■J1■ 2013シーズンどこよりも早いレビュー 「早い、安い、別にうまくはない」 part3 | picture of player

■J1■ 2013シーズンどこよりも早いレビュー 「早い、安い、別にうまくはない」 part3

part1part2 に続き、最後だよ、最後!
もう直したけど、昨日まで「2014」になっていたよ!年末って怖いね!


■磐田 17位

・加入
チョン・ウヨン(京都)
伊野波雅彦(神戸)
菅沼駿哉(G大阪)
宮崎智彦(鹿島)
植村慶(湘南)
小林祐希(東京V)
田中裕人(関西大学)
牲川歩見(ジュビロ磐田U-18)
☆カルリーニョス(大宮)
☆安田理大(フィテッセ)

・放出
ロドリゴ・ソウト(未確定)
ハン・サンウン(蔚山現代FC)
荒田智之(岡山)
竹重安希彦(新潟)
千代反田充(徳島)
押谷祐樹(岡山)


苦悩の果てに辿り着いた道は、地獄だった。森下監督継続で始まった今シーズン、3バックにシステムをチェンジ。しかしこれが悪手となった。前線と最終ラインがものすごい距離となってしまい、結果ボールを奪ってもゲームメーカー不在&ボールを運ぶメカニズム不在で攻撃に繋げられず。また、エース前田はロングカウンター超苦手の足の遅い選手なので、ボールが渡ったとしてもチャンスにならない。おまけに中盤センターにロドリゴ・ハゲの代わりに獲得したチョン・ウヨンがアンカーとして機能せずに、すっかすか。失点を重ねた。まあ、これはチョン・ウヨンだけのせいでもないけど。勝てないチームに焦れたフロントは改革を断行。間に長澤まさみ父長澤別人を挟み、関塚・オリンピック・隆を招聘。しかし、それでも事態は好転することはなかった。元々、関塚さんは攻撃に関しては超絶ブラジル人任せ。オリンピックでは超絶俊足永井がいたのでなんとかなったが、磐田には超絶ブラジル人も超絶永井も絶倫種馬男も前髪クネ男もいなかった。当然、点など入るはずもない。また、守備に関しても非常にルーズ。基本的な約束事がうまくいっておらず、中盤の守備的な人材の不足には最後まで苦しめられた。そして、やけっぱちで夏には安田・セックス・理大、カルリーニョスを獲得して、見事夏の王者 となったが、当然機能するはずもなく、そのまま降格と相成りました。名門の陥落に話題騒然だが、これは結局クラブが溜めていたツケを払った結果とも言える。名波、中山を中心とした黄金時代の栄光が忘れられず、その後一度低迷してオフトになんとか救ってもらい、その後ヤンツーが立て直したが、そのチャンスを生かすことができなかった。さほど財政規模が大きくないチームなのに、N-BOXという幻影をいまだに追い続けている。しかし、あのN-BOXは中規模クラブには何十年かに一度偶然に偶然が重なって訪れる奇跡のような幸運なので、それを期待してもしょうがないだろう。と、いまだに某東欧国の名将の幻影に取りつかれている千葉方面の黄色いチームを見ている俺が言ってみても全く説得力がないのだが。笑 さて、来年は完全にリスタート。予算も限られているし、出て行く選手もいるだろう。前田、駒野、山田などの代表クラスはいない可能性も高い。個人的には逆臣伊野波が残るらしいという噂に戦慄しているが、本当なのだろうか。残るものとして来シーズンの陣容を固めた後に、電撃的に移籍したりしないだろうか?笑 ただ、それもしょうがない。基本的に生え抜きを重要視するフロントの内向きな姿勢を正すチャンスだと思うのだが、なんと名波、服部などの黄金時代の面子を呼び戻すらしい。経験があるのならともかく、それはただの泥沼なのでは。俺の心配が杞憂に終わることを祈る。まじで。


・気になったひと 山田ポエム

昨年の残留争いの最中にポエムを公式サイトに投稿したゴールの詩人。今年も意味不明な前衛ポエムを投稿しつつ戦ったが、あえなく戦死した。彼自身は秩序のない攻撃陣の中で手を変え品を変えなんとか糸口を見つけようと奮闘したが、結果につながることはなかった。今年は東アジア選手権で代表にも選ばれるなど、評価はされている。非常に独特なドリブルとボールセンスを持っており、よくわからないタイミングで相手を抜いたりする。なんか海外でもけっこう通用しそうな感じはするのだが、責任感が強そうなのがポエムからも感じられるので、もしかしたら残ってくれるかも。後任監督次第だが、磐田の即J1復帰は彼の頑張りによるところが大きいだろう。そしてポエムは控えろ。あと変な紐も頭に巻くな。




