世界クラブ選手権(だっけか?) | picture of player

世界クラブ選手権(だっけか?)

さて、国立あたりでのたのたやってるクラブワールドカップ(正式名称よくわかんね)ですが、決勝を横目に見ながら、この記事を書いてます。
まあ、いろんなところで言われてるように、盛り上がりにかけてる状況で。
客は入らねえわ、視聴率は悪いわ、なんかそこはかとなくうさんくせえわ、でかなりの不評である。
「電通マジック」もただただ胡散臭さを増大させているようで、現状ではお手上げな感も。
なので、その問題点をずらずらと箇条書きにして、改善策を考えてみようと思う。



■問題点■
1.客が集まらない
まあ、そりゃそうだよね、という。20年前ならいざ知らず、今はリアルタイムで海外のトップリーグを観れる環境。わざわざ寒い中出かけていって、5割くらいの力の何の縁もゆかりもない海外チームを見てもしょうがない、なあというのが正直な印象だろう。これは数年前に銀河系な人たちに代表される欧州チームの練習試合が鬼のように開かれていたので、いわゆる「黒船襲来!」的な脅しにはもう誰もだまされなくなっていることも影響しているのかもしれない。行くのって「Jリーグなんかレベル低いから見ないよ」っていうワールドサッカーダイジェスト&ウイイレ層くらいじゃないだろうか。


2.試合の質が悪い
そういう縁もゆかりもない試合でも、レベルが高けりゃ「競技」として楽しめるのだが、いかんせんそのレベルも高くない。オセアニアの枠に入ったオークランドFCはアマチュア集団ということだったが、やってるサッカーは30年ほど前のイングランドサッカーとなんら変わりなく、ボールを持ったら即前に蹴る、とお世辞にも視聴に耐えられるレベルのサッカーではなかった。また実質的に実力が1位と思われるヨーロッパ1位のチームにしても、長旅によってコンディションはあまりよくなく、更には自国のリーグ&CLは好評開催中ということもあり、モチベーションは限りなく低い。このタイトル獲ってもしょーがねえじゃん、的な雰囲気が垣間見える。そのほかのチームは「打倒欧州」ということでモチベーションは高いのだが、南米以外は実力的にかなり厳しい状況で、その南米チームもリベルタ・ドーレス杯で優勝したときの主要メンバーは欧州に根こそぎ刈られているので、それにも限界はある。


3.位置づけの不明確性
「世界一のクラブ決定戦」という大仰な題目が唱えられているのだが、実情を反映していない。(この大会の結果にかかわらず)おそらく世界一のチームは欧州チャンピオンということになるのだろうが、2位は南米ということではなく、おそらく欧州CLの2位チームであり、次はベスト4で負けた2チームということになるだろう。欧州CLという銀河系がいくつもあって、その中からチャンピオンを決めるというのならわかるのだが、ヨーロッパのような巨大宇宙ばかりではなく、オセアニアのような小宇宙に過ぎない場所もあるわけで、それらを等質的に扱うのはどう考えても無理がある。対抗馬と目されている南米だって、今ではヨーロッパの草刈場であることは周知の事実だ。


4.時期がおかしい
ヨーロッパのCLが終わってからすでに7ヶ月、南米のリベルタ・ドーレス杯からもすでに3ヶ月以上経っている。そして、それぞれの各国リーグは終わってたり、まだやってたり、とばらばら。こんな時期に日本というどこからも遠い地でやるのがおかしい。


5.なんか雰囲気が気持ち悪い
すぐ考えただけでも以上の4つの問題点があるのに、それを押し隠すように無理やり盛り上げようとしているのがひしひしと伝わってきて非常に胡散臭い。ゲストを呼ぶ、金をかける、アナウンサーが絶叫する…いわゆる電通メソッドで押し切ろうとするのだが、それでも覆い隠すことの出来ない負の部分がちらちらと垣間見える。TBSの世界バレーに近い印象で、煽れば煽るほど胡散臭さが増してくるというデフレスパイラルの困った状況。



■改善方法■
以上の問題点(他にもたくさんあると思うが)を踏まえて、ちょっといろいろ考えてみようと思う。
まず1.は試合内容など他の問題点がよくなれば、後からついてくる。
なので、重要なのはそれ以降の項目だろう。


・日本でやらない
日本でやることの意義は「インフラがしっかりしている」「ある程度関係ないチームの試合でも見に来てくれる」というのと「金払いがいい」というのがあると思うのだが、これだけ客が入らないとあんまり意味がない。大陸で持ち回りにしたらいいだろう。ホームチームの試合なら客が入ると思うし、今の第三者的な「応援」とはまた違った熱いサポートが見られる。


・時期を変える
全大陸のスケジュールをあわせるのは大変だと思うが、ヨーロッパのシーズン真っ最中というのはいかにもまずい。優勝したときと豪快にメンバーも変わってるし。なので、ここは欧州中心主義と罵られようが、CLが終わった直後に開催し、それに他の大陸のスケジュールをあわせるというのが一番いいのではないだろうか。


・賞金アップ
優勝チームの賞金は約8億 らしいが、まだ安い。ナビスコカップでさえ1億もらえるのに。具体的にいくらということは言えないが、桁がまったく違う金を用意することができればいいんじゃないだろうか。たとえば、その金を手に入れることで欧州最高額に近い選手を買えるくらいの。それだけの金を用意できれば欧州チームにとってもモチベーションになるだろう。


・名誉を得られる仕組み
ワールドカップはまったく金にならないのに、世界中で熱狂して迎えられる。なぜなら、それに勝てば「名誉」が手に入るから。「これを手に入れたい」と思えるような金とは別種のモチベーションを生む原動力となる。名誉となるためには、それ相応の時間が必要。ただ、今の仕組みの元では、すぐにそれを獲得するのは難しい。根本的にシステムに問題を抱えている大会はすぐには受け入れられない。まだ「これに勝てば世界一」と思われるような大会ではない。しかし、時間を積み重ねることはできる。わけのわからないまま回数をこなしていけば、箔は嫌でもつく。商売にならないからといって、すぐに投げ出さないこと。我慢が必要。


・陳腐な電通メソッドの排除
カズや岩本などの峠を越した選手を「パンダ」として呼ぶのは、選手にも失礼だし、客にもクラブにも失礼だ。選手に罪はない。謗りを受けることを承知で引き受けたカズも岩本も立派だと思う。ただ、こういう手法には疑問符。日本代表と同じように、目先の利益を考える広告代理店の手法だけでは長期的な大会の運営は厳しい。根本的なシステム欠陥をなくす方向に向かって欲しい。


と、だらだらと書いたが、どれも短期的には直りそうにないなあ。
FIFAのお題目とお金と試合内容とという3者を同時に成立させるのはかなりシビア。
これは難しい。