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2005-06-30 23:50:34

タナボタ企画『魅せられて日本』(1)

テーマ:舞台を観る

出演

(タナボタ企画)林アキラ、岡幸二郎

(ゲスト)伊藤恵理、堀内敬子

構成・演出…忠の仁(タナボタ企画)


行ってまいりました。

タナボタ公演、これまで笑いすぎて涙が出たことはあるのですが、今日は不覚にも歌声に涙腺を刺激されてしまいました。こんなはずじゃなかったのに…。 でも、期待をはるかに上回って満足。日本ミュージカル界のトップクラスを誇る歌のレベルに、あり余るほどのエンターテイナーぶりが加わっている、ぜいたくなこの企画、毎回楽しみにしています。


ミュージカルのナンバーでつづる通常のタナボタ公演とは趣を変えて、今回は日本のメロディーで構成されたコンサートです。なんとオープニングは「赤とんぼ」。童謡から始まりました。ゲストの伊東恵里さん、堀内敬子さんの澄み通った第一声に、「むむ。これはただものではないステージが始まるな」と、期待がふくらみます。懐かしい歌の数々が、プロにかかるとこんなに生まれ変わるとは…。岡さんも好きだという曲「この道」(北原白秋/山田耕作)では、自分の家族のことを思い出して、ぽろりと泣いてしまいました。恥ずかし…。


その次は「浅草オペラ」コーナー。このジャンルは今日初めて知ったのですが、とってもハマりました。 大正時代に入ってきた、カルメンやボッカチオといったオペラ・オペレッタの曲に、庶民的な日本語詞をつけた歌のことで、当時の歓楽街だった浅草で盛り上がったそうです。「ベアトリ姐ちゃん」というのは、原曲の「ベアトリーチェ」を訳したものだったとは初耳。確かにすごいセンスだわ。 当時は、少年配達夫が自転車に乗りながらオペラのメロディーを口ずさむほど、広く親しまれたとのことです。今よりよっぽど豊かな文化が花開いた時代だったんですね。でも関東大震災によって東京が壊滅的な打撃を受けたことにより、浅草オペラの灯も消えてしまいました。


このコーナーでは岡さん、ここぞとばかり声を伸び伸びと張り上げて歌っていました。オペラですもの、歌い甲斐があるでしょうね。一時の不調を経て、もともとあった声のつやに気持ちのひだが加わったような感じ。うまく言えないですが、「復活」というよりは、進化した新しい歌声に出合った気がしました。


余談ですが、その昔、帝国劇場でもオペラが上演されていたそうです。東宝に歌劇部というのがあったそうな。でも残念ながら、あまり流行らなかったらしい…。


さて「古賀政雄コーナー」を経て、2幕はオールディーズと歌謡曲メドレー。「VACATION」では、客席から紙テープがしゅるしゅる~と飛びました。実はこれが、タナボタ企画から観客へのお願い  だったのです。私は結局、紙テープを持って行きませんでした…。小心者でごめんなさい。盛り上げてくれた観客の方、ありがとう。岡さんはステージに届いた紙テープを取り上げて「なんだか、五色そうめんみたい…」とつぶやいてました。


歌謡曲コーナーでは「赤いスイートピー」「いつでも夢を」「いとしのエリー」など親しみある作品が続きます。ミュージカルの人たちが歌うと、歌詞に感情移入したくなりますね。


ラストの曲で、また不意をつかれました。林さん、岡さん、伊東さん、堀内さんの4人で「今日の日はさようなら」を丁寧に歌ってくれたのです。うわーん。なぜ、また泣かせるのさ…。こども時代、みんなこれ歌いましたよね(いまの子はどうだか知らないけど)。幼いころの思い出も、彼らに歌ってもらうと、新しい発見があります。ただ昔を懐かしむだけじゃなくて、今、この日を大切にしなくちゃという気持ちになるから不思議です。


この公演で一番心に残った出演者は、林アキラさん。小田和正の「言葉にできない」を歌っている姿に、引き込まれました。温かくて、もの悲しくて、でもずっと聞いていたいような…。もし、丸の内や大手町のビジネス街に突然林さんが現れてこれを歌いだしたら、通りかかったサラリーマンは皆立ち止まって泣いてしまうんじゃないだろうか、なんて考えながら聴いていました。ご存じのとおり、彼は元・うたのお兄さんで、「レ・ミゼラブル」の司教役、「屋根の上のヴァイオリン弾き」の本屋役などでミュージカルファンにはおなじみの方です。


