試合短評 千葉-蔚山現代(A3選手権) | picture of player

試合短評 千葉-蔚山現代(A3選手権)

■千葉3-2蔚山現代
■短評

生観戦。ピッチにごく近いゴール裏で見ていたため、俯瞰できませんでした。
なので、分析は大味です。
相変わらず、斜め裏からだとスピーカー邪魔。


さて、韓国チャンピオン蔚山現代ですが、強かった。布陣は3-5-2。2トップを神戸にいたレアンドロとイ・チョンスが組み、その後方に若いチェ・サンクが陣取る。後は知らない選手ばっかり。千葉はスタメンからだいぶメンバーが落ちる。3バックは水本、結城に中島さんがあまる形、中盤は阿部、佐藤が中央で左サイドに楽山、右に水野、トップは巻の1枚でその下にクルプニコビッチと羽生。


前半は互角の展開。千葉は序盤にトップの3人がうまく絡めず、どちらかと言えば蔚山現代のペースか。蔚山現代はプレスを激しくかけてボール回しを寸断し、カウンターを次々と繰り出すという展開。しかし、先手を取ったのは千葉。23分にセットプレーから中島さんがドンピシャで合わせて、先制。ただ喜んでいたのもつかの間。カウンターからイ・チョンスが抜け出して最後はチェ・サンクに見事なクロスを合わせて、同点。それからしばらくは千葉のボール回し、蔚山現代のカウンターという展開が続く。千葉はボールは回るのだが、クルプニが持ちすぎたり、さっぱり巻にボールが入らなかったりで、いまいち決定機まで持ち込めない。そして、42分にはまたも蔚山現代のカウンター。最後はイ・チョンスが冷静に流し込んで、逆転。うわー、チョンス顔むかつくよー、スパイク黄色だよ気持ちわりー、と憤慨していたが、それもつかの間。今度は千葉が猛攻。1分後にクルプニコサンコビッチのクロスに巻が足でわずかに触って(触った?)同点。そのさらに3分後にはクルプニココバチビッチのスルーパスを受けた佐藤が倒れながら羽生にパス、それを落ち着いて押し込んで、逆転。戦慄の5分間で妙な余韻を残したまま、ハーフタイム。


後半は圧倒的な千葉のペース。前半よりも厳しいプレスで前線から追い込み、怖いイ・チョンスとチェ・サンクにボールが入る前に潰しまくる。特に阿部と佐藤の働きはすさまじく、ボールを奪う作業も見事だったが、そこからの飛び出し、展開と文句のない出来。特に佐藤の運動量はすさまじく、相手のCKからカウンター開始のパスを送った上で、長い距離を走ってフィニッシュに絡むというソリン状態。他の選手も大なり小なり同じ状態で、チーム全体でも蔚山現代を走力で完全に圧倒。こぼれ球の争いも完勝。硬直的な蔚山現代の3-5-2をポジションチェンジで侵食し、1タッチ、ダイレクトのパス回しから羽生、山岸、佐藤、阿部がわらわらと飛び出し、CBの結城も暴走ドリブルから、チャンスを山のように築き上げた。しかし、相手GKがすばらしいセーブを幾度も見せたこともあり、無得点。すっかり消耗した蔚山現代も何度かチャンスを作るが、それも単発。終了間際に謎のPKを取られたが、これも立石が見事にセーブ。そこで試合終了。がっつり振り回された蔚山現代の選手がピッチにへたり込んだ姿が印象的だった。


蔚山現代はフィジカルが強く、縦に速い、いかにも韓国チャンピオンというチームだった。攻撃に関しては、基本的には前線の3人のみで行う速攻がメイン。イ・チョンスとチェ・サンクのスピードはすさまじく、この2人が両サイドに自由に流れながらドリブルを仕掛けることから攻撃は始まっていた。特にチェ・サンクは今日見たのが初めてだったが、ボールスキルに優れていて、当たりも韓国人らしく強く、マークについていた阿部は相当対処に苦慮していた。ほとんどまともにボールを取られなかったのではないだろうか。今後、おそらく代表にも出てくるだろう。かたや、ワールドカップにも出たイ・チョンスもやはり怖い選手。むかつくけど。ほとんどフリーマンのような位置取りで自由にポジションを変え、再三切り裂こうとしていた。むかつくけど。チーム自体はボール回しがさほど得意ではなく、ボランチ二人も展開力があるわけではなかったが、前線のこの2人のスピードを完全に止めることは難しい。守備に関しても、他のメンバーが基本的に守備ポジションを崩すことがないので、今日の千葉のように、ダイレクトパスを多用するか、プレスをかけてショートカウンターを繰り出すかしないと、中々点をとることが出来ないだろう。勝ちがたい相手。


千葉はほとんど文句なしの出来。点差としては1点だが、内容では完勝。シュートが入らないのはいつものことだが、走力と知恵を磨けば、アジア相手にも戦えることを証明した。正直、フルメンバーでないのに蔚山現代相手に勝てたのは、びっくりした。リスクの多い戦い方だし、実際に点も取られているのだが、アジアひいては世界と戦っていくには、この方向性もありだろう。個人的には、日本代表もこれくらいの戦いを見せて欲しいものだ。


■picture of player 中島浩司
ゴール裏で女の子から大人気だった「浩司」。なんだかふにゃふにゃしたプレースタイルで不安感たっぷりだったが、けっこうよくやってた。お世辞にもDFはうまいとは言えないが、勘がいいのかポジショニングでなんとかカバー。すっこーんやられてた場面も結構ありましたが。MFが本職ということもあり、展開はよかった。なんでこんなにサポーターから愛されてるのかはよくわからん。くすぐられるのか。母性本能やらをくすぐられるのか。浦和でいう内舘的ポジション?