日本代表マンネリ論~統計的観点から~ | picture of player

日本代表マンネリ論~統計的観点から~

どうもみなさんこんばんは、お元気でしょうか?

私は代表の試合もなく、ジェフがとんちきプレーをして負けるのを指をくわえて眺めています。悲しいです。

さて、急な話ですまんとは全然思っていないが、代表の話をしたいと思う。ほんとにすまんとは全然思ってなくてすまん。聞け。

よく代表の試合が続くと、某匿名掲示板や某ツイッター某意識の高い代表サポーターなんかからは「またこのメンバーか」「新戦力試せ」「俺の齋藤学」「俺の原口元気」「俺の中村直志」「俺とお前と西大伍」などの声が上がる。特に直近のザッケローニは試合内容の停滞もあり、色々なことを言われている。

ややもすれば「マンネリ」「定食」などと揶揄される日本代表だが、ほんとにそうなのか?ということを調べてみた。代表のデータを見ることで、ザッケローニがマンネリなのか、それとも他の代表監督もそうなのか、というのが見えてくるはずである。

今回のデータはジーコ、岡田、オシム、ザッケローニの4人の代表監督から取った。ほんとはトルシエもとりたかったのだが、JFAの公式からは消えているし、うまくとることができなかったので、割愛。なんで消したJFA。

割と膨大なデータなので、ここにまとめてアップしときます 。ほしい人がいたら、持っててください。データ見ながらこの記事を読むと、けっこうはかどるかもよ☆ データの見方は○がスタメン出場、△が途中出場、×がベンチ入りで、無印は招集外・ベンチ外となっておりまする。

で、とりあえず各監督の面白データについては次回で延べるとして、とりあえず総論としてまとめたデータをどばーん!



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各代表監督の総招集人数をまとめた。
ここでの招集とは試合に出るかベンチに入ったものを招集と数えた。ベンチ外だったら招集されてないことになってる。合宿だけ呼ばれた、とか試合に呼ばれたけどベンチ外とかはカウントしていない。ていうか、そんなデータが見当たらない。JFAめ!!

1.試合数の激減

まず、試合数を見ていきたい。ジーコは4年間で72試合、岡田・オシムは合わせて70試合、そして、ザッケローニは現時点で47試合となっている。ザッケローニに残されているのは、今度の欧州遠征と来年の親善試合、そしてW杯本選のみである。おそらく、55試合には届かないはずだ。

つまり、試合数の激減が起こっている。内容を見ていくと、国内組だけの親善試合がかなり減っているようだ。なので、ジーコ時代によくあった国内組だけの試合で大活躍!→海外組戻ってきたのでおまえ交代ね、という理不尽ターンオーバーが起こりえない状況となっている。

そして、この試合数の減少は、国内リーグの日程が破綻しかけている状況の中、これからも続くことだろう。

また、統計にはとっていないが、ジーコ時代やトルシエ時代によくあった「試合しないけど合宿」はザッケローニにはほとんどない。これも今後の代表を見ていく上で、見逃せない現象である。


2.招集人数

次に招集人数だが、ジーコが66人、オシムが53人、岡田が79人、ザッケローニが80人という数である。一番オシムが少ない数となっているが、これは在任期間がわずか1年半だったためである。

そして、その総招集人数を試合数で割ったのが隣の列である。ジーコは0.92、オシムは2.65、岡田が1.58、ザッケローニが1.70となっており、当然のことながらこの数が多ければ多いほど、新戦力に対して門戸を開いている、ということができるだろう。ジーコが極めて低い値であり、あの漂っていたマンネリ感も納得というところである。そして、ザッケローニもマンネリだといわれているが、歴代の監督に比べればかなり高いほうである。

オシムはちょっと異常な値だが、その理由はまた後述する。


3.生き残り人数

さて、その隣のデータだが、これは調べてみて面白かった。最初の半年に招集した人間の中で、何人がワールドカップまで生き残っているか?というデータである。当然、ジーコと岡田しかデータはない。

びっくりしたのだが、ジーコはトータル15人、岡田はなんと20人が生き残っている。そして、( )内はW杯初戦でのスタメン数でありジーコは9人、そして岡田は最初の半年に呼んだ選手の中からスタメンを全員まかなっている。

たった2つの例しかないが、これは代表監督の一般的傾向と呼べるかもしれない。その理由は次の4で述べる。


4.招集人数は減っていく
トータルの人数は出したわけだが、それがどういう時系列で招集されてきたかを表すのが次の表である。


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この表は半年ごとに新顔をどれだけ呼んだかを現したものである。ここでいう新規招集というのは、その代表監督の下での新規であり、初代表ということではない。

当然のことながら、最初の半年は大量に招集され、段々とその数は減っていっている。なぜなら、選手の数は有限であり、有能な選手はもっと限られているからだ。

オシムはその大量招集期のうちに退任したため、招集人数/試合数が異常な値となっている、ともいえる。ただ、それでも十分に新顔は試しているのだが。

この傾向は、↓のようにグラフにすると、一目瞭然である。特にすごいのは、ジーコの2年半目のときであり、このときの半年間で、彼は1人も新顔を呼んでない。コインブラ、コインブラ。