その林さん、「涙そうそう」(夏川りみ)では、ふと上を向いて目をしばたいていました。涙をこらえているような…。けれどさすがプロ、涙声にはなりません。その後のMCも明るい声で通していました。でも、上を見ながらあのとき、どんな想いが込みあげていたのでしょうか。

明日は、衣装のことなど。

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2005-06-29 23:59:15

6月のちらし大賞

テーマ:舞台を観る

ちらしだけでなく、作品のイメージを決めるビジュアル全般を対象に、独断で考えてみました。 エントリー作品は以下の5つ。 私が今月観たものの中から選んでいます。画像の大きさがまちまちですが、他意はありません。ご容赦ください。


(エントリー作品)
・ラ・マンチャの男  ・ナイン the musical  ・箱根強羅ホテル  

・ヘドウィグ アンド アングリーインチ

・タナボタ企画 Nothing But Japanese 魅せられて日本


【ほのぼの賞】 Nothing But Japanese 魅せられて日本

ちらし画像は、リンク先から「今後の予定」を見てください。

キャスト写真と、手描き風のイラストを組み合わせたデザインが可愛い。大正ロマンな書体も面白い。でも裏面の情報まで、すべてこの書体なので、ちょっとメリハリがつかなかったかも。惜しい。



【すっきり賞】 ラ・マンチャの男

らまんちゃ

骨太で力強い舞台のイメージがよく出ています。あの欧文ロゴは、日本人スタッフが考えたのかな? とてもカッコいい。昔は、もっと色や写真をたくさん使ったビジュアルだったときもあるようですが、私は断然、現在版を支持。なお、東宝の「ラ・マンチャの男」ホームページは「お名残惜しゅうございますが」、7月末で終了するそうです(東宝の演劇では、観客に独特の言葉遣いしますよね… まんざら嫌いじゃないですけど)。


【スタイリッシュ賞】 ナイン the musical

nine

ちらしを観ただけではどんな芝居か分からない、謎めいたところが魅力かも。でも、せっかくすてきなヘアメイク・衣装なんだから、それを前面に出したポスターも観たかったな。16人の女性が一同に会した写真は壮観だと思うけど、どうでしょう?


【オリジナリティ賞】 箱根強羅ホテル

はこね

素朴なイラストが、このお芝居のすっとぼけた笑いの感じを、ちょうどぴったり表しています。その意味で、とても独創的。でもなぜバレリーナの絵なのかは分からず。話の中に出てきたっけ? 理解不足でしたらすみません。パンフレット表紙デザインは、装丁界の大御所、菊池信義氏によるもの。


【☆大賞☆】 ヘドウィグ アンド アングリーインチ

hed

美しい。ビジュアルに現れている彼のプライドが。「観たけりゃ観てもいいのよ、あんたたち」と高飛車に言っているかのような、ヘドウィグの流し目… 理屈ぬきで、やられました。初演のちょっとラブリーなテイストより、べっとりした感触のこっちの方が好きだわ! なんでだろう…

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2005-06-28 23:58:23

タナボタに行く皆様っ!

テーマ:舞台を観る

七夕ではありません。タナボタ企画 です。林アキラさん、岡幸二郎さん、忠の仁さんのユニットです。いま「Nothing But Japanese 魅せられて日本」と題してツアー中。岡さんのふるさと福岡県大川市の公演、名古屋公演を経て、いよいよ明日29日と30日の東京公演でフィナーレです。


ツアー中も、まめに更新されていたホームページ(上のリンク先です)、先ほどチェックしたら、なんと、東京公演のお客さまに「お願い」が書いてありますよ。


どうしましょう、このお願い。参加したいけど、そういうことするの初めて。うまくいくかな? 第一、どこに行ったらそれ買えるの? まさか会場では売ってないですよね。売っててくれたらうれしいけど。


当日の装いも「趣向を凝らしてご来場ください!」とあります。ま、このイベント楽しみにしてる人なら、もう何日も前から「何着て行こうかな~」と鏡の前でとっかえひっかえしてるでしょうね(まさしく自分のこと)。


『シアターガイド』 7月号のタナボタ小特集も読み応えあり。タナボタ10年の歴史を、ご本人たちが語ってます。あんな格好、こんなポーズをしながら(いいのか、ジャベール…)。お勧め記事です。



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2005-06-26 23:59:29

『SHAKESPEARE'S R&J』男だけのロミオとジュリエット

テーマ:舞台を観る

今、かばんに入れて持ち歩いて読んでいる本は『ロミオとジュリエット』 です。ははは、いい年して恥ずかし…。本当はこっちのほう を買うつもりで、本屋さんに行ったのですが、解説が大人にはやや物足りなかったので(そりゃそうです。少年少女向けの企画シリーズですもの)、やはり戯曲そのものを読むことにしました。