■名古屋 11位

・加入
矢野貴章 (新潟)
ヤキモフスキー(FK Javor Ivanjica)
チアゴ・ペレイラ(渋谷幕張高校)
牟田雄祐(福岡大学)
ハーフナー・ニッキ (名古屋グランパスU18)
望月嶺臣(野洲高校)
本多勇喜(阪南大学)
☆永井謙祐(スタンダール・リエージュ)

・放出
金崎夢生 (未確定)
永井謙佑(スタンダール・リエージュ)
吉田眞紀人 (松本)
三都主アレサンドロ (栃木)
新井辰也(岐阜)
吉村圭司(愛媛)
巻佑樹 (引退)
☆水野泰輔(岐阜)


中位に来たりて中位に帰る。妖精ラストイヤーは誰も期待もなんもしてなかったが、その通りの結果となった。初年度に3位となって一旦順位を落とすも、3年目に優勝をゲット。翌年も優勝争いに絡むも、その後は中位に逆戻り。停滞感の中、今年は中位でフィニッシュ。ついに勇退となった。しかし、ACLでベスト4なんて全く記憶から抜け落ちていた。そうか、川崎とやったときか。名古屋に初の栄光をもたらしたピクシーだが、その手法はシンプル。各ポジションに相手を圧倒する選手を配置し、その個の能力で押し切るというもの。ケネディとトゥーリオが好例だろう。そのやり方は相手に対処不能の選択を迫るという意味でかなりビッグクラブ的なやり方だったが、それが成功した年は好成績を収めた。ただ、ケネディやトゥーリオが故障するとそれを代替人物や代替の戦術で埋めることはできず、大きく成績を落としている。あまり監督としての能力は正直高くないと思われるので、いい参謀がつけばなんとかなったのだろうか。また、優勝時のメンバーを引っ張り続けたのも、停滞の一因だろう。トゥーリオ、ケネディは年をとり、いまだに影響力は大きいが、その能力は限定的になった。また、田中隼麿、阿部翔平も解雇となったが、優勝時からのメンバーである。毎年つぎはぎのように補充はしていたが、ドラスティックなリニューアルは行えなかったことが、今年の成績の大きな原因だろう。今年も特に驚きを与えた選手はいない。ケネディは故障が癒えたが、往時の破壊力は見せられず、トゥーリオの影響力も範囲は狭まっている。気まぐれにフォーメーションを変え、若い選手である田中輝や田口、田鍋、磯村、本多を使ったこともあったが、結局育て上げるほどの我慢をすることはできず。牟田やハーフナーも中途半端な起用にとどまった。ただ、彼の優勝の功績が色あせるわけではないし、やっぱり名古屋のレジェンドである。気持ちよく送り出してあげよう。そして、来季の話。強化費の大幅減額によるベテラン大量解雇が待っている。就任が噂される西野さんは若手を育てながら、という監督でもない。2、3年はかなりの困難が待ち受けると思うが、それは必要な時間。名古屋の方は苦しいだろうが、我慢のときである。


気になったひと 永井謙佑

ベルギーで使われずに戻ってきちゃったの。相変わらずアホみたいなスピードを発揮していたが、チーム状態が悪いこともあり、生かされることはなかった。結局、終わってみればノーゴール。某有名サッカー戦術ブログ主スケ○ーには「苔口以下」と酷評された。まあ、苔口が成長している、っていう話ではあったけれども。ロンドン五輪の救世主として一躍脚光を浴びたが、思いっきり壁にぶち当たってる模様である。なんかサイドハーフとかやらされて迷いがある感じ。本質はやっぱりストライカーだよね。このまま名古屋に残るのかベルギーに戻るのかはわからないが、なんとか乗り越えて欲しいものである。なにせ、足を速くすることはだれにもできないのだから。犬みたいなスピードの犬みたいなストライカーに、求む、名ブリーダー。