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5.マンネリの理由

以上、簡単にデータを見てきた。ここからは「マンネリ」と呼ばれる理由について考察したい。

2.で述べたように、どの監督もけっこうな人数をとっかえひっかえ呼んでいる。ジーコは少ないし、ザッケローニは多いほうだが、ともかくいろいろな可能性を試してみているということは言えるだろう。

呼んでも使わないじゃないか、という批判もあるかもしれない。最初の表の右端の2列を見てもらいたい。これは2試合連続でまったく同じスタメンで戦った場合をカウントしている。「連続同スタメン」は同じスタメンだった2試合がいくつあるか、「最長連続」は同じスタメンで何試合連続で戦ったか、ということを示している。(*目視確認なので、間違えている可能性あり)

これを見ると、あのジーコでも7試合しかない。そして、そのほとんどはあの2004年アジアカップの地獄の連戦がらみである。そして、「定食」と揶揄されることも多かった岡田だが、彼は同スタメンで戦ったのは、ワールドカップ本選のみである。スタメンを変えることが多かったオシムもアジアカップがらみ、ザッケローニは問題にならないくらい少ない。

つまり、スタメンも変わっていってるのである。ただ、それでも俺たちは「マンネリ」を感じてしまう。熟年夫婦のように。

その理由は、やはりチーム作りの方法になるだろう。3で見たとおり、ワールドカップ本選で戦う選手たちは最初の半年でほとんど選ばれてしまう。そして、4で見たとおり、最も選手が呼ばれるのは最初の1年なのだ。

それから先の試合は、W杯に向けて、チームとしての向上であったり、微細な部分のチューニングであったり、組み合わせであったりする。それは傍から見ていると新鮮味がないし、わかりにくい作業であったりもする。戦術の微細な部分の変化を読み取れる識者は数えるほどだし、毎度毎度相手チームのハゲを探してやっきになる俺のような人間も稀だ。自然、ライトなファンは退屈してくる。特に試合内容が停滞している場合にはなおさらだ。だからこう言いたくなる。「マンネリ」と。

だが、考えてみて欲しい。結局呼ぶべき選手など限られているのだ。そして、監督に与えられた時間も限られている。1で見たとおり、試合数の減少は続いていくだろう。そうなると、なおさら監督は自分の戦術を叩き込むだけで精一杯の状況となってしまう。

「なんか、さいきん、マンネリだね」
「そう思ってこんなものを用意したんだ(武器としか形容できない器具をかざしながら)」
「きゃあああああ!!めちゃくちゃにして!!!」


なんの、とは言わないが、マンネリを打破する上記のようなウルトラCは代表においてはありえないのである。ただそこには限られた選手と監督の間におけるコミュニケーションが横たわり続けるのだ。


・結論
代表チームは必然的に「マンネリ」する




ただし、これだけで終わってはあれなので、マンネリをマンネリと感じないようないくつかの方法をご紹介。

・選手に詳しくなる!

Jあるいは海外の試合を見て、その選手が普段どんなプレーをしているのかをチェキ!使われた場合には代表とクラブでのプレーの違いを見て、使われない場合には監督を口汚く罵ることで、マンネリ感をいくらかでも解消できる。海外の場合には、チームメイトが他の国の代表だったりして、思わぬところで出会いがあるかも!

・戦術に詳しくなる!
毎回似たような面子で似たようなサッカーをやるわけだが、戦術を覚えると風景が一変!相手とのかみ合わせ、選手の組み合わせ、その日のプレーエリアの違いなどによって無限の楽しみを覚えることができる。ただ、戦術マイスターになるためには片眉をそり落として山にこもるほどの気迫が必要。とりあえず、戦術系で有名なところを見ることから始めたほうがいいんじゃないかな。片眉剃り落として見ると、効果大!

・面白いところをひたすら探す
これは俺が実践しているメソッドなのだが、どんなブスにもいいところはあるどんな試合でも面白いところはある。それはサッカー以外でも構わない。俺のようにひたすら試合中ハゲに注目したり、線審の動きを取り入れてみたり、解説の一言一言に突っ込みを入れたり、あるいは観客席のウェーブにあわせて擬似ウェーブをしてみたりと無限の楽しみ方が!!ただ、難点は一人暮らしか一人部屋じゃないと、きち○がいと思われてしまうところである。家族不推奨。


と、まあ適当な解決策だが、根本的な療法は、結論が結論であるため、ない。
とにかく、代表を愛せ、サッカーを愛せ。以上!解散!



あ、個別の代表にちょこちょこ突っ込みを入れるのは、次回!!!
けっこう意外な選手が呼ばれたりして面白いので、書いたら読んでねー。