電車の中で読むのは照れるのでやめようと思ってたのですが、読み出すとそんなこと気にする間もなく、引き込まれてしまいます。シェイクスピアといえば、あの長いせりふで有名ですが、この話は言葉の修飾一つひとつが美しく、くりかえし味わっても飽きることがありません。


読んでいて、2月にパルコ劇場で観た『SHAKESPEARE'S R&J』を思い出しました。これは、厳格なカソリックの男子高校の寮仲間が、夜中にこっそり読みだした『ロミオとジュリエット』に夢中になり、自分たちで演じ始めるという設定のお芝居です。


男と女の恋物語を、男だけで演じているわけですが、それによって、ロミオとジュリエットの物語がいかに普遍的な力を持っているのか、よりくっきり伝わってきたと思います。恋に落ちるのに理由は必要ないこと。自分と相手を固く信じる気持ち。信じる者のために、ためらわず疾走する姿…。その想いの強さは、性別や国や時代の違いに関係なく、こちらへ迫ってきます。


戯曲を読んで、『R&J』の芝居で使われていたせりふが、ほぼ原作に忠実だったということが分かりました。このクラシックな言葉遣いが、男子校の生徒たちだけという異色の登場人物や、椅子と赤い布だけという現代的な舞台装置と、不思議な相乗効果を成しているのです。


設定だけみれば確かに変わった「ロミオとジュリエット」なのですが、この禁欲的な背景があってこそ、ロミオとジュリエットの悲恋が「昔の名作」「上流社会のお話」にとどまることなく、現代に通用する力強いメッセージとして浮かび上がってきたのではないでしょうか。


ジュリエットはまだ14の春も迎えない年。若さゆえに一途に走りぬけた恋の、ひりひりするような感触を表現するのには、やはり高校生という設定で正解だったのでしょう。再演を希望する舞台です。

R&J  

SHAKESPEARE'S R&J  キャスト 首藤康之、佐藤隆太、小林高鹿、浦井健治

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2005-06-25 22:28:05

『M!』の大阪版パンフレット読んでます

テーマ:舞台を観る

明日、大阪公演千秋楽を迎える、ミュージカル『モーツァルト!』。 先日観てきた家族が、おみやげにパンフレットを買ってきてくれました。ベージュの方が今年の大阪版、黒い方は2002年初演時の帝劇版です。

M


本文デザインは、だいぶ変わっています。初演版の凹凸のある紙は使っていません。プリンシパルの写真で初演時と変わっているのは、ヴォルフガングの2人と、ナンネール、久世男爵夫人でしょうか。男爵夫人、よーく見たら指輪の位置と数を変えてきてますね。


初演版にあった、場面ごとの登場人物を紹介するページがなくなっていました。『レ・ミゼラブル』パンフでいえば、香盤表にあたるものです。再演なので、省かれたのでしょうか。でもこれがないと、アンサンブルの識別が私には難しそうだな。


舞台美術、衣装デザイン担当の方のコメントもなし。初演版では衣装の方が「ヴォルフガングに近い人ほど現代的で、遠くなるにしたがって、18世紀のスタイルで対比させた」と書いていて、なるほどと思いました。

こういう視点からの記事がなくなったのはちょっと残念。


読み物はそれなりに増えていて、初演版になかった種類のものでは、M!ゆかりの地をめぐるザルツブルク・ウィーン紀行文、クラシックファンの漫画家さんによる劇中の楽曲解説などがあります。


特にしっかり読んだのは、演出の小池修一郎さんのインタビュー「演出の裏側を語る」。ウィーン版、ハンブルク版などの流れや印象を踏まえて、日本版をどのように見せていくか試行錯誤した過程がうかがえます。これを読む限り、各バージョンで演出意図に違いがあるようで、ヴォルフガングとお父さん、アマデなどとの距離感が、少しずつ変えられているようです。


インタビューの最後に、ヴォルフガングとアマデが重なるようにして息絶えるシーンの写真があります。苦悩しているのか安らいでいるのか、どっちともとれない表情。なぜあの若さであのように死んだのか、その謎から書き起こされた作品ということなのかな…。


東京版のパンフは、また内容が変わっているかもしれません。

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2005-06-24 17:06:45

うっかり口に出せない歌

テーマ:舞台を観る
またやっちゃいました。
だれもいない夜、自転車でつーっと坂道を下りながら、気分良く歌ってしまったのです。

♪「ぶち込むぞ! 鉄格子 この星に誓う 俺はぁーーーー!」
(「レ・ミゼラブル」より「スターズ」)