■C大阪 4位

・加入
エジノ(ティグレス)
武田洋平(清水)
椋原健太(F東京/期限付き移籍)
楠神順平(川崎F)
新井場徹(鹿島)
ク・ソンユン(ジェヒョン高校)
南野拓実(セレッソ大阪U-18)
小暮大器(セレッソ大阪U-18)
岡田武瑠(セレッソ大阪U-18)
秋山大地(セレッソ大阪U-18)
☆多田大介(無職)

・放出
野口直人(MIOびわこ滋賀)
松井謙弥(徳島)
夛田凌輔(群馬)
荻野賢次郎(アルビレックス新潟シンガポール)
児玉新 (大分)
舩津徹也(富山/期限付き移籍期間満了)
後藤寛太(大学復学予定)
高橋大輔(引退)
ヘベルチ (仙台)
☆岡田武瑠 (長野)
☆井上翔太(北九州)
☆播戸竜二(鳥栖)


名伯楽・・・?クルピのラストシーズンは惜しくも優勝ならず。ACL出場権も天皇杯次第となってしまったが、まあよい結果と言えるだろう。汎用型二列目製造極東工場として、数々のアタッカーを生み出してきた流動攻撃は今年も健在。1トップに今をときめくジーニアス柿谷を置き、南野が自由にポジションをとることでカオスな攻撃を牽引。裏抜けも下がってボールも受けれる柿谷の恐ろしい決定力と、周りを使ってチャンスを量産するヌエヴォ・香川とでも言うべき南野の機能性は非常に高かった。それを可能にしたのが山口とシンプリシオ。山口は二列目も務めたが、ボランチとして縦横無尽に攻撃にも絡み、山口が上がった際にはボランチもできるシンプリシオが穴を埋めるという有機的な動きを見せていた。シンプリシオの戦術眼と能力はさすがセリエAというもので、今年の躍進の陰の立役者だろう。また、DF面でも茂庭の怪我を機会に山下・ルーキーズ・達也が台頭。その爆発的なスピードでDFラインの裏を無理矢理カバー。ちょっと笑っちゃうくらいのスピードなので、是非見て欲しい。高さもそこそこあるので、次の代表は狙って行けるんじゃないだろうか。また忘れてはいけないがキム・ジンヒョンの驚異的なシュートセービングも忘れてはいけない。被シュート数が割に多めの中で、失点を32に抑えたのは彼のおかげというのが多分にある。つうか、失点32はけっこう半端ない数字。ザルディフェンスよ、さようなら。しかし、それでも優勝できなかった。その原因の一旦は、確実にエジノにある。「特徴がよくわからない」「あーあーあー・・・」「シュートが下手」「ボールが滞る」などBS1での試合中継でことあるごとに早野さんに罵られ続けたこともある。確かにガタイの割にヘッドが弱いし、シュートも威力はあるが大概宇宙開発、致命的なのは判断力で、南野や柿谷の思考スピードに全くついていけてない。いまいち彼を頑迷に使い続けた判断もよくわからないのだが、何がよかったのだろうか。あれかな、アメリカンジョークがすっごい切れ味とかなのかな。「先日、うちのワイフがさあ・・・」。ともあれ、まあ代わりが枝村や杉本というのもそれはそれで使いづらかったのも確かではあるのだが、もうちょいなんとかならんかったか。さて、クルピさんは今年で終わり。来年はなんとFC東京のポポヴィッチが就任予定とのこと。やったーたのしみだなーわーい(棒読み)。どうせFC東京の無間ワンツー地獄をやると思われるので、ビタイチ興味がなくなっている。セレッソサポの方々、耐えてください。


・気になったひと 柿谷曜一朗

今年は一気に時の人となった。東アジア選手権を経て、代表に定着。最初は苦労したのだが、この前の欧州遠征でついに爆発。大迫も爆発したのでレギュラー確定とまではいかないが、代表エースと呼ばれる資格は十分にあるだろう。能力的には異才という言葉がふさわしいだろう。技術も確かだし、スピードもあるのだが、トラップもビジョンもプレー選択も他の選手とはまるで違う気がする。そして、その一旦ドロップアウトしかけた過去とちょっとヤンチャなそのビジュアルが大阪娘のハートをゲット。セレッソのゴール裏は女子たちで埋まり、黄色い声援が飛び交う事態となった。まじ、こんなことあるんだな。ただ、「セレ女」って呼び方は、どうしてもトニーニョ・セレーゾがおさげになった絵しか浮かばないので、やめて欲しい。とりあえず冬は残るのかな。ブラジルW杯で活躍するにせよしないにせよ、日本にいるのはどちらにしても来年夏まで。セレ女たちは今のうちに抱かれときましょう!!




