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J1外国人依存症~もうあなたなしじゃいられないの~

さて、前半のJ1も終わったということで、ちょっと感想。


まあ、左団扇で大満足のチームもあれば、絶叫ショック死寸前のチームもいて、さてさて、その差はどこにあったのだろう、と。「監督が悪い」、「選手が悪い」、「アンリがいない」、「ブッフォンなら全部止められたかも」、「社長の髪型が悪い」など様々な視点があるかと思うが、今回は一点のみに絞って考えてみる。それは「外国人がどれくらいチームに貢献していたか否か」という点である。しかも、得点限定。


そんな限定した数字なんて意味あるの~?どんだけ~?と思うかもしれないが、大枚はたいて買ってきた外国人がベンチ外で観客席のアイドルってな状況がどれほどチームに悪い影響を与えているか、ちょっと気になった。


題して「J1外国人依存症~もうあなたなしじゃいられないの~
副題「ワンチョペ補完計画」(ワンチョペの部分には好きな外国人の名前を入れてください)



まず下の表を見て欲しい。現在の順位表に、外国人による得点数と総ゴールに占める割合を算出したものだ(手作業なので、誤差がある可能性大)。あと、どっちの枠だか記憶がおぼろげな人は外国人にしてます(鄭大世とか)。





外国人



傾向としては、上位は外国人のゴール数が多く、依存率が高いことが伺える。特に浦和、G大阪、川崎は約50%であり、特に前半戦のサプライズとも言える新潟は57%の高依存率を示している。鹿島、清水は若干低め。


そして、例外的なのは磐田と横浜FM。10%と0%って馬鹿にしてんのか。というか、そもそも磐田には外国人ストライカーがいないのと、横浜FMは気合の3トップが憤死してマルクス&マルケスがさっぱり使われなくなったので、やむを得ないか。ただ、この2チームを除けば、おおむね攻撃面での外国人は期待通りかそれ以上の結果を残していると言える。


逆に下位を見てみよう。横浜FCはなんと0得点で当然の0%。大分が17%、大宮10%、甲府5%、千葉14%である。散々な状況だ。ただ、チーム編成上しょうがない面もある。たとえば千葉は外国人のストライカーが一人もいない。これでは低い数値になることは免れない。ただし、他のチームは少なくとも一人以上の外国人を攻撃陣に含んでいる。横浜FCはシルヴァ、アドリアーノ、大分がセルジーニョ、アウグスト、大宮がアリソン、サーレス、エニウトン、甲府がアルベルト。名前を挙げてるだけで頭痛がしてきそうだが、彼らが期待通りの活躍をしてくれていない状況が明らかになっている。おそらく、このチーム群の中から少なくとも2チームは降格するだろう。


ただ、期待どおりの外国人=チーム好調大爆発、なのかというとそう簡単ではない。中位の欄を見て欲しい。広島から柏まではそれなりに高い依存率を示している。特に広島はウェズレイという圧倒的な得点源を持ち、その依存率はG大阪に匹敵するほどながらも、降格グループに近い位置取りとなっている。また、前述したとおりに横浜FM、磐田という極端なチームもある。必ずしも、強力な外国人ストライカー=好成績、ではない。他の日本人選手の質もあるため一概に言えることではない。


ただ、こういうことは言えるだろう。「J1では外国人が得点をあげないと、(よくても)それなりの成績しか残せない、そして、もしかしたら降格してしまう。」(*1)。日本人選手の質がいい磐田、横浜FMあたりだとそれなりの位置までいけるが、そこから上はかなり厳しい。また、降格圏内をうろうろしているチームは軒並み前線の外国人が仕事をしていない。つまり、外国人枠を有効に活用することが(特に得点面において)、上位進出の一つの必須条件となっている。


なんだ当たり前のことを。と思うかもしれないが、随分とレベルが上がったように見えるJ1においても、いまだに外国人の得点力はチームの浮沈にかかわっているということは結構自分で調べて小さな驚きだった。そして、もちろん得点という数字に表れない部分も含めれば、外国人=助っ人への依存率が極めて高いということは言わずもがな。他のリーグもこんなもんなのだろうか?なぜそうなるのか?ということは、日本人選手の特性も考えると、結構興味深いテーマだと思うのだが…なかなかそこまでまとめきれんので、今回はここまで。


さて、そういったことを考えると、今後、地獄のJ1残留合戦~ドキっ!怒号と涙だらけの大サッカー大会~が開催されるわけだが、この中断期間中にいい外国人ストライカーを獲得できたところが、まず抜け出すのではないだろうか。また、優勝争いも、外国人選手が安定して力を発揮し続けたチームが最後まで絡んでくるのではないだろうか。


*1
磐田黄金期のほぼ日本人選手だけで完全優勝を果たしたシーズンと、ワシントン得点王の上に降格ヴェルディという状況のような特異例もある。あくまで全体の傾向。