企業の国際競争力強化につなげる狙い。

会見はヒトiPS細胞作製の発表から1年たったのを機に同大学内で開いた。

京大は作製したヒトiPS細胞を、今夏から企業に提供する事業をスタートした。製薬・試薬会社など約20社から申し込みがあり、既に約10社に提供したという。提供先については明らかにしなかったが、国内製薬最大手の武田薬品工業のほか、バイオベンチャーのリプロセル(東京・港、横山周史社長)などが申請した。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20081201AT1C0100F01122008.html


ヒトiPS細胞作成から1年 山中伸弥・京大教授「早い実用化目指す」
再生医療の切り札とされるヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)の開発成功から1年となるのを受け、京都大学の山中伸弥教授が1日、同大で記者会見した。米ハーバード大やカナダのトロント大など海外の研究機関と実用化に向けた協力や共同研究を検討していることを明らかにした。

早期の臨床応用につなげるのが狙いで、未公表の実験データを共有し、共同研究も検討していくとし、近く専門家レベルでの意見交換を始めるという。山中教授は「ゴールは世界中の人のために役立つこと。1日でも早い実用化を目指したい」と、国際的な協力の重要性を強調した。

また、昨年11月のヒトiPS細胞の成功を公表してから、山中教授のもとには難病患者らからの問い合わせが寄せられていることも明らかにした。なかには、難病の娘を持つ親から「10年たったら病気が治せるかもしれないと娘に初めて話せた」と激励されたことを紹介し、山中教授が席上で涙で言葉を詰まらせる場面もあった。

山中教授の研究チームは昨年11月、人の体細胞に遺伝子を導入してiPS細胞を作ることに成功。今年1月には京大iPS細胞研究センター(CiRA)が設立され、11月には国のスーパー医療特区にiPS細胞研究が選ばれるなど「オールジャパン」の態勢で研究が進められている。
(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/science/science/081201/scn0812012149013-n1.htm


iPS細胞で海外と研究協力 山中・京大教授が表明
再生医療の切り札とされる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した京都大の山中伸弥教授が1日、記者会見し、米ハーバード大やカナダのトロント大など、海外の研究機関と実用化に向けた協力や共同研究を検討していることを明らかにした。

臨床応用につなげるのが狙いで、近く専門家レベルでの意見交換を始める。山中教授は「競争が注目されがちだが患者に役立つことが最大の目標」と強調し、「国内外を問わず協力を進めたい。成果が早く出るなら未公表のデータも公開し合いたい」と語った。

昨年11月に人のiPS細胞成功を発表してから1年。山中教授は難病の娘を持つ親から「10年たったら病気が治せるかもしれないと娘に初めて話せた」と激励されたことを紹介し、感極まって目頭を押さえた。

山中教授は今後の課題について「より安全なiPS細胞づくりや、知的財産権の取得に力を入れたい」と話した。

(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008120101000690.html


早期実用化へ競争より協力
京大・山中教授 iPS細胞発表1年

京都大iPS細胞研究センター所長の山中伸弥教授が1日、ヒトiPS(人工多能性幹)細胞樹立の発表から1年を迎え、京都市左京区の京大時計台記念館で記者会見した。多忙を極めた1年間を振り返りつつ、「目標は一日でも早い実用化」とし、競争ではなく海外の研究機関と協力し、より多くの研究成果を発信することに強い意欲を見せた。

山中教授は1年の成果として、全国のiPS細胞の研究拠点や企業との連携など「オールジャパン」の体制づくり、iPS細胞の基本特許の国内成立、iPS細胞研究センターによる特許出願体制の整備、より安全なiPS細胞の樹立の4点を挙げた。

今後1年間の目標として、国内だけでなく海外の研究機関とも積極的に協力することを掲げた。

iPS細胞研究で独自の成果を挙げているカナダ・トロント大と10月に、特定の患者の細胞から作製したiPS細胞についての情報交換を内容とした協定を締結し、米ハーバード大の研究者とも来年1月に非公開で会合を持つ予定で、「一日も早い実用化という共通の願いの下、研究データを交換し、場合によっては共同研究もしたい」と抱負を述べた。

かつて臨床医として患者を診てきた経験から「論文を出すことも大切だが、患者が治ることの方がうれしい」と強調。治療の難しい病気の女児の親から「iPS細胞研究の報道があって初めて、娘に『10年たったら治るかもしれない』と本当に(自信を持って)伝えることができた」という感謝と励ましを受けたことを打ち明け、感極まって涙ぐむ場面もあった。
(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008120100175&genre=G1&area=K00





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