そこまで歌って、ひゅっと角を曲がってみたら、歩行者がけげんそうにこちらを見ていました。聞かれてしまったか。しかもこんな物騒な歌詞を。無意識に出てくるから怖いなあ。

昼間に、小声で出ちゃったこともありますね。せまい路地を歩いていたときのこと。

♪「あのお巡りは、いつでもドジ!」
(「レ・ミゼラブル」より「エポニーヌの使い走り」)

ふと見上げると、そこには交番が。
お巡りさんは留守でした。良かった…。いや、何もやましいことはしていないんですけどね。

次の更新は、土曜の夜になります。
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2005-06-23 23:58:25

『神の火』心の奥で燃えたぎるもの

テーマ:読んで良かった本

今日は、演劇とはまったく関係ない本の話です。
===============

少年が家族を手にかけたり、通っている学校に爆弾を投げたりと、聞いて絶句するような事件が立て続けに起こっている。ニュースを聞きながら、ある作家の名前を思い浮かべていた。高村薫氏は、こんな事件が続く現在を、どう見ているだろう。

今日、原発の機密資料がウィルスによってネット上に流出したという報道を見て、高村氏の小説『神の火』が現実になったような身震いを覚えた。これは、かつて東西をまたぐスパイだった元・原発技術者の男を中心に、核開発の鍵を握る秘密資料をめぐって、国際諜報機関、政治家、運動家、チェルノブイリ事故の遺族、その周辺の人たちが翻弄される様を描いた長編。クライマックスは、主人公が幼なじみと二人で、原子力発電所を襲撃するシーンだ。

彼らが無謀な突入を図った動機を、一言で表すのはとても難しい。でも読み終わると、なぜか想像できるのだ。もの言わぬ圧力によって長年がまんを強いられてきた、やり場のない憤怒が、無名の個人を社会への復讐へと突き動かしたのではなかろうか。


その姿が、「おとなしい」「事件を起こすようには見えなかった」と言われる少年たちと、重なる。

普段は平穏な社会生活を営みながら、面の皮一枚はがしたところでは、激しい情念が爆発寸前で沸騰している…。程度の差はあれ、どんな人にも、たぶん思い当たるところがあるだろう。着火するのは、あっという間のことだ。


いうまでもなく、実際に起きた原発資料の流出と、少年たちの事件は直接関係していない。だけど、日常生活の死角で、知らないうちに、惨劇の種が育っているという点は、共通している。

高村氏の小説は、市井の人のさまざまな心情に、同じ目の高さで寄り添っている。そして、身近にあるけれど見えない何か、聞こえない声の存在に気が付いているかと、読む者に問い掛けてくる。


神の火  『神の火』上・下 高村薫・著 新潮文庫

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2005-06-22 23:46:36

ネイルについて考える

テーマ:舞台を観る

ヘドウィグを観て、最近怠けていた美容の心を刺激され、ネイルサロンに行ってきました。

え? 空しい努力だって? …いいのよっ、気持ちが大事なのよ! (誰に向かって主張してるんだか)

両手の爪を整えて、磨いて、甘皮もきれいにしてもらって、カラーリングと、ちょっとだけアート。美しい仕上がりを見て、ぼろぼろぎざぎざの爪で平気だった自分を反省しました。ヘドちゃん、ありがとうよ!


舞台で観たヘドウィグの爪は、衣装に比べて案外地味でした。つやつやの黒で、長さはそれほどでもない。この画像は、去年の舞台写真ですが、今回も同じような感じだったと思います。全体のバランスを考えれば、この程度がいいのかな。

(下は、今年のパンフレットを撮影したもの)

へどのつめ

ネイルで思い出す舞台といえば、今年上演された宝塚月組の『エリザベート』でしょう。ポスター観たとき、主役である黄泉の帝王・トート閣下の長ーいネイルに目が釘付けになってしまいました。

とーとねいる


舞台写真では、もう少し短めですが、マットな黒の先端に銀のラメがまぶしてあるようです。もっと長い爪だったシーンもあった気がするのですが、はっきり思い出せません。「我ら息絶えし者ども」~「私を燃やす愛」のあたりで長いつけ爪をしていた、なんてことはないかな。気のせいだったら、ごめんなさい。

トート閣下の指先、確かに美しいのですが、私はそこに現実味を感じてしまい、実は残念でした。整いすぎているせいか、どうしても「ネイルサロンでお手入れ励んでます!」という印象がぬぐえなかったのです。黄泉の国に、そんなものはないよねえ、やっぱり。小さいパーツといえど、こうやって舞台の印象に大きく影響することがあるから、あなどれません。

