■Jリーグ■監督在任年数研究 ~私は1年で4人の監督と寝たチーム~ | picture of player

■Jリーグ■監督在任年数研究 ~私は1年で4人の監督と寝たチーム~

「ロクな成績を残せないお前なんて、く、く、クビツァ!!!」と浦和ファンなら卒倒しそうなオープニングで始まりましたが、今回は監督の話。

と言っても、監督の手腕の話とかをし始めると、「大事な男」、「あの監督は男気がある」、「受付嬢と昵懇の仲だ」、「駄洒落が飛びぬけてうまい」、「たとえるとビッグダディ」という曖昧な話にしかならず、水掛け論になりがち。そんな小難しい話をこの大雑把なブログを経営する俺ができるはずもない。早々に2chに晒されて「勘違い乙」と炎上するのが関の山である。

しかし、それでも俺も監督の話をしたい。じゃあ、データに頼ろう! あなたのそういう安易なところが好き! というわけで、Jの監督在任期間を調べてみることにしました。一般的に監督をぽんぽん代えまくるのはサッカー界において悪いことと思われているが、はたしてそれは正しいのだろうか。パレルモの首切りザンパリーニみたいに、もう男をとっかえひっかえの奔放な生活を送ったら、リアル松子路線一直線になるのだろうか。それを知りたいのだ。

チームごとの特徴、時代ごとの特徴などが出せたらうれしいのである。では、早速表を作ったので、見るのDA!


picture of player-在任平均


相変わらず表が見づらくて、すまぬ。さて、チームはJ1に在籍したことのあるチームに限った。そのチームの旧JFL、J2、J1での監督在任年数をそれぞれ出して、平均値をとっている。また、2000年までとそれ以後で分けているのは、時代ごとの傾向が出るかと思い、そうしてみた(またぐ場合には、両方の時代でカウントし、トータルではきっちりと合わせている)。さらに、神戸については、なぜかHPで成績も監督も確認できず、Wikiでも未記載。一体何を隠蔽しようとしているのか。あれか、オセロでもかくまっているのか。というわけで、調べるのもタイヘンそうなので、わかってる分だけです。

まずは全体の話。1人あたり約1.5年という数字が出た。これが高いかどうかは微妙なところだが、時代によって変遷がある。2000年以前は1.31年、それ以後は1.62年ということで、明らかに違いがある。これは素直にJの成熟、サッカーの浸透ということを示しているだろう。「そんなころころ監督代えても成績上がりませんがな」という意識が上層部に芽生えてきたことを示す。また、プロを現役で経験している世代がGMなどになり始めたことも大きいだろう。ま、一部のチームはわからんみたいだけど。

さて、肝心の強さであるが、これはどうなのかというと、微妙なところである。たとえば、ダンディズム西野が君臨していたG大阪、セレーゾ・オリヴェイラの鹿島は、両チームとも2000年以後は3.67年とかなり長い。そして、成績もよかった。じゃあ、在任期間=強くなるのかというと微妙。G大阪に匹敵するくらいの在任年数を誇る新潟、山形というチームはお世辞にも常勝チームとは言えない。

では、逆に短い場合はどうだろうか。ワースト3は東京V、千葉、横浜FCというかなりアレなチームがそろっていて、すべてがいまだにJ2の泥沼に沈んでいる。特に東京Vはすごくて、もう蓮っ葉もいいところで、あばずれ美代子ちゃんである。監督もすごい。あー、いたよねー、ロリとかバドンとかクゼとかリティとかラモスとかラモスとか松木とか松木とか。他にも低いチームでは、京都、札幌、湘南、大分、福岡など苦しんでいるチームが多い。一般的にいって、やっぱりとっかえひっかえはだめなようだ。ただし、こちらも例外は多い。磐田、浦和、横浜FM、C大阪などは上位に進出することも多いし、仙台、柏は去年大躍進をした。仙台の監督はJ1で2年目、柏はJ2をあわせても2年とちょっとである。

うーむ、それでは「在任年数が長ければ長いほど強いんだよ!」というサッカー界の不文律は単なる思い込みだったんだろうか。「女は大体押して押して押しまくれば落ちる」というのは俺の勘違いだったんだろうか。

次は具体的に長期政権の事例を見てみよう。



picture of player-長期政権



この表は、「J1で3年以上フルシーズンで指揮をとった監督」の一覧である。なんと20年で19人しかいない。割とそうそうたる面子がそろっている一方で、「え?」という監督もおり、具体的には広島のトムソンとか忘れてたわ、完全に。さて、名前の横はそれぞれの年の順位となっている。

長期政権は3つのタイプに分けてみた。まず、桃色が「初年度ピーク型」。就任当初から好成績を挙げるも、それを上回る成績を出すことが出来ず、ゆっくりと下がっていく形である。鹿島のトニーニョ・セレーゾはこの傾向が顕著である。初年度の好成績によって、その後の凋落もある程度目をつぶってもらえるという点があるのだろう。

次に、水色の安定型。ほぼ毎年同じ成績を上げていて、チームを上向かせも下向かせもせずにひたすら維持していくタイプである。その中でもブッフバルトやオシム、ピクシーのように驚異的な数字を残す者もいるが、小林監督のように残留争いをひたすら戦い続けた監督もいる。また、トムソンのように「なんで続けてるんだかよくわからん」というひたすらに地味な成績を残す人もいる。その中でも際立つのはG大阪時代の西野監督だろう。8年のうち優勝争いをしなかったのが2年だけというすさまじい成績である。どうしてG大阪はこの監督を(以下略)

最後は、緑色の「建て直し型」である。ハンス・オフト、アルディレス、柳下監督のように徐々に立て直していく堅実家タイプがいて、なんでこのタイミングでやめるの?という感じである。まあ、なんか色々事情があるのだろうけど。他には、鈴木監督やシャムスカのように立て直してんだかぶっ壊してんだかよくわからんのもいる。その中で際立つのは、長谷川監督。初年度をぎりぎりで降格回避すると、そこからはジャンプアップし、あっという間に安定政権へと移行した。

これらのことを総合すると、出オチの数人をのぞいて言えるのは、やはり順位が安定もしくは上昇しているチームが多いということである。それと出オチ組も二桁順位が一人もおらず、文句を言ってはバチが当たるレベル。やはり長期政権には理由がある。ただ、それは成績がいいから長期政権なのか、長期政権だから成績が安定するのかと言うのは「卵が先か」という話なので、非常に微妙である。


今回わかったのは以下の3点。

1.長期政権チームの成績は安定もしくは上昇している
2.Jリーグ全体の監督在任年数は伸びる傾向にある
3.あんまり監督をとっかえひっかえしてるとJ2ちゃんに連れてかれちゃうかもよ!


あまり歯切れのいい結果が出なくて、歯噛みしている。ま、能力差があるので中々一律で結果を出せるもんでもないね。在任年数が素直に成績が反映しているかどうかを確かめる方法が一つだけある。完全に無能な監督を長期間据えて成績が上がるかどうかを調べればよい。つまり、「松木安太郎に10年以上監督をやらせる」という実験であり、誰かこれを是非やりたいというチームを大募集!!当ブログは応援します!!