それでも前へ進もうとする人たちの歌
テーマ:レミゼ観劇記でもやっぱりこれは希望の歌だ。恐れを乗り越えて自らの足で未来へ踏み出そうとする人たち。そのパワーこそ、希望の源だ。
学生たちの2幕にも期待できそう!
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熱く命に触れた舞台、行こう!
ふたりの絆を新たに感じたのは、まず、バリケードで捕われたジャベールが突然「♪好きな時に撃て 子どもの遊び…」と立ち上がったとき。ジャベールの正体を暴いたことでさっきまで得意満面だったふたりの表情に緊張がさっと走り、伊藤グランがガブローシュをかばうべく前に立って腕を広げていた。
今までこのシーンではアンジョとジャベばかり見てたので気づかなかったけど、同じ舞台上でこんな芝居がなされていたのね。
実はこの後がまた良かった。ジャベールが再び学生たちによって縛られ、危険がなくなったことを見届けたふたりは、改めて得意気に笑って、お互いの握りこぶしをコツンと合わせるの。
息のあったこれらの演技に、ふたりの固い信頼関係を確かに感じたわ。
レミゼ観るときのチェックポイントが、また増えたなー。
松原アンジョも伊藤グランテールもほかの学生たちも素晴らしかったのだけど、今日のマイMVPには鎌田フイイを挙げたいです。
だって彼のせいで久々に、「民衆の歌」でうるっときちゃったんだもの。
リヤカーを先導する鎌田フイイの、誇らしく胸を張った姿を見ました?
「♪悔いはしないなたとえ倒れても」という彼のソロフレーズそのままに、心に一点の曇りもなく希望だけを強く抱いた晴れやかな顔を見ました?
これを目撃しちゃったら、客席にいながらして心はもう、学生たちの列に加わらずにはいられない。心の中に、理想を信じる強さが満ちてくるのです。
さらにバリケード陥落時も泣かせてくれたの。バリケードの頂上で我を忘れて酒瓶を振るグランテールを、何とかとどめようともがいていたフイイ。やがてグランも自分も撃たれ、倒れこんでいくスローモーションの最中にも、鎌田フイイはまだ伊藤グランテールの身を探して、もはや力の入らない手を空中に伸ばしてた。
どんな想いが、フイイをそこまでさせたのかと思うと、涙がこみあげるのを止められなくて…。
頼られるフイイがいてこそ、バリケードに友情と希望が宿る。そう教えてくれた鎌田フイイが、すごく好き。
コアなファンが比較的多い休日とは違って、客席の反応が薄いのが辛かったわ。
港司教さまの慈愛深い「♪私が買った~」の後とか、松原アンジョの信念に満ちた「♪群れとなり~て~」とか、舞台からエネルギーが沸き上がっている様が見えるようなワンデイモアとか、観ていて「おお!」と興奮したシーンで、その気持ちを客席の皆で分かち合えないのは、結構さみしいもの…。
そう言えば、こないだの週末に観たときは、客席が隅までメリメリMAXに埋まっていて開演前から熱気があって、期待も膨らんだっけ。
レミゼの感動って、客席の空気によるものも大きいみたい。少なくとも私には。
山口バルジャンの「彼を帰して」には、劇場の空気をひとつに結んでしまう力がある。
マリウスが床に身を横たえたあと、イントロが流れてくるのを合図に、客席にはふんわりと緊張感がただよう。山口バルジャンの、優しくささやく歌い出しを待ちかねて。
以前もこのblogに書いたけど 、私は劇場にいながらあえて目を閉じて山口バルジャンのこの歌を聞くのが好き。耳だけでなく、体中で響きを味わうの。そうすると、自分を投げ打ってマリウスを救おうとするバルジャンの想いが、舞台から客席まで広がっていく様子が、ありありと感じられる。
終わり方もいい。「♪彼を帰して 家へ…」という高音がフェイドアウトする美しい瞬間。声は消えても、若者の無事を祈る心がバリケードの若者すべてに届いていると確信できるのだ。
砦が落ちて死んだ学生たちのシーンで流れる、同じ「彼を帰して」のメロディーに、まるで家族に見守られているような安らかさを覚えるのは、そのせいかもしれない。
気がついたら、今回公演の山口バルジャンはもう終わり。今後、さらに進化するであろうこの歌を聴くときが、待ち遠しい。
客席中が、そう思ってたんじゃないかな?18日のマチネ。
コゼットを慈しむ気持ちがあふれまくってるバルジャン。
コゼットによって人生が変わり、生かされているバルジャン。
今井バルの表情に、演技に、歌に、全身に、それが満ち満ちていたの。
挙げればきりがないけど…
まずは、森の中で出会った時。
♪名前を教えて~ とそっと語りかける優しい声に、いつも腑抜けになっちゃう。
相手がコゼットだとわかったときは、何ともいえないうれしさを隠さず、
「愛しい対象にめぐり合えた」という感激そのままに、大事に抱きしめてるね。
♪ら~ ららららら~とハモリながら宿屋に戻り、
テナルディエ夫婦と取引の話をする前に
「座ってなさい」(←言ってるよね)と、優しく促すまなざしも見逃せない。
このへんですでに、今井バルジャンのパパっぷりの虜です。
♪お城が待ってるよ~で胸に飛び込んでくるコゼットをあったかく抱きしめる姿には
お互い孤独だったふたりが家族になった素直な喜びを感じて、胸がきゅん。
だから
♪どうした! 悲鳴を聞いた!と取り乱して走ってくる姿が現れると、
コゼットがいなくなることがこの人をこんなに混乱させてしまうんだと、
観ているほうがうろたえてしまうほど。
今井バルジャンの最後のシーンには、コゼットへの思いがぎゅっと詰まってる。
花嫁姿で現れた彼女の背をいつまでもさすりつづける姿を見てると、
バルジャンにとってコゼットは、いつまでも「森の中で出会った愛しい少女」なんだなと、しみじみ思うわ。
人生を愛あるものにしてくれた小さな存在から離れたくない気持ち、客席のすみっこにまで伝わってくるの。
ああ、今井パパの愛に包まれて劇場全体が幸せに満ち溢れた、いい舞台だったな。