J1外国人依存症~目を閉じてもあなたが見える~2008 | picture of player

J1外国人依存症~目を閉じてもあなたが見える~2008

あけましておめでとうございます。
今年もちょびちょび更新ではありますが、どうぞよろしく。

さて、天皇杯も終わり、Jリーグは2008年度の全ての日程が終わった。
今年も色々あったねー、というわけで、当ブログでは恒例の外国人得点依存率について今年はどうだったのか、というのを調べてみた。毎年正月に俺は何をやってるんだろう。
去年の調査では外国人依存率が高いチームが上位に来る、という結論だったが、今年はいかに。

では、早速今年のデータをご開陳。どどーん。


picture of player-依存率2008


やはり上位陣で優勝争いに絡んだチームは軒並み高い数字を出していることがわかる。優勝した鹿島は44.64%、川崎が49.23%、名古屋は41.67%、大分は36.36%と、J1全体の平均である33.21%を上回っている。清水はちょっと例外的ではあるが、アウレリオがあまりにもポンコツだったためにやむを得ない。やはり、優勝争いに絡むには外国人選手の活躍が不可欠であるということが言える。そして、中位。相変わらずごちゃごちゃである。、相変わらず依存率の低い横浜が全体の依存率を低く抑えているが、それでもG大阪、大宮などの高い依存率が目を引く。途中でスティーブン・セガールが離脱した大宮が高依存率なのが謎なのだが、そもそも得点が下から2位タイである。あと、横浜の外国人獲得の基準を知りたい。うなじの綺麗さとかその辺だろうか。

さて、ここまでは去年と一緒である。しかし、今年は下位以下が違う。まず、札幌、東京Vなどの極めて高い依存率を示したチームが降格してしまっている。また、去年同様に高い依存率を見せた新潟が下位に沈んでしまっていること。去年の下位で高度な依存率を示したのは広島だけだったが、今年は6チーム中3チームが高依存状態でありながらも、下位に沈んでしまった。


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picture of player-順位別


それは平均の値からも明らかである。上が2008年、下が2007年のものである。微妙に図の形式が違うのは無視しようぜ!また、上位の数値が若干下がり、中位、下位が数字を上げていることも見逃せない。そのため、このようなV字的な数値となっている。去年は明確な格差を見せていたこの平均だが、今年は上位から中位で一旦数値が下がり、また下位で上位を凌ぐ依存率を見せている。


・J1の傾向が変わったのか?

では、上述の結果を受けて、「外国人アタッカーは必要ない。」と結論するべきなのだろうか?それは少し待った方がいい。

まず、一度見たとおり、上位陣のほとんどは依存率が高い。ほぼ唯一の例外が清水だが、これは当初戦力として計算していたフェルナンジーニョが移籍、マルコス・アウレリオがフィットせずということで、意図したチーム編成ではなかった。この現象を通称健太ループと呼ぶが、これは清水は毎年のこと。長谷川監督の手腕と原、岡崎、枝村などの成長などでカバーした。ただ、これは例外的な状況と考えていいだろう。この清水を除いた場合の上位陣の依存率は40.48%である。これは去年の平均よりは低いが、十分な高依存率といえるだろう。

逆に悪かったチームがなぜ降格したか。新潟は判断が難しい。ただ、怪我人の多さとバックアップの薄さが今年はモロに出てきた印象である。次に、東京Vは得点源だったフッキが抜けたのが大きい。これは単純に得点の面だけではなく、チーム構成の問題でもある。最初はフッキ抜きでチームを作り、フッキ加入とともにまたそれを再構築し、さらにフッキ離脱後にはまたリビルドを余儀なくされている。このような迷走したチーム作りでは下位に沈むのもやむを得ない。札幌はダヴィ、クライトン、アンデルソンの3人で22点をたたき出しているが、DF陣が失点70というすさまじい値をたたき出しているので、いくらなんでもカバーは難しい。また、去年も広島が高依存率を示したということを忘れてはいけないだろう。外国人の高依存率は上位への足がかりではあっても、降格回避の切り札とは言えないのだ。

こう見てくると、今年はいくつかの例外はあり、去年のようなビビッドな結果が出ていないが、全体的な傾向としては従来どおりと言うことができるだろう。つまり「外国人アタッカーが活躍することが上位に進出するための近道」ということである。ただし、今年以降は但し書きが必要だろう。「日本人がきっちりしてないと、外国人が凄くても降格する。」つまり、来年以降も優良外国人は一生懸命探すべきである、ということだ。

また、J1全体としては外国人への依存度は上がっているのだ。今年はジュニーニョの不調(衰え?)、ワシントンの離脱などもあり、外国人選手の質が落ちたか、ということを漠然と思っていた。しかし、全体の得点依存率は、去年が30.68%だったのに比べ、今年は33.21%と数字を上げている。来シーズン以降はアジア枠の導入もあり、その依存率は更に増すだろう。同時に、強化担当も頭を悩ませることになる。今年、シーズンを通して3枠をフルに使いこなせていたのは、川崎、大分、名古屋、神戸、柏くらいである。ここでも、強化担当の手腕が問われるわけだ。

さて、一応の結論も出たところで、もし、うちのブログを見て目の色変えて外国人獲った強化担当(主に札幌方面と味の素方面)がいたら、正直すまん。今度高円寺のガード下で一杯おごるよ。で、でも、去年も「優秀な外国人獲ったら残留できる。」なんて言ってないんだからね!


おまけ

J2の表です。数字だけ見ると、J1とは真逆になってて面白い。誰か気が向いたら分析してちょーだい。


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