試合短評 日本-トリニダード・トバゴ(国際親善試合) | picture of player

試合短評 日本-トリニダード・トバゴ(国際親善試合)

■日本2-0トリニダード・トバゴ
■短評

まさに新生した日本代表の船出。試合内容はちょろちょろと。


4-4-2でDFラインが右から田中隼磨、坪井、トゥーリオ、駒野、中盤は底に鈴木啓太、長谷部がその隣で、左サイドに三ちゃん、トップ下から右サイドにかけて山瀬、2トップは我那覇と田中達也という布陣。トリニダード・トバゴはようわからんが、たぶん3トップ気味だったと思う。(うろ覚え)


試合経過は省略。三ちゃんが突然覚醒して2得点。ただし、トリニダード・トバゴは勝利への意欲も技術もなかった。全くと言っていいほど中盤でキープできず、そこからサイドのウイングにボールがわたることも稀、さらにはボールがたまに渡っても勝負に行く前に潰される、という非常に悪いサッカーをしていた。そこにはもちろん日本の早い出足と中盤での精力的な潰しがあったのだが、それにしてもお粗末過ぎるコンディションと技術だった。


なので、日本の評価も留保つき。内容としては前半30分までのサッカーには光明が見えた。人が連動してプレスをかけ、ボールを奪うとスペースに山瀬、三ちゃん、両SB、長谷部、田中達也が飛び出し、次々とチャンスを作る。それはオシムが目指すサッカーに合致するものだった。結果的にこの時間帯に2点取れたことが勝利につながったのだが、その後はよくなかった。動きが少なくなることで、ボールが出ず、ロングボールを競らせてもこぼれ球が拾えない。さらには、プレスのゆるみから単調なドリブル突破を許す、という悪循環。選手交代もあまり効果はなく、結局、最終的にはあまりまとまりの感じられないゲームとなってしまった。


もちろん、単純に3年間チームを作った千葉とは比較できないが、それにしても30分でいい流れが途切れたのは不可解なくらい突然だった。肉体の疲労と言うよりは、連携が成熟してないことによる集中力の磨耗だろうか。「こう来る!」と思って真っ先に動くのと「どれが来るのかな…」と常に不確定要素がある状況では、精神の疲労度は段違いだ。同じグループ(浦和)の選手を多く入れることでそれを回避しようとしたが、その緩やかなつながりは、交代選手が入ってくると崩れてしまった。これは今後時間をかけていくしかないのだろう。


ただ、この準備期間なら上々の結果。ベクトルはいい方向に向いていることも確かで、課題もはっきりとしている。今後、メンバーは入れ替わるだろうが、それでもぶれない軸というものを感じることはできた。願わくば、近視眼的な結果に左右されるのではなく、長期的な視野を持ってチームを見ていく人が増えれば、と思う。


■picture of player 角澤アナウンサー&安木松太郎
日本代表が新生しても、クォリティ据え置きのノープランコンビ。知性の感じられないコメントの羅列と、音声だけ聞くと何の競技だかさっぱりわからない、というのにも大概慣れましたが、「サントスはやっぱり攻撃をさせた方がいい選手ですね~」「シンプル!やっぱりこれがサッカーですよ~」などと前任者のサッカーを全否定するような発言を今になって言い出すのは、どうなんだ。というか、ジーコのときに言ってやれよ。おもねることだけが応援ではないだろう。テレビ局に首尾一貫性や倫理観を求めてもしょうがないとは思うが、それにしても酷すぎる。電通様のお金には逆らえないのはわかる。しかし、このあからさまな手の平返しには正直げんなり。もう報道の気骨など求めてもしょうがないのだろうか。