■広島 優勝!

・加入
岡本知剛(鳥栖)
野津田岳人(サンフレッチェ広島ユース)
キム・ジョンソク(春川機械工業高)
浅野拓磨(四日市中央工業高校)
パク・ヒョンジン(高麗大学)

・放出
大崎淳矢(徳島)
辻尾真二(清水)
横竹翔(鳥取)
西岡大輝(栃木)
平繁龍一(群馬)
森脇良太(浦和)
☆鮫島晃太(鳥取)
☆石川大徳(仙台)


最後の最後で差し切って、見事に連覇。おめでたう。ぱちぱちぱち。正直、今年の流れとしては大宮旋風→浦和、横浜FMの台頭→いつの間にか鹿島とC大阪が!っていう感じだったので、なんか主役感がないままするっと優勝してしまったかんじ。それでも安定感は特筆すべきものがあった。特に失点は29点でJ1最小。守備の弱いチームが勝つことは難しいと前任者であるペ○○トロビッチ氏に強烈アッピール。得点は51点でさほど多いわけではないのだが、それでも得失点差では首位であり、優勝して当然とも言える。今年は去年よりもさらに「硬く」なった印象。一人連覇を狙った某お調子者が抜けた場所に塩谷がすっぽりと納まって守備は堅くなった。また森崎βがほぼ出れなかったことで石原が常時出場するたことで、余計に直線的な攻めが増えた印象。まあそこは高萩が一人ファンタジーでバランスを取っていたのだが、総合的に見れば「遊び」の部分は減っていた。それは去年から人が変わってないぶん、余計にだろう。野津田はインパクトは残したがプレー時間は300分にも満たず、左サイドの清水もレギュラーとなるには至らず。こうなってしまうとチームとしては中々モチベーションを維持するのに難しくなってしまうのだが、森保監督はうまくチームをコントロールできたと言えるだろう。ヤンツーに「クソサッカー乙」と言われても、全く動じずにやり方を貫き通したのは素晴らしい。最優秀監督も当然である。さて、浦和ユース広島支部としては来年もさいたま方面に選手を抜かれるということで、今のところは西川がそのターゲットとなっている。しかし、広島から浦和にいった選手がことごとく幸せになってない現状を考えると、いくら給料が高くなるとは言え、もう少し考えたほうがいいのではないか。というか、もう海外行っちゃいなよ、実質的に国内ナンバーワンなんだからさ。ワールドカップまで待つって手もあると思うし。他には誰かめぼしい選手はいるだろうかと考えたが、もう引き抜く対象もそんなにいない感じである。高萩とかは移籍するのかなあ、行くなら海外だと思うけど。それがなければ、来年もほぼ現有勢力を維持できるだろう。金がないから新しい選手はあんまり買えないし。難しいのはモチベーションコントロールと怪しくなってきた左サイドの世代交代、それとチームの支柱である森崎αの体調管理である。なんで優秀選手にさえ選ばれていないの。槙野でさえ選ばれてるのに。


・気になったひと 高萩洋次郎

2年連続優勝チームの10番を背負う中村獅童。広島の攻撃に変化をつける存在。なんというかプレースタイルが非常に軽く、全くわけのわからないボールロストをしたりすることもあれば、とんでもないタイミングでとんでもないパスをしたりして、見てて面白い選手である。全員生真面目だった東アジア選手権でも頑張ってはいたが、周りの初顔合わせの選手と全くタイミングが合ってなくて笑った。よくも悪くも非常に独特な選手。別にふざけているわけではない、そういう選手なのである。本来はボランチのほうが生きそうな気もするのだが、深い位置であんなプレーされたら心臓に悪いので、気のせいだということにしておこう。おそらく本田@何言ってるかわからない のバックアッパーとしては相性最悪なのでブラジルW杯に呼ばれることはない。しかし、バイプレーヤーとして輝くタイプでもないので、その後も呼ばれるかというと微妙。箱庭で輝く花もあるので、末永く広島でやっていただきたいものである。