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2005-06-21 23:07:03

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(3)急いでメイクアップ♪

テーマ:舞台を観る

♪ 急いでメイクアップ

   かけよう 8トラック

   仕上げにウイッグのせて ♪ (うろ覚えなので歌詞間違えているかも)


う~ このフレーズ思い出すと、また観にいきたくなるよ。

でも実は、不安だったのである。初日前に、下のニュースで三上ヘドの顔写真を見たときは…。「あれ、何か顔が黒いけど… おしろいを忘れちゃったのかな」と、真面目に考え込んだものだ。

(サンスポ.comより、公開稽古の記事)

 “原形”は?三上博史、全身全霊で「ヘドウィグ」

http://www.sanspo.com/geino/top/gt200506/gt2005061606.html


劇場で目の当たりにした今年のヘドウィグは、初演のときよりもメイクに気合いを感じた。確かに、「分かりやすいキレイさ」は弱くなっているかもしれない。今年は暗めの肌色に、真っ白い爆発ロングヘア、顔に光る石をちりばめた姿でご登場。女装なんだけど、「うわ~ 本当の女よりきれいね~」と素直に感嘆したくなるタイプのものとは違った。今回のビジュアルはかなり濃密で、「うっ」と引いてしまうくらいのクドさを観客にぶつけていたような気がした。


それなのに、観ていてなんだか満たされた気持ちがした。正直言うと、メイクや衣装の細部はどうでもいいのである。ただ、その人の魂というか念というか、「本気」の度合いが、外見に現れているのを見るのが好きなのだ。


三上博史さんが、去年とメイクや衣装を変えてきた意図について、くわしいところは分からない。だけど、かなりこだわりを持っているのだろうなというのは、よく伝わってくる。彼のヘドウィグを見ていて、「上手に作りこんでいるな」と思うところは全然なかった。だって、三上さんの身体の一部のように感じるから。劇中で、毛皮のコートを指して、イツァークに「ほら、アタシの皮膚を取ってよ。皮膚よ!」と言うシーンがあったと思うけど、まさにそんなふうに、派手な装いがなじんでいる。


この作品を見て、自分はなんで舞台の衣装やメイクというものに心ひかれるのか、改めて思い起こしてみた。

以前、知り合いが「誰に会うのでもないのに、なんでおしゃれするの?」と聞いてきたことがある。「この人には、分からないんだなあ…」と、私はちょっとがっかりした。化粧したり着飾ったりするときに、心の中でぐるぐる渦巻くもの。一塗りするごとに、一筆描くごとに、自分の内面をさらけだして格闘するような気持ち…。ま、鏡を見ながらこんな暗いこと考える人はいないかな? ともかく、「飾ること」というのは同時に、「むき出しの姿を見つめること」と言えるのではないだろうか。


で、三上ヘドウィグの外見を復習しようと思ったのに、パンフレットには満足な写真がないよ…。アップの写真は数点あるけど、ザラザラの画質なので、じっくり研究ができない。全体的におしゃれな感じに編集してあるのは分かるけど、ヘアメイク・衣装好きの心をくすぐるページもくださいませ。

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2005-06-20 20:41:56

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(2)さなぎが蝶に

テーマ:舞台を観る

去年に続き2回目の観劇ということでよかったのは、物語のラスト直前に、イツァークがヘドウィグからウイッグをかぶせてもらったときの表情を見逃さずに済んだこと。初めて観る人も、ここはぜひチェックしてほしいな。


イツァークというのは、ヘドウィグが言うところの「従順な下僕」。ヘドウィグのバンドが以前、バルカン半島付近のどこかの国(どこでしたっけ? 思い出せない)へ巡業に出掛けたとき、前座として呼ばれたのが、地元で有名なドラァグクイーンのイツァークだった。ヘドウィグは、イツァークが二度とウイッグをかぶらないことを条件に、彼を伴侶とする。つまりイツァークは、自分を無にして相手に尽くす道を選んだのだ。


でもヘドウィグは、トミーとの過去を自分の中で受け入れることができたとき、イツァークにプラチナブロンドのウイッグをかぶせた。そのときのイツァークの驚いた表情っていったらなかった。喜び、戸惑い、いろんな気持ちを顔に浮かべたあと、ふとステージから走り去る。


そして最後、さなぎが蝶々になったように… んん、未見の人のためにここはお楽しみにしておこう(こう書いたら分かるか…)。去年と比べて、きらびやかさが控えめになってたのがちょっと残念だけど、自分らしさを取り戻してイキイキと歩く彼(彼女?)は、観ていてこっちもうれしくなった。


明日は、この舞台で大好きな衣装とメイクのこと。


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