■鳥栖 12位

・加入
ジョナサン(ミジョナリオス)
ディエゴ(オンセ カルダス)
ロニ(サンパウロFC)
金正也(G大阪)
水沼宏太(横浜FM)
末吉隼也(福岡)
金井貢史(横浜FM/期限付き移籍)
高橋義希(仙台)
岸田翔平(福岡大学)
平秀斗(佐賀東高校)
清武功暉(福岡大学)
坂井達弥(鹿屋体育大学)
☆ニルソン(メトロポリターノ)
☆菊池直哉(新潟)
☆播戸竜二(C大阪)
☆林彰洋(清水)

・放出
守田創(グルージャ盛岡)
黒木晃平(熊本)
トジン(SCコリンチャンス・AL)
金根煥(横浜FM)
黒木恭平(愛媛)
國吉貴博(富山/完全移籍)
岡本知剛(広島)
犬塚友輔(未確定)
☆木谷公亮(岐阜)
☆船谷圭祐(水戸)
☆ロニ(クビ)


去年は大躍進の鳥栖だったが、今年は大逆噴射。序盤から大量失点を繰り返し、躍進からの急降下まったなしかと思ったのだが、終盤の韓国流パイルドライバーによるネジの巻き直しで12位でフィニッシュ。まあ妥当な順位に落ち着いた。序盤は昨年やろうとしたことがあまりうまくはまっていなかった。降格時の神戸のように「これからはパスサッカーだ!」と大幅に舵を切ったわけでもないが、ともかく嵌らない。一つは相手が鳥栖のやり方に慣れてきたこともあるだろう。豊田大作戦は確かにシンプルで強力だが、それもやりすぎれば相手も対策を考える。もう1つはマンネリ。緊張感を持って戦っていた昨年にはありえなかったようなミスが頻発した。別にサボってるわけじゃないのに、と誰もが思うのだが、団体競技のチームは一秒ごとに腐っていく。一つのプレーが徐々にナアナアになっていき、気付くとそれが全体に伝染してしまっている。監督がうまくいっているのにチームを少しずつ変えようとするのはそういうわけで、生鮮食品並の注意深さが必要なのである。ユン・ジョンファン監督もそこらへんはわかっていて、開幕前にブラジル人を入れてみたりして融合をはかろうとしたのだがうまくいかず。結果的にチームは停滞した。それを救ったのは、キーパーの怪我で加入した林672号と新潟から借りた菊池直哉である。林は代表クラスのゴールセービングで失点を防ぎ、菊池もそのラインコントロールだけでなくパス出しにおいて鳥栖のサッカーに変化を与えた。そして、腹を括った選手たちのハードワークによって、終盤は怒涛の快進撃。結果的には残留ラインは遠のいていき、余裕のフィニッシュとなった。この財政規模での2年連続の残留はかなりのいい仕事。フロントも監督もよくやりました。さて、来年はどうなるかというと、よくわからない。豊田は今年は残ることが決定なのかな?彼が残ればかなり心強い。ただ、20点をとったものの、そのあとに続くのが6点の池田というのは、ちょっと豊田に頼りすぎの感は否めない。もう1つ得点源がほしいところだ。また、守備に関しても、基本的に今年は崩壊しっぱなしである。いくらなんでも63失点は多すぎで、これは降格した大分に次ぐ数字。菊池と林892号が来てからは多少は改善したが、彼らが来季も残るかどうかわからない。何か手当てが必要だろう。ただ、お金的にやれることは限られているので、正直言えばいつ落ちてもおかしくはない。それでも他にやりようもないので、サポーターも腹を括るしかないだろう。押忍!押忍!!


・気になったひと 豊田陽平

今年も戦い続ける筋肉マシーン。代表にも選ばれ、欧州遠征には行けなかったが、その体格と献身的なプレースタイルはザックもお気に入りのもようである。人柱要員として本大会に行けるかもしれない。今年も体をぶつけまくった一年だった。マウスピースがトレードマークなので、口を開けると正直怖いのだが、そんなことを気にするような輩は鳥栖には向いてないぜ!!彼の裏を狙えるシャドーストライカーが欲しいところなのだが、鳥栖のお金では優秀な選手を買えるはずもなく。来季も残るとしたら鳥栖の全運命が彼にのしかかってきそうである。まあ、それから逃れるために移籍したとしても、誰もきみを責めんよ。でも残るんだろうなあ、漢だから。しかし、この子、うまさとか緩さとかとは全く無縁の選手なので、将来的にどうなるんだろうなあという気はする。小手先のテクニックで選手生命を延ばすタイプでないのも、男前度をあげている。正直、川又と2トップを組んだら男臭すぎて、女子高生とかは見ただけで妊娠しそう。




■大分 18位

・加入
土岐田洸平(大宮)
小松塁(川崎F)
高木和道(神戸)
松本怜(横浜FM)
深谷友基(大宮)
児玉新(C大阪)
辻尾真二(清水)
木村祐志(北九州)
後藤優介(HOYO ELAN大分)
金永基(湘南)
松本昌也(JFAアカデミー福島)
☆上福元直人(町田)
☆梶山陽平(FC東京)

・放出
井上裕大(長崎)
キム・チャンフン (C大阪)
夛田凌輔(C大阪)
野口直人(C大阪)
イ・ドンミョン(大邱FC)
三平和司(湘南)
小手川宏基(北九州)
作田裕次(山形)
石神直哉(湘南)
藤川祐司 (未確定)
☆金永基(福岡)
☆小松塁(長崎)


プレーオフを駆け上がって辿り着いたJ1の舞台は地獄でした。財政問題により満足な補強もできず臨んだ今シーズン、けちょんけちょんにやられてしまいました。そもそも宮沢ワンボランチでどうなる世界ではなかった。序盤から大量失点を繰り返し、鳥栖のようにそれを跳ね返す攻撃力があるわけでもないので、当然負け続ける。トップスコアラーが森島の7点ではかなり厳しい。また、虎の子のお金で招聘した卑猥ネームの持ち主であるロドリゴ・マンシャはそれほど悪い選手でもなかったが、一人で何かをできるはずもなく埋没。田坂監督は選手を入れ替えてなんとか対抗しようとはしていたが、焼け石に水感はいなめなかった。結局ホーム未勝利のまま降格。あらゆる点でJ1基準に達していなかったという結果だけが残った。まあ、元々どこぞの千葉が間抜けでなければこんなことは起こらなかったはずなのだが、それにしてもサポーターにとっては苦しいシーズンだっただろう。俺だったら途中から手が震えだして、「シャムスカ・・・シャムスカ・・・」とうわ言を言い続けると思う。そんな今シーズンの光明はほとんどなかった。唯一躍動したプレーで希望を抱かせた強化指定のFW松田力だったが、名古屋に内定してしまった。ぐぬぬ。来シーズンは全くのリスタートだが、財政状況はいまだに厳しく、動ける状態にない。それでも残ってくれた田坂監督には感謝してもし足りないと思うのだが、一部ファンの間では失望が広がっているという。だが、考えてみて欲しい、今年の戦力だったら正直モウリーニョでも残留怪しかったぞ。それでも納得できない方には「またファン・ボカンがくるよ」と耳元で囁いてあげるのもまた一興。来年もJ2で決して上位にいけるほどの戦力があるわけでもない。ただ、今は捲土重来。しぶとく生き残っていれば、いずれいい目を見るときもくるさ。なんたってナビスコをとってるんだからね。来年もまたよろしくー。


・気になったひと 森島康仁

プレーオフで獅子奮迅の活躍を見せたブサモリシもJ1ではただの人。常時出場もできず、前線の核となることはできなかった。万能タイプがゆえに、一度壁にぶち当たると何もかも通用しないという下部リーグのエースにありがちな状態となってしまった。怪我もあったのかな?ただ、高松が今全身を丸焼けに焦がしながら戦っているが、その後はこの選手が継ぐしかないと思っている。キャリアのことを考えたら、オファーがある神戸に移籍することが一番と考えるかもしれない。だが、よく考えて欲しい。ライバルはペドロ・ジュニオール、マルキーニョス、田代だ。どう考えてもナビスコカップ要員だろう。それよりは大分の生ける伝説となるほうが、彼のためになるような気もする。昔よりずっとプレーに重みがでてきたし、けっこう好きなんだよね森島のプレー。千葉戦以外でよろしく!



あー、これで安心して年を越せるー。
それではまた来年も楽しみにしてまっせ、J1!!